鍵交換のお悩みを解決
このページで分かること
鍵を交換するとき、たいていの人は専門業者にお願いするでしょう。しかし鍵の交換は意外と簡単なので、やり方さえわかれば自分で行うことも不可能ではありません。
自分で鍵を交換するメリットとデメリットを照らし合わせ、自分でやるのか業者に依頼するのかを決めるといいでしょう。ここでは自分で鍵交換をするメリット・デメリットのほか、自分で鍵交換をする方法についてもご紹介します。
鍵交換を専門の業者に依頼すると、当然ですが費用がかかってしまいます。鍵の交換作業にかかる費用だけではなく、出張費まで取られることが多いです。
見積もりをしてもらい、最終的にその業者に依頼をしなかった場合でも、出張費だけは支払わなければならないことが少なくありません。
しかし自分で鍵を交換すると、そんなに高額な費用はかかりません。交換するための新しい鍵や、作業に使用する道具は購入しなければなりませんが、業者に依頼するときよりも安い費用で済むでしょう。
できるだけ人を疑うことはしたくないものですが、残念ながら鍵屋さんは善良な人ばかりではありません。鍵屋を開くのに必要な資格は特にないため、誰でも鍵屋さんになれてしまうのが現状なのです。
鍵交換を依頼した専門業者が、後日空き巣を働いたという事件は実際に発生しています。鍵屋さんは鍵を開ける技術があり、かつ依頼してきたお客の家の場所を知っているわけですから、そのような犯罪が起きるのは不思議なことではありません。
よって、依頼する業者は慎重に選ぶことが非常に重要なのですが、どの業者に依頼したとしても、100%絶対に安全だと断言することはできないでしょう。
「疑いだしたらキリがないから」と、割り切った考え方ができる人は業者を信じて依頼してもらっていいのですが、どうしても不安を拭いきれない人もいるかと思います。
そのような人は、自分で鍵を交換するのがおすすめです。自分で鍵を交換すれば、鍵屋さんのことを疑うようなことはせずに済みますし、運悪く犯罪を企てる鍵屋さんに依頼してしまうリスクも防ぐことができます。
鍵交換を専門業者に依頼すれば、家のドアに最も適した部品を業者が選んでくれるはずです。しかし自分で鍵を交換するとなると、部品の購入も自分でしなければなりません。
必要な部品を正しく選ぶことができれば問題ありませんが、間違った部品を購入してしまうと、ドアにきちんと取り付けることができないでしょう。シリンダーの価格はものにもよりますが、6,000円程度はかかると思っておいたほうがいいです。
購入に失敗し、もう一度買い直さなければならなくなると、12,000円もかかってしまう計算になります。こうなると鍵屋さんに依頼したときとほとんど変わらない金額になることもあるので、部品を購入するときは慎重に選ぶ必要があるでしょう。
知識も技術もない素人が自分で鍵を交換すると、間違ったやり方で作業を進めてしまう危険性があります。
トイレなど室内の鍵であればまだしも、玄関など屋外につながる部分の鍵を間違った方法で取り付けてしまうのは、防犯性を著しく低下させる可能性があり、大変危険です。
鍵はとても複雑な構造をしています。鍵の交換後、鍵がうまく回らないなどの理由でシリンダーに針金を差し込むようなことをすれば、故障の原因になりかねません。
それで業者を呼ばなければならなくなったら、コストの節約どころか二重に費用がかかってしまい、もったいないです。
ディンプルシリンダーキーとは、表面にいくつかくぼみがある鍵のことです。ピッキングに遭いづらく、防犯性が非常に高いのが特徴です。これから鍵を交換するのなら、防犯性が高く、値段もそこまで高くはないディンプルシリンダーキーが最もおすすめです。
多くの一般家庭では、未だにディスクシリンダーーキーやピンタンブラーキーなどのギザギザの鍵が使用されていますが、こういった種類の鍵はピッキングに遭う危険性が高いと言われています。
もし今もディスクシリンダーキーやピンタンブラーキーを使用しているのなら、一刻も早くディンプルシリンダーキーに交換したほうがいいでしょう。
鍵を交換するとはつまり、シリンダーを交換するこということです。シリンダーとは、鍵を差し込む部分のことです。シリンダーを選ぶときは、以下の情報が必要になります。
鍵のメーカーや品番は、ドアの側面を見ればわかります。ドアの厚みはメジャーなどを用いて測るのですが、側面を測ると誤差が生じることがあるため、側面ではなく底面を測ることをおすすめします。
鍵のメーカー・品番・ドアの厚みのすべてを調べたら、ネットショップやホームセンターなどで対応するシリンダーを探しましょう。
まず、フロント板を外しましょう。フロント板とは、玄関扉の側面に取り付けられている板のことです。フロント板は、上下のビスを外すことで取ることができるでしょう。
フロント板を外すと本体が現れます。本体をよく見ると、シリンダーを留めているピンが4つあることがわかります。この4つのピンのうち、室外側のピンのみ上下ともに抜いてください。
すると、古いシリンダーを外すことができます。
あらかじめ購入しておいた新しいシリンダーを取り出しましょう。新しいシリンダーの裏側を見ると、上下に出っ張りがあるのがわかります。この部分が本体のシリンダー取り付け穴に合致するように、はめ込みましょう。
シリンダーを本体にはめ込んだ状態で、先ほど外した2本のピンを差し込みます。
最後にフロント板を元どおりに取り付けるのですが、その前に念のため動作確認をしておいたほうがいいでしょう。
鍵を差し込み、閂が正常に動くかどうか、回したときの感触は滑らかかどうか、鍵は問題なく抜き差しできるかどうかといった点を、確認します。
動作に問題がなければ、最初に外したフロント板を元のように取り付けましょう。フロント板をあてがい、上下のビスを時計回りに回して取り付けます。
作業がすべて終わったら、ドアを閉めた状態での動作確認も行っておきましょう。
暗証番号錠なら、おでかけの際に鍵を持ち歩く必要がありません。ピッキングの心配もないので、防犯性は非常に高いと言えるでしょう。
暗証番号をよその人に知られないように注意する必要はありますが、万が一知られることがあっても、暗証番号は簡単に変更することができます。
間違った番号を何度も入力すると、一時的に操作できなくなる機能の付いた暗証番号錠を選ぶと、より安心できるでしょう。
鍵を暗証番号錠に交換するのは、難しそうなイメージを抱く人が多いかもしれません。
たしかに従来の電気式の暗証番号錠は、ドアに取り付けるだけでは使用できず、電気工事が必要だったため、自分ですべての作業を済ませるのはなかなか難しいという事情がありました。
しかし、最近では電気工事の必要がない電池式の暗証番号錠も販売されているので、自分で交換することも不可能ではありません。
値段も、かつての暗証番号錠は10万円以上かかるのが普通であり、一般家庭ではなかなか手が出せないというイメージのある鍵でしたが、最近は1万円くらいから手に入る暗証番号錠があります。
暗証番号錠の種類には、ドアに穴を開ける必要のあるものと、穴を開ける必要はないものがあります。ドアに穴を開ける必要のあるものであれば、ホールソーなどを用いて穴を開けていきましょう。
木製だとすぐに開きますが、粉が出るのでマスクを装着しておくのをおすすめします。失敗できない部分なので、付属の説明書などをしっかりと読み、慎重に行ってください。
ちなみに、賃貸物件でドアに穴を開けるのはまずいので、その場合は穴を開ける必要のない鍵を選ぶ必要があるでしょう。
ここではシリンダータイプの鍵から、edロックという暗証番号錠へと交換する手順をご紹介します。edロックは暗証番号錠の中でも比較的簡単に取り付けることができると言われており、一般家庭の玄関ドアで使用できます。
原状回復もしやすいので、賃貸物件でも取り入れやすいでしょう。
edロックはレバーハンドルと一体となるように取り付けるので、まずはレバーハンドルを外さなければなりません。ただ、レバーハンドルを外す前に、ドアの前にストッパーを置くなどして、ドアが閉じないように工夫をしておいてください。
なぜならレバーハンドルを外したあとにドアが閉じてしまうと、開けることができず大変だからです。ドアが閉じないように準備ができたら、レバーハンドルを外していきます。
レバーハンドルを外すときは、玄関の内側のレバーハンドルのネジを外します。するとレバーハンドルが取り外せる状態になるので、内側と外側のレバーハンドルを両側から引っ張りましょう。
レバーハンドルが外れたら、レバーハンドルの丸座も取り外しましょう。丸座とは、レバーハンドルと玄関ドアの間に付いている丸いパーツのことです。
金属製の丸座カバーを外したらプラスチック製の丸座が現れるので、それも外しましょう。金属製の丸座カバーが固い場合は、ヘラを使用すると取り外しやすいです。プラスチック製の丸座は、ドライバーでネジを緩めることで外すことができます。
ドアの側面に取り付けられているフロント板の上下のビスを緩め、フロント板を外しましょう。
フロント板を取り外すと、本体が現れます。本体にはシリンダーを留めているピンが4つ刺さっています。これらのピンのうち、屋外側の2本だけを外してください。すると、屋外側のシリンダーを外すことができます。
いよいよedロックを取り付けていきますが、その前に本体がドアにしっかりと取り付くように厚みを調節しておきましょう。本体のシリンダーを回すことで、調節することが可能です。
またシリンダージョイントの向きも、調節しておく必要があります。シリンダージョイントとは、本体のアタッチメント部分中央にある部分のことです。この部分がシリンダー穴にぴったり入るように、向きを調節しておいてください。
調節ができたらedロック本体を、先ほどシリンダーを取り外した穴に差し込みましょう。本体をしっかりと差し込むことができたら、そのまま押さえた状態で、ピンを差して固定します。ドアの屋内側から鍵を回し、問題なく動くか確認してください。
動作に問題がなければ、先ほど外したフロント板やレバーハンドル、丸座などの部品を元どおり取り付けていきます。ただし室外側のレバーハンドルは、付属のハンドルホルダーにはめた状態で取り付ける必要があるという点に、注意しましょう。
ハンドルホルダーはサイズの異なるものがいくつか入っているので、取り付けるレバーハンドルに適したものを選んでください。室内側のレバーハンドルは、元のように丸座の上から取り付けるだけでOKです。
フロント板はドアの側面にあてがい、ビスで取り付けます。すべての部品を取り付けることができたら、鍵が正常に作動するかチェックしてみましょう。
鍵を交換する手順は、鍵や玄関ドアのメーカー、製品によって異なります。よって上記の交換手順は、参考程度に捉えてください。
新しい鍵を購入すると、たいてい説明書が付属しているはずです。その説明書を読みながら作業を進めたほうが、間違いなく鍵を交換することができるでしょう。
持ち家であれば、鍵交換は自己責任で自由に行ってかまいません。ただし賃貸物件では、必ず大家さんや管理会社の許可を取ってから鍵を交換しましょう。独断で勝手に鍵を交換してしまうと、後々トラブルに発展する可能性があります。
場合によっては、部屋を追い出されてしまうこともあるでしょう。賃貸物件によっては、鍵の交換・追加を禁止していることもあるので、規約や契約書をよく確認しておくことも大切です。
また、火災などの緊急時には、大家さんや管理会社の人が部屋に自由に立ち入ってもいいことになっています。そのため鍵を交換した場合、大家さんや管理会社に部屋の鍵を1本渡しておかなければなりません。
持ち家であれば、古い鍵は処分しても問題ないでしょう。ただ賃貸物件にて自分で鍵を交換した場合、古い鍵は必ず大切に保管しておきましょう。なぜなら借主には部屋を退去するときに、原状回復義務が生じるからです。
原状回復義務とは、賃貸契約を解除するときに、部屋を契約締結時の状態に戻して返却しなければならないという義務です。カーペットや壁紙の汚れなど、通常の使用による損耗は原状回復をする必要はありません。
しかし自己都合で交換した鍵については、原状回復義務を負います。退去時に困らないよう、古い鍵を失くしてしまわないように気をつけましょう。
ここまで読んでいただければ、自分で鍵を交換することは意外に簡単だということが、おわかりいただけたと思います。しかし、もしやり方を間違えたり、部品を失くしたりするようなことになれば、失敗してしまいます。
防犯性を弱めることにもつながるでしょう。失敗すればお金も手間も無駄にかかってしまいますから、自信のない人は最初から専門業者に依頼することをおすすめします。