雨漏りのお悩みを解決
雨漏りは正確な場所や原因を特定することが重要です。素人ではなかなか判断できませんが、建築系の業者でも難しいと言われています。
そこで頼りになるのが「雨漏り診断士」などの資格を持つ人です。ここでは雨漏りの診断や調査に関するさまざまな資格についてご紹介します。業者選びの参考にしてください。
雨漏りの原因や経路を正確に把握するには、専門的な知識が必要になります。経験や勘だけでなく、最新の技術や知識を持つ人に相談するのが安心です。
雨漏り診断に関する資格があるということ自体があまり知られていませんが、下記のように多くの資格があります。( )内は認定する団体です。
民間の資格、国家資格などがありますが、それぞれに専門知識を深めるための研修や講習を受け、資格試験に合格した人が認定されています。
上記の資格の中でも、特に雨漏り診断に特化した資格の内容をご紹介します。
雨漏り診断士はNPO法人雨漏り診断士協会が認定している資格です。
NPO法人雨漏り診断士協会は雨漏りのトラブル発生を抑えるために、雨漏りに関する調査研究や教育、研修に取り組んでいます。
また、公正な立場で雨漏りの診断を行う「雨漏り診断士」の資格を付与して、雨漏り診断業務の適正化に取り組んでいる団体です。
雨漏り診断士の資格は、雨漏り診断士協会が実施する認定試験に合格することで取得できます。
試験内容は下記の通りです。
なお、受験前には雨漏り診断士資格認定試験対応の講習会が実施されます。これを受講することで、より合格しやすくなります。
雨漏り調査技師は一般社団法人全日本雨漏調査協会が認定する資格です。
一般社団法人全日本雨漏調査協会は、雨漏りや漏水の原因究明のための調査や調査技術者の養成を行うことを目的に1995年に設立されました。(社団法人化は2011年)
同協会の主な事業は下記の通りです。
雨漏調査技師の資格を取得する方法はくわしくはわかりませんが、同協会から認定されることで取得できます。
雨漏り検査技師は、一般社団法人全国雨漏検査協会が認定する資格です。
一般社団法人全国雨漏検査協会では、次のような事業を行っています。
現在では同協会の愛称として「HOUSE,Dr!(ハウスドクター)」を商標登録して、加盟する会員が雨漏りや漏水の調査などを行っています。
雨漏検査技師の資格認定方法や要因などはわかっていません。同協会に問い合わせをしてください。
雨漏り検診士は、一般社団法人雨漏り検診技術開発研究所が認定している資格です。
一般社団法人雨漏り検診技術開発研究所は、雨漏りに関する調査、研究、技術開発などを目的に設立されました。
主な事業内容は下記の通りです。
雨漏り検診士になるには、まず雨漏り検診技術開発研究所が認定する「雨漏り検診アドバイザー」の資格を取得します。
雨漏り検診アドバイザーの資格は、同研究所が行う講習を受講後に試験に合格することで取得できます。
雨漏り検診アドバイザーの資格を取得後に、雨漏り検診士の資格取得講習や報告書作成と雨漏り検診の実地研修を受けた後に試験に合格することで取得できます。
一方、雨漏り診断士以外の資格としては、建築系のさまざまな資格があります。雨漏り診断に関係する資格を中心にご紹介します。
スレート屋根やコロニアル葺きと呼ばれる屋根の施工や点検は板金系の資格があると安心です。
それぞれの特徴を見てみましょう。
建築板金基幹技能者の資格は国土交通大臣が認定する資格で、板金業者の資格の中でももっとも難しいと言われています。それは受験資格に現れています。建築板金基幹技能者の受験資格は「建築板金工事の施工現場で10年以上の現場施工に従事し、うち3年以上の職長を経験している者」で、さらに下記のすべての資格を持っていることが条件になっています。
特に建築板金1級技能士の資格を取得するだけでも、最低で7年間の経験が必要です。そのため、相当難易度が高い資格であることがわかります。
建築板金基幹技能者は屋根や外装の施工と現場の管理(指示や指導)を行う責任のある存在です。雨漏りだけでなく、屋根(特に板金)に関してのプロだと言えるでしょう。
建築板金技能士は厚生労働省が認定する国家資格で、1級、2級、3級があります。内外装板金作業とダクト板金作業の実技試験、学科試験に合格することで取得できます。
建築士は建物の設計をする仕事ですが、一級建築士は国土交通大臣が、二級は都道府県知事が免許を交付します。また、一級建築士は設計できる建築物に制限がありませんが、二級建築士は戸建て住宅が対象で、3階建ての建物までという制限があります。一級建築士は公共施設などの大きな建築物の設計もできます。
施工管理技士は国土交通大が免許を交付する国家資格で、1級と2級があります。建設工事の適切な施工を確保し、発注者を保護することや建設業の健全発展を促進することを目的にしています。
資格取得には一定の実務経験が必要です。
屋根外装調査士は全日本鈑金工業組合連合会や社団法人日本建築板金協会が認定している資格です。
屋根、壁、樋の診断を行い、修繕方法の提案をします。
瓦屋根工事技士と瓦屋根診断技士は一般社団法人全日本瓦工事業連盟が認定している資格です。
全日本瓦工事業連盟は地震や台風などの災害に強い瓦屋根を施工するために、科学技術的データに基づいた瓦屋根の設計・施工のガイドラインをとりまとめて推奨しています。災害時には人的・物的両面での支援活動にも力を入れています。
外壁診断士は一般社団法人国住宅外壁診断士協会が認定している資格です。全国住宅外壁診断士協会は外壁診断士と外壁アドバイザーの認定を行い、優れた性能で長持ちする外壁をつくるために外壁に求められる性能を理解し実践できる技術者の育成に努めています。
このように雨漏りの調査や建築、施工に関する資格は多くの種類があります。どれも専門知識や経験が必要となるものばかりです。
住宅に関する相談をする場合は、従業員がどんな資格を持っているかを確認するといいでしょう。
「住宅」とひと口に言っても、設計、屋根(瓦、板金)、外壁など幅広い内容があります。一人がすべての知識を持っているわけではありません。
必要に応じて、専門の資格を持つ人がいるかどうかを確認しましょう。
特に雨漏りの相談や調査を依頼する場合は、雨漏り診断士など雨漏りに特化した資格を持つ人がいると安心です。