鍵交換のお悩みを解決
古いタイプの鍵は構造が単純なために、空き巣の被害に遭いやすくなります。また、鍵を紛失した場合も、そのまま合鍵を使い続けるのは心配です。
そんなときはシリンダーごと交換すると安心です。
シリンダーと鍵の交換をする前に、「シリンダー」とはどの部分を指すのか、また、鍵のしくみはどうなっているのかを確認しておきましょう。
鍵を自分で選んで購入して設置する人は少ないのではないでしょうか。
ほとんどの人が、家を建てたとき、または賃貸契約をした住宅に最初から取り付けている鍵を使用しています。そのため、鍵がどんなしくみになっているのか、わからないという人がほとんどです。
鍵は次のようにいくつかのパーツで成り立っています。
鍵 | 鍵穴に差し込んでガチャガチャと回して開錠するもの |
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シリンダー | 鍵を差し込む鍵穴の部分 |
ドアノブ | ドアを開閉する取っ手のことで室外側と室内側にある |
サムターン | 室内側で施錠するつまみのこと |
ケース | サムターンが挿入されている部分 |
フロント | ドアの側面に見える部分 |
バックセット | ノブやシリンダーのケースなどを取り付ける部分 |
デッドボルト | 鍵やサムターンを回して施錠する部分(カンヌキ) |
ラッチボルト | 風などでドアが開かないように止める役割がある |
上の表のように鍵はいくつかのパーツで成り立っていますが、鍵を交換する場合はこれら1セットすべてを交換しなくても、シリンダーと鍵(鍵穴に差し込むキー)を交換すればOKです。
では、具体的な交換方法を見ていきましょう。
交換は次のような流れで進めていきます。
作業自体はそれほど難しいことではありません。ただ、もし同じメーカーのシリンダーの取り扱いがないと困ります。
作業の前に、必ずメーカー名と型番を確認してください。
鍵のメーカー名や型番は鍵のフロント部分(ドアの側面側に見えている部分)に刻印されています。
なお、鍵は次のようなメーカーのものが多く使用されています。
今まで自分の家の鍵がどこのメーカーのものなのか、気にも留めなかったという人が多いと思いますが、交換する際には必ず確認しましょう。
もし現在使用している鍵と同じ型番の在庫がない場合や、古くて製造中止になっている場合は、鍵を外してしまうと無施錠になってしまいます。
この段階ではメーカー名と型番をチェックするだけにして、インターネットで同じ型番の鍵(シリンダーと鍵のセット)が手に入るかどうかを確認しましょう。
築年数が古い住宅で、過去に一度も鍵交換をしたことがないという場合は、同じ型番の鍵が廃盤になっている可能性があります。
また、古いタイプの鍵は防犯面でも不安が残ります。そのときは、鍵の専門業者に相談してみましょう。
玄関ドアに設置が可能で、かつ防犯性能に優れた鍵に交換してもらえます。
人は使い慣れたものに安心感を覚えるものですが、鍵に関しては必ずしもそうではありません。
窃盗犯は捕まると大変です。そのため、いかに捕まらずに窃盗での成果を得るか……ということを日々研究しています。
そんなプロの窃盗犯から見れば、古いタイプの鍵はいとも簡単にピッキングされてしまいます。
もし鍵(シリンダー)を交換するならば、被害に遭いにくい防犯性能が高いものを選ぶようにしましょう。
では、防犯性能が高い鍵とは、どのようなものでしょうか。
おススメは次の2つです。
では、それぞれをくわしくご説明します。
ディンプルキーの「ディンプル」とは「くぼみ」のことを意味しています。鍵の表面に凸凹としたくぼみがあることから、「ディンプルキー」と呼ばれています。
ゴルフボールの表面にもくぼみがありますが、このくぼみもディンプル」と呼ばれています。
一方、従来の鍵は表面ではなく側面がギザギザになっています。鍵によってこのギザギザが異なりますが、この一般的な鍵(ピンタンブラー錠とも呼ばれる)は、ピッキングされやすいという特徴があります。
ピッキングとは、鍵穴に特殊な針金のような器具を挿入して開錠することを言います。音もなく数秒で開錠できるため、侵入窃盗犯の手口としてよく見られます。
もしシリンダーと鍵を交換するなら、今までと同じタイプの鍵ではなく、ディンプルキーに交換すると安心です。
なお、自宅の玄関ドアに合うかどうかは専門業者に見てもらいましょう。
CPとは「Crime Prevention」の略で、「犯罪防止」や「防犯」の意味があります。CP認定錠は警察庁などが特に防犯性が高い建物部品(※)として認められた鍵に表示できるもので「CPマーク」が付けられています。
(※:防犯建物部品とは平成14年11月に、警察庁をはじめとする省庁と日本ロック工業会などの民間団体によって設立された「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」(官民合同会議)で建物部品の試験基準が設けられ、同年より試験を実施して、合格した製品が防犯建物部品として認められています)
CP認定錠として認められるには、次のような検査項目に合格する必要があります。
第1系列の試験 | ・耐ピッキング試験 ・耐インプレッション試験 ・バイパス開錠試験 ・耐読み取り性能試験 ・サムターン開錠試験 |
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第2系列の試験 | ・ドリリング試験 ・シリンダーのもぎ取り ・シリンダープラグの引き抜き ・シリンダープラグの捻り ・デッドボルトの切断 ・携帯用ガスバーナー試験 |
第3系列の試験 | 第2系列の合格品について一般試験員が試験を実施 (バールなどでのドア錠こじ破りが5分以上かかる場合は合格など) |
このように各種の防犯性能に関しての試験に合格したものだけが、CP認定鍵として認められます。
これから鍵(シリンダー)交換を検討する場合は、ディンプルキーやCP認定鍵を選ぶといいでしょう。
鍵はうっかり紛失することがあります。また、単純に開けられる旧型の鍵の場合はピッキング犯罪の被害に遭いやすくなります。
そんな場合は、シリンダー(鍵穴)ごと交換すると安心です。
シリンダーの交換は自分でもできますが、事前に鍵のメーカーと型番を見て在庫があるかどうかをよく確認しましょう。また、この機会に防犯性能が高いディンプルキーやCP認定錠に交換するのもいい方法です。
どれがいいか迷ったときは、鍵交換の専門業者に相談するといいでしょう。