鍵交換のお悩みを解決
このページで分かること
「引き戸」とは戸をガラガラと横に動かして開ける玄関戸のことです。玄関がドアではなく引き戸という住宅の場合、鍵が壊れたらどうすればいいでしょうか?
業者に来てもらうのもひとつの方法ですが、自分でも簡単に交換できますよ。
その際に準備するものと手順をご説明します。
玄関引き戸の鍵交換は、それほど難しいものではありません。
まずは引き戸の鍵のしくみを見ていきましょう。
玄関引き戸の鍵は、その設置場所によって「召し合い錠」と「戸先錠」の2種類があります。
召し合い錠 | 2枚の引き戸が中央で重なり合う部分に設置されている鍵のこと |
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戸先錠 | 左右どちらかの引き戸の端に設置されている鍵 |
また、召し合い錠、戸先錠のいずれも鍵穴に鍵を差し込んで開閉する他、内側はサムターンがついているものや内側からも鍵で開閉できるタイプなどがあります。
玄関引き戸の鍵は、次のようなパーツで構成されています。
鍵本体 | 鍵穴があり、鍵を差し込む本体部分 |
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フロント | 本体を設置後にカバーする化粧板 |
スペンサー | 戸の厚みに対して調整する部品 |
ビス | 本体や化粧板を固定するためのもの |
鍵 | 施錠するための鍵 |
玄関引き戸は上記のようにいくつかのパーツがありますが、これらを単品で購入することはほとんどありません。
すべての部品とビスが1セットになって販売されています。現在設置されている引き戸鍵と同じメーカー、または同じサイズの鍵を購入することになります。
玄関引き戸の鍵を自分で交換する際には、引き戸のサッシメーカーや鍵の型番などを確認します。
まず同じ型番の鍵があるかどうかを確かめます。そのためには、どこのサッシメーカーの引き戸なのか、また鍵の型番の記載があるかどうかを見てみましょう。
鍵の型番がわからない場合は、サッシメーカーと鍵のサイズからピッタリ合うものを探すことになります。
玄関引き戸には、次のようなサッシメーカーのものがよく使用されています。
これ以外にも多くのサッシメーカーがありますし、鍵のフロント部分(表面)に鍵のメーカー名(MIWAやWEST)などが明記されていることもあります。
すぐにメーカー名や型番がわかればいいのですが、中にははっきりわからない場合があります。
また、その鍵がすでに廃盤になっていることもあり、まったく同一製品を手に入れるのが困難ということもよく見られます。
その場合は、同じサイズのものを探してみましょう。
玄関引き戸の鍵は、次の点を計測してください。
ビスピッチ | フロント部分(外から見える化粧板)を留めているビスとビスの上下の幅 |
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戸厚 | 鍵を固定する部分の戸の厚み |
フロントサイズ | 鍵を正面から見たときに見える化粧板の高さと幅 |
切り欠き穴 | 鍵の本体部分を取り外したときに見える穴(本体をはめこむ穴)の高さと幅 |
もし同一メーカーや同一型番がない場合は、万能タイプの鍵でも使えます。その際に、これらのサイズが必要になります。
同じ型番の鍵が手に入らないときは代わりのものを使用します。そのときに鍵の本体部分が切り欠き穴に入らないと困ります。少しきついという場合はやすりなどで穴を削ってはめ込むようにしましょう。
必要なものを一式そろえると、どれくらいかかるのでしょうか?業者に依頼すると、出張費込みで2万円~5万円しますが、自分で交換する場合はそれほど高くはありません。
鍵本体セット | 5,000円~2万円 |
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ドライバー | 数百円 |
金属用やすり | 数百円 |
鍵のメーカーや性能などによって金額は幅があります。ドライバーや金属用やすりは手持ちのものが使えればそれで大丈夫ですし、購入する場合は100円ショップやホームセンターで安いものが手に入るのでそれを使いましょう。
では、いよいよ玄関引き戸の鍵交換の流れをご説明します。と言ってもそれほど難しいことはありません。
必要なものを準備して、現在の鍵を取り外して新しい鍵を取り付ければ完了です。
自分で玄関引き戸の鍵を交換するときは、次のものを準備しておきましょう。
これだけが揃えばOKです。
必要なものが揃ったら、交換作業を始めましょう。
(鍵の仕様によって多少手順は異なります)
本体が切り欠き穴にうまく入らない場合があります。そのときは、金属やすりで切り欠き穴を削って調整しましょう。
また、戸の厚みが合わない場合は、鍵セットに同梱されているスペンサーを使って調整します。
せっかく玄関引き戸の鍵を新しいものに交換するならば、防犯性能を高める鍵に変えてみましょう。
防犯性能が高い鍵には、次のものがあります。
通常の鍵は、鍵の側面がギザギザしています。このギザギザの形状の違いで、それぞれの鍵を判断します。しかし、ピッキングで簡単に開錠できるため、防犯面ではあまりおススメできません。
一方、ディンプルキーは鍵の側面ではなく表面に凸凹のくぼみがついています。これは複製が難しい上にピッキングで開けることが困難な鍵なので防犯性に優れています。
玄関引き戸用のディンプルキーが販売されているので、鍵交換する際にはディンプルキーに変えるといいでしょう。
サムターンとは室内側で鍵を開け閉めする際につまむ部分のことです。親指でつまんで回すことから、「Thumb (親指)-turn(回す)」と命名されたと言われています。
玄関ドアにドリルで穴を開けたり、ガラス窓を割ったりして、サムターンを回してドアを開けるという犯罪があります。
玄関引き戸用の鍵の中には室内側にサムターンがなく、室内側からも鍵穴に鍵を差して開錠するタイプのものがあります。このようなサムターン回し対策を施した鍵なら、防犯面でも安心です。
鍵穴に鍵を差し込んで開けるタイプではなく、室外側から暗証番号のボタンを押したり、ダイヤルを合わせたりして開錠するタイプがあります。
ピッキングやサムターン回しの心配がない上に、鍵を持ち歩く必要がないので鍵紛失の心配もありません。
ただし、暗証番号を忘れないようにしましょう。
玄関引き戸の鍵が古くなったり、壊れたりしたときは、自分でも交換できます。鍵は本体とビスなど必要なものがセットになって販売しています。
サッシのメーカーや鍵のメーカー、型番などを確認して同じものが手に入るか探してみましょう。もし廃盤になっている場合でも、ビスピッチやフロント部分のサイズなどを測れば代替品が見つかります。
鍵交換は古い鍵を取り外して新しいものを設置し、ビスで留めるだけです。簡単に交換できるので、この機会に防犯性能が高い鍵に取り換えるのもいいことです。