雨漏りのお悩みを解決
このページで分かること
雨漏りと言えば屋根(天井)から起こるものというイメージがありますが、実はサッシ(窓枠)周辺から起こるケースが多くあります。
このページでは、サッシまわりの雨漏りの原因と対策について説明します。
サッシから雨漏りするケースはそれほど多くないと感じるかも知れませんが、実は住宅の雨漏り原因のベスト3に入っているんですよ。
全国雨漏検査協会(HOUSE‘Dr!)が作成している「雨漏検査白書」(平成24年度)によると、雨漏り(漏水)の原因ベスト3は下記の通りです。
下屋とは屋根が重なっている部分の、一番下側の屋根のことです。この下屋根と壁が当たる部分のことを「下屋取り合い」と言い、雨漏りがしやすいところです。
サッシと下屋取り合い、外壁は家の中でも雨漏りが多い箇所であることがわかります。
サッシは密閉して雨や風を防ぐものなのに、どうして雨漏りするのでしょうか。その原因はさまざまです。
サッシでの雨漏りは、次のような原因が多く見られます。
サッシからの雨漏りの原因は思ったよりもたくさんあることがわかりますね。
では、それぞれをくわしく見ていきましょう。
サッシの雨漏りでもっとも多いのが、コーキングの劣化でしょう。
コーキングとはサッシのまわりに付いているシール(パッキン)のことで、シーリングとも呼ばれます。浴槽や洗面台のまわりにも施されているので、目にされることが多いと思います。コーキングは建材と建材やサッシ、浴槽などをつなぐ役割があります。それと同時に防水の役目も持っています。
しかし、コーキングは年数とともに劣化していき、ゆるんだり、ヒビ割れを起こしたりします。それが雨漏りの原因になります。
サッシを取り付けている外壁にヒビ割れができて、そこから雨漏りすることがあります。これもサッシの雨漏りの原因として多く見られるケースです。
外壁のヒビは見た目にはわからないような小さなものでも、雨漏りを引き起こすことがあります。また、外壁にサイディングやタイルを使用していると、その継ぎ目のコーキングが劣化して雨漏りすることもあります。
サッシそのものに問題はなくても、サッシのすぐ近くに換気扇やエアコンなどの配管、防犯カメラなどを取り付けていると、ネジの穴などから雨漏りすることがあります。
また、これらの機器を設置することで、外壁に負荷がかかりヒビ割れを起こして雨漏りになることもあります。
引き違いサッシというのは、一般的なサッシ窓のことです。2枚のガラス窓を左右に引く形になっています。この2枚の窓がサッシのレールの上にはめこまれているのですが、そのすき間から雨漏りすることがあります。
また、サッシのレールにゴミがたまっている場合は、レールに開いている穴がふさがってしまい排水ができずに水が室内に侵入することがあります。
大きなサッシで室内の床からカーテンレールまである高いサッシのことを「掃き出し窓」とか「掃き出しサッシ」と呼びますが、すぐ外がベランダの場合はベランダから浸水することがあります。
この原因はベランダ側にあることが多く、特にベランダの床の防水層の高さが不足していると、激しい雨が降った場合にベランダからあふれて室内に雨漏りすることがあります。
屋根(天井)からの雨漏りはバケツで雨水を受け止めますが、サッシからの雨漏りはそういうわけにはいきません。では、どうすればいいでしょうか。
サッシの雨漏り時の対策をご紹介します。
サッシからの雨漏りは水がポタポタ落ちるというよりは、室内の壁紙(クロス)がジワジワと濡れるとか、床が濡れるという状態になります。
そこで、まずはぞうきんで雨水を拭き取りましょう。床が濡れる場合は、よく拭き取ってからビニールシートなどを敷いて、それ以上濡れるのを防ぎます。
引き違いサッシから雨漏りする場合は、まずは雨戸をよく閉めておきましょう。特に台風など横なぐりの雨が降る場合は、引き違いサッシから雨が吹き込むことがあります。早めに雨戸を閉めるとか、雨戸がない場合はべニア板で押さえるなどの対策をしておきましょう。
なお、サッシのレールの溝にゴミがたまっていないか、時々点検することも大切です。
サッシの雨漏りの原因は、上でもご紹介したようにさまざまです。屋根に上がらなければいけないといった危険性がないため自分でも修理できそうに思えますが、原因に見合った修理をしないと結果的に費用が高くつくことになります。
最近はホームセンターでさまざまなDIY商品が販売されています。サッシのコーキング剤なども安く手に入りますが、どうして自分でやらない方がいいのでしょうか。
それは次のような問題が発生するからです。
ホームセンターに行くと、さまざまな種類のコーキング剤が販売しています。安い価格で使いやすい製品がズラッと並んでいますが、いざ購入しようと思っても、どれがいいのか選定が難しいのが現実です。
コーキング剤は使用する場所や目的に合わせたものを選ぶ必要があります。また、製品によっては乾きにくいなどの性質があり、扱いが難しいケースが多く見られます。さらに、下地処理をしっかりしないと、すぐにはがれてしまいます。
その結果、「最初からプロに頼めばよかった」ということになりがちです。
サッシまわりの湿気は、結露が原因のこともあります。結露がひどくて床が濡れたり、壁紙(クロス)がかびたりすることがあるのですが、結露だと思って放置していたら実は雨漏りだったというケースが見られます。
また、換気扇や配管からの雨漏りなど、原因や雨漏りの経路の特定が難しいケースがあります。
しっかり原因を特定せずに自分で応急処置をして済ませると、さらに雨漏りを悪化させる原因になるので素人判断は控えましょう。
雨漏りの経路はとても複雑です。例えば、外壁のヒビ割れからの雨漏りの場合は、壁の内側が湿気で腐食している可能性があります。さらにシロアリが発生することもあります。
このように雨漏りの原因箇所と浸水経路をよく確かめずに外側のヒビ割れだけをふさいでしまうと、結果的に被害を大きくする可能性があります。
上とも関連することですが、しっかり経路を確認せずに雨漏り修理をしてフタをしてしまうと、雨水は行き場を失ってしまいます。そして、別の経路から侵入することになります。
やがてあちこちで湿気による腐食が起こり、家がボロボロになることもあるので注意が必要です。
サッシからの雨漏りはかなり多く見られるもので、住宅の雨漏り原因のベスト3に入っているほどです。
その原因はさまざまで、サッシのコーキングの劣化や外壁のヒビ割れ、外に設置した換気扇や配管、防犯カメラの取り付けネジの穴からの浸水など多岐にわたります。
もしサッシからの雨漏りを発見した場合は、とりあえずは雨水を拭き取るなどの応急処理を行いますが、修理は専門家に任せましょう。雨漏りの原因と経路をよく調べてもらった上で修理してもらうことで、被害を抑えることができます。