雨漏りのお悩みを解決

意外に多い出窓からの雨漏り~原因と対策

意外に多い出窓からの雨漏り~原因と対策

出窓は外観もおしゃれですし、室内では空間に奥行きが出る、小物を飾れるなどの理由で人気があります。しかし、雨戸がないために、常に風雨にさらされるために意外と雨漏りが多い箇所です。

出窓の特徴を知ろう

出窓からの雨漏りの原因を探る前に、まずは出窓の種類や構造を見てみましょう。

出窓の種類

ひと口に出窓と言っても、設置する場所に応じてさまざまな種類があります。

設置場所 出窓の種類
キッチン ・ハーフ出窓
・トップライト出窓
・角型出窓
・台形出窓
浴室 ・ハーフ出窓
・トップライト出窓
・角型出窓
・台形出窓
和室 ・角型出窓
・台形出窓
洋室 ・トップライト出窓
・ボウウインドウ
・三角出窓
・角型出窓
・台形出窓

それぞれの出窓の特徴を簡単にご紹介します。

トップライト出窓

出窓の屋根部分がガラスになっているものです。採光ができるので、キッチンや浴室、リビング(洋室)などに設置することで部屋全体が明るくなります。

ハーフ出窓

出窓の奥行部分が少ないタイプの出窓です。スペースが少ない場所に換気や採光目的で取り入れることが多いようです。張り出す部分が少ないため、植物や小物などを置くことは難しいでしょう。

角型出窓

出窓として張り出した部分が四角になっているタイプです。窓ガラスがそのまま外に突き出したような形になります。

台形出窓

出窓として張り出した部分が台形になっているタイプです。正面の大きな窓を引き違いで開くタイプと、正面は1枚のガラスで両袖のガラスを開閉するタイプがあります。

三角出窓

出窓の張り出し部分が三角形になっているタイプです。小さなスペースに設置して、採光や換気を行います。なお、窓は片開きになっているタイプが多いようです。

ボウウインドウ出窓

「弓型出窓」とも呼ばれる通り、半円形のアーチ型に張り出した出窓のことを言います。ガラス面を3面~6面など複数にすることでアーチ型を作ります。ガラスの面数を増やすほど、なめらかなアーチができます。

出窓の開閉方法はさまざま

出窓の形がさまざまであるように、開閉の方法もさまざまです。主に次のような開閉方法があります。

開閉方法 残高
引き違い窓 窓のサッシによく見られる開閉方法で、2枚のガラス戸を左右に引いて開ける方法
上げ下げ窓 ガラス戸を上下して開閉する方法。片方だけのガラスが動く「片上げ下げ窓(シングルハング)」と上下2枚とも動く「両上げ下げ窓(ダブルハング)」がある。
滑り出し窓 窓枠を軸にしてガラスを開ける方法。横枠を軸にする「横滑り出し窓」と上下の窓枠を軸にする「縦滑り出し窓」がある
開き窓 窓ガラスをドアのように開くタイプ。片方の窓ガラスだけ開くタイプと両面ともに開くタイプがある
はめ殺し窓
(フィックス窓)
開閉できないタイプの窓。換気はできないが採光は可能。

出窓にはこのように多くの種類があり、それぞれの構造が異なります。

出窓での雨漏りの原因は?

では、次に出窓の雨漏りの原因を見ていきましょう。

出窓でよく見られる雨漏りの原因

出窓の雨漏りは、次のような原因が多く見られます。

  • 外壁と出窓の間にすき間ができる
  • 出窓のシーリングの劣化
  • 外壁のヒビ割れ
  • 結露による建材の腐食
  • 出窓以外の箇所からの雨漏り

外壁と出窓のすき間

出窓を設置している部分と外壁の間に少しすき間ができることで、雨漏りがします。最初はきちんと設置されていた出窓も、年数が経過することでビスがゆるんでくるからです。

出窓のシーリングの劣化

出窓の周囲にはシーリングと言ってゴム状のものでつないでいます。出窓だけでなく、サッシや外壁のタイルなどにもシーリングが施されています。このシーリング材が劣化すると、ヒビ割れたりはがれたりします。その結果、出窓から雨漏りが発生します。

外壁のヒビ割れ

出窓そのものに問題はなくても、出窓を設置している外壁にヒビ割れが起こって雨漏りに発展することがよくあります。
外壁は年数を経過することで次第に劣化し、細かなヒビ割れを起こします。目に見えるような大きなヒビ割れでなくても雨漏りすることがあるので、定期的に点検してもらいましょう。

結露によって建材が腐食

出窓は外に張り出しているため、そこに空気がたまり、結露しやすくなります。結露がひどくなると、出窓周辺の壁を濡らすことになり、放置すると室内の壁(建材)がかびたり、腐食したりすることもあります。

その結果、家そのものに大きなダメージを与えることになるので注意が必要です。

結露対策としては二重サッシにするなどの方法がありますが、費用がかかります。こまめに換気したり、結露を拭き取ったりといった対策を取るといいでしょう。

出窓以外からの雨漏りもあるので要注意!

出窓周辺で水がポタポタ落ちていたり、出窓周辺の床や壁紙が濡れていたりするため、「出窓から雨漏りしている」と思う人が多いのですが、実は出窓以外の場所で雨漏りが起こっているケースがよく見られます。

出窓以外の原因は結構多い

出窓以外の雨漏り原因は、次のように結構たくさんあります。

  • 雨樋(どい)が詰まって、雨水が出窓を伝ってくる
  • エアコンの配管から雨が出窓を伝って雨漏りする
  • 屋根のひさしが壊れて雨水が出窓を伝って雨漏りする
  • 外壁(出窓から離れた場所)のヒビ割れによって出窓周辺が雨漏りする

雨漏り調査をして原因を特定することが大切

上記のような場合は、出窓をどれだけ調べても原因が特定できません。雨漏りが解消しない場合は、雨漏り調査の専門業者に調べてもらいましょう。

症状を説明すれば、原因を予測し、きちんと調べてくれます。それに沿って適切な修理をすることが大切です。

出窓の雨漏り修理はどこに頼めばいい?

屋根からの雨漏りは屋根業者(瓦会社や板金会社など)、外壁からの雨漏りの場合は外壁塗装業者に依頼しますが、出窓からの雨漏りの場合はどこに相談すればいいのでしょうか?

雨漏りの原因によって依頼先が異なる

雨漏りしている原因やその箇所によって、次のところに相談してみましょう。

雨漏りの原因 相談先
外壁のヒビ割れ 外壁塗装業者
屋根の異常
(屋根材の劣化やヒビ割れ
雨樋の詰まりなど)
・瓦屋根の場合……瓦会社
・スレート屋根(コロニアル葺き)の場合……板金会社
ひさし ・屋根の修理業者
・工務店
出窓のシーリング劣化 ・工務店
・サッシ業者
・外壁業者

雨漏りの修理でリフォーム会社は避ける方が安心

雨漏りの修理先や相談先として、リフォーム会社を検討されるケースがあるかと思います。リフォーム会社は住宅全般の広い知識を持っていますが、雨漏りはその原因がかなり複雑です。

一般的な住宅の知識だけでは、修理どころか原因の特定ができないことがあります。

また、リフォーム会社の工事は自社で行わずに、外壁塗装業者や屋根の業者など下請けに依頼することが多いようです。その場合、リフォーム会社のマージン(取り分)も料金に含まれるため、工事費用が高くなる傾向にあります。

リフォーム会社は地元で宣伝活動を積極的に行っていますが、それよりも外壁塗装会社や屋根専門業者、信頼できる工務店などに直接相談するといいでしょう。

出窓の雨漏りの原因と対策~まとめ

出窓は外部に張り出した窓なので、どうしても風雨にさらされてしまいます。また、窓枠のシーリングが劣化したり、外壁との間にすき間ができたりといったことが雨漏りの原因になります。

さらに外壁のヒビ割れや屋根の異常などの影響で、出窓周辺から雨漏りすることもあります。

もし出窓の近くで雨漏りが起こったときは、まず専門業者に原因を特定してもらいましょう。雨漏り調査会社なら、くわしく調べてくれます。

その上で、原因箇所の修理を行います。その際にはリフォーム会社よりも、屋根や外壁、サッシなどの専門業者に相談するといいでしょう。