雨漏りのお悩みを解決
「一度だけ雨漏りがしたが、その後は異常がなかったので様子を見ていた」という人はいませんか?
雨漏りを放置すると、家が傷むだけでなく健康面でも悪影響が出る場合があります。今回は雨漏りと健康被害について解説します。
まずは雨漏りがもたらす被害を見ていきましょう。
雨漏りの被害は家そのものだけでなく、住む人の心身にも及びます。
ここでは特に健康被害についてご説明していきます。
雨漏りで健康被害が起こる最大の原因は「カビ」が発生することにあります。
カビは「真菌」と呼ばれる微生物の一種で、約10万種類もあると言われています。
次の4つの条件がそろうと、カビが発生します。
カビが発育する環境は、気温が20℃~30℃、湿度が70%以上と言われています。高温多湿の日本は、カビには住みやすい環境だと言えるでしょう。
日常生活の中で目にするカビの種類をご紹介します。
カビの種類 | 発生する場所 | 特徴 |
---|---|---|
黒カビ | ・壁紙(クロス) ・浴室、洗面所 ・窓(サッシ)のまわり ・エアコン ・衣類 |
家の中で湿気が高いところなら、ほぼどこにでも発生します。低温でも発生するので退治が難しいと言われています。 |
青カビ | ・みかん、レモン ・食パン ・餅 ・靴 |
「ペニシリウム」と呼ばれ、「ペニシリン」という抗生物質発見のきっかけになりました。 |
麹(こうじ)カビ | ・パン ・ケーキなど |
味噌やしょうゆ、日本酒などを作るときに使われます。 |
すすカビ | ・プラスチック(浴室のイスや洗面器の裏側) ・ホース ・バスルームのシャワーカーテン ・エアコン内部 |
高温多湿な場所を好みます。胞子が軽いので、空中に舞い上がるので注意が必要です。 |
カビは他にもたくさんの種類がありますが、特に日常生活の中でよく見かけるものは上記の通りです。これらの中でも、黒カビとすすカビは家の中のあちこちで発生するものだけに注意が必要です。
雨漏りでは身体的な健康被害だけでなく、精神的なストレスもあります。
明らかに施工不良で雨漏りしている場合は、責任の所在がはっきりしています。損害賠償が請求できるでしょう。
しかし、一定の築年数が経過している場合は建物の劣化が雨漏りの原因になるだけに、誰も責められないケースが多くなります。
修理費用は悩ましい問題ですが、放置しておくとさらに雨漏りが悪化するので、早めに修理しましょう。
では、これらのカビが発生することは、健康にどのような影響を与えるのでしょうか。
カビが発生すると、次のような症状が現れる可能性があります。
カビが発生するとなぜ健康被害を引き起こすのか……。その理由は胞子にあります。
よくカビ取り剤の宣伝で、「カビは放っておくとどんどん深く根を張っていきます。カビ取り剤は根っこまで届くものがおススメです」などと言っていますね。
まさにその言葉通り、カビは根を張って育ちます。さらに発芽して菌糸を伸ばします。菌糸から胞子を空気中に放出することで、仲間を増やしていくのです。
そのため、カビが発生しているということは、そこに根を張っているだけでなく、胞子が空気中に舞い上がっているということです。
この胞子を吸い込むことで、鼻炎やぜんそく、気管支炎、肺炎などを引き起こします。
ダニは高温多湿の環境で繁殖するので、カビが発生しやすい高温(20℃~30℃)、多湿(湿度が70%%以上)はダニも増えるということになります。
さらにダニはカビが大好物です。カビをエサにして増えるので、カビが発生しているということは、そこにダニも生育している可能性があります。
また、ダニの死骸やフンもアレルギー源になります。なかなかやっかいな存在ですね。
一般的に肺炎はウイルスが原因で発症しますが、「過敏性肺炎」はトリコスポロン」というカビの胞子が原因で起こります。夏場(6月~9月)の高温時期に活発に繁殖するため、「夏型過敏性肺炎」とも呼ばれています。
過敏性肺炎などはアレルギー反応のひとつです。アレルギー反応は異物が体内に侵入した際に、過剰に反応することで起こります。
カビを放置するとダニも繁殖することになり、さらにアレルギー反応を起こしやすくなります。
「雨漏りが起こる→家の中に湿気がこもる→カビが発生する→健康被害が出る」という悪循環を起こします。
カビが発生したらこまめにカビ取りをすることはもちろん大切なのですが、何よりも雨漏りを防ぐことが先決です。
雨漏りは、いつ、どこで起こるかわかりません。完全に防ぐことは難しいかも知れませんが、少しでも早くに発見するための対策をご紹介します。
では、それぞれについてくわしく解説していきます。
新築住宅の場合は、10年目くらいまではアフターサービスの一環として家の点検を実施しているところが多いようです。
点検箇所は家全体なので多岐にわたりますが、雨漏りのこともよく見てもらいましょう。雨樋の詰まりも雨漏りの原因になります。くわしく見てもらってください。
もし地震や大型台風、暴風雨があった場合は、屋根の専門業者に見てもらうのもいい方法です。瓦やスレート板のずれやヒビ割れなどがあれば、早めに直してもらいましょう。
素人が屋根に上がるのは危険ですが、それ以外の部分は自分でも雨漏りの心配がないか見てみましょう。
見ておきたいのは、次のところです。
少しでも気になる点があれば、専門家に見てもらいましょう。
雨漏りの兆候(サイン)には、次の点があります。
こういった状態があれば、少しずつ雨漏りが起こっている可能性があります。修理の前に「どこから」「どこを伝って」雨漏りをしているのかを解明する必要があります。
雨漏り調査専門業者に依頼して調べてもらいましょう。
雨漏りしていたらそれを直すことが第一ですが、雨漏りしていなくても家は換気をよくして乾燥させることが大切です。
特に日中は家族がみんな仕事などで留守にしていると、湿気がこもったままになります。高温多湿の梅雨から夏場にかけては、カビが繁殖しやすくなります。
帰宅したら、まず窓を開けて風を通しましょう。
カビが発生してしまったら、カビ取り剤で取り除きます。カビは胞子を飛ばせて繁殖させるので、カビが広がるのを防ぐためにも早めに取り除くことが大切です。カビ取り剤は塩素系なので、手袋やマスクを装着し、換気をしながら作業をしましょう。また、他の洗剤と混ぜないように注意が必要です。
カビが取りにくいカーテンは思い切って取り換えるのもいい方法ですね。
カビはダニの大好物です。カビが発生すると、ダニも発生すると考えていいでしょう。カビをしっかり取り除いたとしても、ダニが生息している可能性があります。ダニの死骸もアレルギー源になるので、定期的にダニの駆除をして、掃除機でダニの死骸も吸い取りましょう。
雨漏りで家の中に湿気がこもると、カビが発生しやすくなります。カビは胞子を舞い上がらせて繁殖しますが、この胞子がアレルギー症状や鼻炎、気管支炎、肺炎などを引き起こすことがあります。
発生してしまったカビは取り除くことが大切ですが、家の点検をして雨漏りを未然に防ぐこと、雨漏りのサインが見られたら早めに修理するといった対策を進めましょう。