鍵交換のお悩みを解決
侵入窃盗犯罪の過半数は住宅が対象です。特に多いのは「ピッキング」という手口です。ピッキングの被害に遭ったら鍵そのものを交換しなければなりません。
そこで、このページではピッキングの手口と犯罪防止方法についてご説明します。
ピッキング犯罪は簡単に開錠できる手口なので、侵入窃盗犯はまずピッキングができる鍵かどうかを確かめます。
警察庁のデータ(平成28年)によると、侵入窃盗犯罪の発生場所別の認知件数は下記の通りです。
侵入窃盗の発生場所 | 割合 |
---|---|
一戸建て住宅 | 41.2% |
共同住宅 (3階建て以下) |
11.9% |
共同住宅 (4階建て以上) |
4.6% |
一般事務所 | 13.0% |
商店 | 6.9% |
生活環境営業(※) | 8.6% |
金融機関 | 0.1% |
(※)生活環境営業とはホテルや旅館、パチンコ、深夜飲食店などのことを指します。
全76,477件のうち、57.7%が住宅(一戸建てと共同住宅)を狙った犯行だということがわかります。
また、侵入窃盗犯罪の35.5%は空き巣なので、「留守であることを知って犯行に及ぶ」というケースが多く見られます。
同じく警察庁のデータによると、窃盗犯の侵入方法は次のようになっています。
侵入手段 | 一戸建て | 共同住宅 (3階以下) |
共同住宅 (4階以上) |
---|---|---|---|
無締まり | 46.5% | 48.6% | 46.1% |
ガラス破り | 36.6% | 29.6% | 16.9% |
ドア錠破り | 3.1% | 1.7% | 1.5% |
その他の施錠開け | 1.6% | 2.6% | 3.9% |
合鍵 | 1.6% | 7.2% | 15.2% |
戸外し | 0.8% | 0.3% | 0.1% |
窃盗犯の侵入方法で圧倒的に多いのが「無締まり」です。これは「無施錠」のことで、住人が鍵をかけずに出かけている間に侵入したということを示しています。(なお、無締まりには窓の無施錠も含まれます。)
しかし、現実にそれほど多くの人が無施錠で出かけるものでしょうか?
帰宅して「泥棒に入られた」と気づき警察に来てもらうと、窓を割られた形跡がない。そんなとき、警察から「鍵は締めて出かけましたか?」と聞かれます。ところが多くの人はその記憶があいまいで
「自分は締めたと思うが、その後に子どもが帰ってきて無施錠で出かけたのかも……」
「いつも通り無意識で鍵をかけて出かけたと思うけれど、はっきりした記憶がない」
など、よく覚えていないケースが多いのです。
そんな場合は、「ピッキング」で侵入されている可能性があります。
では、ピッキングとはどのような行為なのでしょうか。
ピッキング犯罪とは、特殊な針金のような専用の道具を鍵穴に差し込んで鍵を開けることです。
鍵穴を壊すことなく開錠できるので、帰宅した住人は「あれ、鍵をかけるのを忘れたのかな?」と思うかも知れません。
しかし、それはピッキング犯のしわざの可能性があります。
ピッキングは本当に簡単に鍵を開けることができます。そのため、周囲の人が見ても不審に思われないのです。
特に垣根や大きな庭木などがあり、道路から玄関が見えにくい住宅は要注意です。ピッキング犯の様子が目撃される可能性が低いため、アッという間に犯行に及んでしまいます。
また、シンプルな形の鍵(古いタイプの鍵)はピッキング被害に遭いやすいと言われています。ピッキング被害を防ぐためにも、開けにくい鍵に交換しておきましょう。
空き巣に入られた……と気づいて警察に来てもらうと、まず聞かれるのは上にも書いた通り「鍵は締めて出ましたか?」ということです。
窓ガラスを割るといった手口ならすぐに「空き巣だ」とわかりますが、ピッキング犯罪は泥棒の犯行なのか、無施錠で出かけたのかがすぐにわかりません。
声に出して「玄関の鍵OK」と確認してから出かけるようにしましょう。不思議なもので声に出して確認すると、「確かに締めた」と自分の中で確信が持てます。
電車の車掌さんが声に出して「〇〇、オーライ!」と言っている場面を見かけますよね。これは厚生労働省が推奨している「指差呼称」というもので、声に出すことと指で指す動作をすることでヒューマンエラーが大幅に減少されるのだとか。
家の施錠も指差しまではできなくても、声に出して確認するといいですよ。
ピッキング犯罪はシンプルな形の鍵ほど実行しやすいのですが、最新の鍵は形状が複雑になっています。
鍵にはいくつかの種類がありますが、その中でも「ディンプルキー」は形状が複雑でピッキングされにくい鍵です。
一般的な鍵はギザギザがあり、鍵によってこのギザギザの形が異なります。比較的単純な仕組みなのでピッキングの被害に遭いやすいというデメリットがあります。
一方、ディンプルキーは鍵にギザギザがなく、表面にいくつかのくぼみがあります。「ディンプル」とは「くぼみ」という意味で、ゴルフボールの表面にある小さなくぼみのこともディンプルと呼びます。
仕組みが複雑なので、ピッキングするのは難しいと言われています。もし、従来の一般的な鍵(側面にギザギザがあるタイプ)の場合は、ピッキング被害に備えてディンプルキーに交換すると安心です。
警察庁のデータを見ると、ピッキング犯罪の件数は年々減少しています。
年 | 件数 |
---|---|
平成12年 (2000年) |
29,211件 |
平成13年 (2001年) |
19,568件 |
平成14年 (2002年) |
19,211件 |
平成15年 (2003年) |
9,351件 |
平成16年 (2004年) |
4,355件 |
平成17年 (2005年) |
2,171件 |
平成18年 (2006年) |
1,529件 |
平成19年 (2007年) |
708件 |
平成20(2008)年以降はかなり少なくなっています。
ただし、地域によってはピッキング犯罪が現在でも多く発生しているところがあると言われています。
特に隣の住宅との距離が離れている地域や、1軒の敷地面積が広く生垣などで目隠しが多い住宅などはは狙われやすいので注意しましょう。
ディンプルキーだから絶対安全というわけではありません。防犯性能が高まっても、さらにそれを破ろうとする犯罪者がいるからです。
ディンプルキーを開ける道具が出ているとも言われています。防犯に「これで万全」ということはないので、くれぐれもご注意くださいね。
ピッキング犯罪とは、針金のような専門道具を使って鍵を開けることを言います。従来の一般的な鍵はしくみが単純なために、ピッキング犯罪の被害に遭いやすいと言われています。
ピッキング犯罪を未然に防ぐには、より複雑なしくみの鍵に交換する方法があります。ディンプルキーという表面にくぼみがある鍵はしくみが複雑なため、そう簡単に開けることができません。
最近はピッキング対策としてディンプルキーの使用が増加傾向にあります。被害に遭う前に、鍵の交換をおススメします。