雨漏りのお悩みを解決
このページで分かること
トタン屋根は以前は住宅の屋根によく使用されていました。最近ではスレート屋根(コロニアル葺きなど)が多くなっていますが、今でもトタン屋根の住宅を見かけますし、小屋などにも使用されています。
トタンは雨漏りしやすいのですが、その理由とメンテナンスや補修方法についてご紹介します。
まず、トタン屋根とはどういう性質なのか。その特徴を見てみましょう。
トタンは亜鉛メッキされた鋼板で、ポルトガル語で亜鉛を意味する「Tutanaga」が語源だと言われています。トタン屋根は正式には「亜鉛メッキ鋼板葺き」と呼びます。
屋根材として使用される場合はトタンを波板状に加工しますが、これは強度を高めるのが目的です。
なお、トタンは屋根だけでなく雨どいや小屋などの外壁、塀などにも用いられるほか、バケツやじょうろなどにも使われています。
トタン屋根にはメリットもあればデメリットもあります。
まず、トタン屋根のメリットを見ていきましょう。
軽い | 瓦の10分の1の重さなので、軽くて屋根への負担が少なくなる |
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耐震性がある | 軽いため地震での被害が少ない |
施工が簡単 | 垂木の上に野地板を置き、その上にトタン板を設置するだけなので、施工の手間が省ける |
屋根の勾配がゆるやか | 瓦屋根やスレート屋根に比べると勾配がゆるやかなので屋根上での作業がやりやすい |
安価 | 材料費、工賃ともに安く抑えられる |
一方、トタン屋根には、次のようなデメリットがあります。
さびやすい | トタン(鋼板)にメッキしている亜鉛はイオン化傾向が大きい(=さびやすい)性質がある |
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雨漏りしやすい | さびたところに穴が開き、雨漏りしやすくなる |
防音性が低い | 雨が降ると雨音が家の中まで大きく聞こえる |
断熱性が低い | 瓦屋根やスレート屋根のような断熱性がないため、特に夏は室内の温度が上昇しやすい |
メンテナンスが必要 | さび止めの塗装など定期的にメンテナンスをする必要がある |
デザイン性が低い | デザイン性が低く、瓦屋根やスレート屋根に比べると高級感がない |
耐久性が低い | さびやすいため、瓦屋根やスレート屋根に比べると耐久性に劣る |
ここまででご説明してきたように、トタン屋根はさびやすいという性質があります。さびたところから穴が開き、雨漏りが起こります。
トタン屋根である以上、雨漏りは避けて通れないと言っても過言ではないでしょう。ただし、修理を自分で行うのは、どうしても応急処置が必要なケースだけにしておきましょう。
トタン屋根は雨漏りの箇所(穴が開いている箇所)がわかりやすいため、ホームセンターなどで売っている防水テープやコーキング材で補修できます。
必要なものと使用方法は下記の通りです。どれもホームセンターで販売していますが、補修テープはトタンの色に近いものを選ぶようにしましょう。
また、状況に合った補修グッズを選ぶためにも、補修したい箇所の写真をスマホなどで撮影していくと店員さんのアドバイスが受けやすくなるのでおススメです。
紙やすり (サンドペーパー) |
さびている箇所や劣化している箇所を磨くもの |
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補修用シール材 | 穴が開いているところやすき間などを埋めるために使う。接着性がある |
トタン屋根用補修テープ | 補修用シール材を塗った上にばんそうこうのように貼る |
上記のものをそろえたら、次のような流れで補修を行います。
これで補修は完了です。
トタン屋根は瓦屋根などと比較して屋根の勾配がゆるいという特徴があるため、専門業者を呼ばずに自分で修理することは不可能ではありません。ただし、屋根が濡れている場合や高い屋根の場合は無理をしないようにしてください。
実際に自分でトタン屋根の修理をした人に聞くと、「低い屋根だったが、かなり怖かった」ということです。くれぐれも無理は禁物ですね。
トタン屋根の修理を自分で行うのは、簡単なようで結構難しいものです。安心・安全のためにも、屋根の専門業者に修理を依頼しましょう。
「プロに頼むと高い」と感じる人が多いかも知れませんが、トタン屋根は材料費が安価なために修理費用はそれほどかかりません。
例えば、トタン屋根の穴が開いている部分だけを補修してもらう場合は、約5,000円程度でできます。上でご紹介した自分で修理する場合、補修に必要なものは約2~3,000円ほどかかります。自分で補修すると見栄えなどがプロのように美しく仕上がりません。その上、危険を伴います。
それならば、少々費用がかかったとしても、プロに依頼する方が安心だと言えます。
屋根全体のトタンが傷んでいる場合は、葺き替えと言って新しいトタンと取り換えます。この場合は必要なトタンの枚数などで費用が変わってきますが、瓦やスレート板よりも安く仕上がります。
トタン屋根を葺き替えたとしても、数年たてばまた劣化してきます。そこで、最近は「カバー工法」という手法を導入するケースが増えています。
トタン屋根にさびが何ヶ所かあるが全体的にはそれほど傷みがない場合、葺き替えではなく、トタン屋根の上に新しい屋根材を設置するのです。
トタンは波板と言って凸凹があります。その上に「ガルバリウム鋼板」を乗せることで、凹凸部分が空気の層となることで断熱性が高まります。また、トタン屋根のときよりも防音効果も高まるなどのメリットがあります。
導入に関しては、専門家と相談してみましょう。
トタン屋根はどうしても年数が経過することでさびてきます。それが雨漏りの原因になるので、定期的なメンテナンスは欠かせません。
トタン屋根は10年ほどで劣化すると言われています。しかし、外部から飛来した物が屋根に当たるなどして傷がつき、そこからさびることもあります。
そのため、さびを発見したらプロにメンテナンスを依頼するのが安心です。
プロ(屋根専門業者)のメンテナンスは、次のような流れで行われます。
ケレン | 劣化した塗装やさび、汚れなどを専用の道具で取り除く |
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さび止め処理 | さび止め用の塗料を塗る |
上塗り | さび止め塗料の上に、さらに塗料を塗ってトタン屋根を保護する。通常、上塗りは2回行う |
なお、屋根全体を塗装すると、その面積などにもよりますが、20万円以上かかります。事前に見積もりを出してもらいましょう。
トタン屋根は屋根材が軽くて安い上に作業が比較的簡単にできるため、多くの住宅に取り入れられてきました。
しかし、雨音が響く、断熱性がない、さびるなどのデメリットもあります。
特にさびることで屋根に穴が開き、雨漏りが起こります。穴が1ヶ所だけの場合はホームセンターで補修材を購入して自分で直すことも可能ですが、屋根の上の作業は危険を伴います。
安心のためにも、修理は専門業者に依頼しましょう。
また、雨漏りを防ぐために定期的に点検とメンテナンス(塗装の上塗り)を受けることが大切です。