雨漏りのお悩みを解決

ステキな天窓が雨漏りの原因になるなんて!そんなときどうすればいい?

ステキな天窓が雨漏りの原因になるなんて!そんなときどうすればいい?

天窓は採光や換気などに使えるほか、見た目にもおしゃれで人気があります。しかし、屋根の上に設置しているというために、常に雨漏りのリスクはあると言えます。

今回は天窓の雨漏りについてご説明します。

天窓にはメリットとデメリットがある

天窓はメリットも多いのですが、デメリットも多くあります。

天窓のメリット

まずは天窓のメリットを見ていきましょう。

採光 自然の光が室内に入ることで、部屋全体が明るくなる
通気性 天窓を開けることで、自然の風を室内に入れることができる。また、風の通り道ができるので、換気に役立つ
防犯 泥棒はバルコニーから二階の窓を通って侵入するケースが多いが、窓を屋根に付けることで侵入しにくくなる
プライバシーの保護 近隣の住宅と窓が向き合うとカーテンを開けられない場合でも、天窓を付けることでプライバシーが守れる
光熱費の節約 明るく日中は暖かいために、光熱費が節約できる
壁面の有効活用 窓を開けると家具の配置などが制限されるが、天窓を付けることで壁面や室内が有効に使える
デザイン性 天窓を採用することで家そのもののデザイン性が向上する  

このように多くのメリットがあるため、天窓は人気があります。

天窓のデメリット

一方で、天窓にはデメリットもあります。

夏は暑い 夏は室内の温度が高くなり、暑くなる
日焼け 天窓がある部屋のインテリアや壁紙などが日焼けして変色する可能性がある
雨音が気になる 天窓のガラスに雨が当たると、雨音が大きく聞こえる
メンテナンス 通常の窓ガラスのように簡単に掃除ができない
ソーラーパネルの設置面積が減る 太陽光発電を導入する際に、天窓の部分はソーラーパネルの取り付けができない
雨漏り 雨が直接当たるので、雨漏りの心配がある

特に天窓のデメリットや不安点として、雨漏りを心配される人が多いようです。

天窓の雨漏りの原因

では、天窓から起こる雨漏りには、どのような原因があるのでしょうか。

天窓設置の構造

天窓から雨漏りが起こる原因を探る前に、まずは天窓の構造を知っておきましょう。

天窓は簡単に言うと、「屋根に穴を開けて設置」します。それだけでもかなりリスクがあることだと言えますね。

そこで、落下や雨漏りしないように、次のような流れで設置していきます。
(メーカーや施工業者によって多少違いがあります。)

  • 屋根板を切り抜く

  • 天窓を設置する穴の周囲に下葺き材(防水シート)を敷く

  • 防水テープを貼る

  • 水切りの金属板を置く

  • 天窓を設置する

  • 天窓の周囲をゴムパッキンで保護する

屋根には瓦屋根やスレート屋根などの種類がありますが、屋根材に合った天窓が販売されています。設置には屋根の状況に合わせて、上記のように何重にも保護されています。

天窓の雨漏りで多い原因

このように保護していても、雨漏りが発生することがあります。天窓からの雨漏りの原因でよく見られるのは、次のケースです。

  • ゴムパッキンの劣化
  • 防水シートの劣化
  • 屋根材のヒビ割れ
  • 水切り板の劣化
  • ゴミがたまる
  • 施工不良

ゴムパッキンの劣化

天窓のガラス部分の周囲に貼っているゴムパッキンが劣化してくると、ヒビが入り、そこから雨漏りがします。一般的には建築後10年ほどで劣化すると言われています。

屋根の点検と合わせて天窓のゴムパッキンも見てもらいましょう。

防水シートの劣化

ゴムパッキンの劣化と同様に防水シートも劣化してきます。ゴムパッキンの劣化で起こる雨漏りは室内に雨水がポツポツと落ちるのに対して、防水シートの劣化による雨漏りはじわじわと天井が濡れるという感じになります。

それだけに発見が遅れがちです。さらに天井にシミができたり、屋根の下(野地板など)が湿ったりする危険性があります。

屋根材のヒビ割れ

天窓自体に問題はなくても、天窓を設置している周囲の屋根材がヒビ割れを起こして雨漏りすることがあります。

屋根材は材質によって寿命が異なりますが、築年数とともに劣化していきます。大きく割れたり、ずれたりしていなくても、ヒビ割れすることで雨がしみ込んでいきます。

水切り板の劣化

水切り板は金属なので、劣化してきます。その結果、小さな穴が開き、そこから雨漏りします。

ゴミがたまる

天窓を設置した周囲の屋根にゴミがたまると、雨水が水切り板から下に流れ落ちずにあふれてしまいます。その結果、家の中に雨水が侵入して雨漏りとなります。

屋根は落ち葉やゴミ、鳥の羽などがよく飛んできます。ひどい場合は鳥が巣を作ることもあり、それが雨漏りの原因になることもあります。

施工不良

築年数が浅いのに天窓のあたりから雨漏りするという場合は、残念ながら施工業者の不備が考えられます。

建築後10年以内であれば、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」で施工業者や売主が責任を負うことになっています。まずは施工業者に連絡して修理してもらいましょう。

天窓から雨漏りしたときの修理方法と費用

天窓から雨漏りした場合に自分で修理するのはかなり困難です。屋根に上がっての作業は危険を伴うため、専門業者に依頼しましょう。

その際に気になるのが費用ですね。修理方法と費用を確認しておきましょう。

天窓の修理は雨漏りの原因と状況によって異なる

天窓の修理は、何が原因で雨漏りしているのか、また天窓だけの問題なのか、屋根そのものにも問題があるのか…によって修理方法や費用が変わってきます。

上でご紹介した雨漏りの原因別に修理方法と費用を見てみましょう。

ゴムパッキンの劣化

コーキング材で補修します。コーキングする部分に下処理を行うため、専門業者に依頼するのが安心です。

費用の目安は約35,000円からです。

防水シートの劣化

天窓を外して防水シートを設置し直す必要があります。そのため、防水シートの費用と工賃がかかります。

屋根材のヒビ割れ

瓦やスレート板などの屋根材がヒビ割れている場合は、その部分を取り除いて新しい屋根材を設置します。その際に屋根材の下に敷いている防水シートが劣化している場合は、新しいものと取り換えます。

費用は屋根材の価格と工賃の合計になります。

水切り板の劣化

劣化した水切り板を取り外して、新しいものを設置します。費用は状況によって異なります。

ゴミがたまる

下から見ていると、ゴミがたまっているのかどうかはわかりません。そのため、一度専門業者に屋根に上がってもらって点検してもらいましょう。

もしゴミがたまっていることが原因だとわかればゴミを撤去してもらいますが、その費用として3万円~4万円ほどかかります。

施工不良

施工不良で雨漏りする場合は、施工業者に責任があります。連絡してきちんと直してもらいましょう。

ただ、雨漏りの原因が施工不良によるものなのか、それ以外のことなのか判断できない場合があります。そのときは雨漏り調査会社などに相談して、雨漏りの原因を特定してもらうことが大切です。その上で修理や対策を検討しましょう。

天窓の修理と一緒に屋根の点検をするのがおススメ

天窓の点検や修理のために屋根に上がってもらうのならば、その機会に屋根も一緒に点検してもらいましょう。

屋根は材質にもよりますが、築10年ほどで劣化が見られると言われています。特に台風シーズンの前後は、屋根材にヒビが入っていないか、瓦がずれていないかなどを見てもらうと安心です。

天窓からの雨漏りの原因と対策~まとめ

天窓は自然の光が入り、風通しがよくなる上にデザイン性にも優れるといったメリットがあります。一方で雨漏りが起こらないかという不安があります。

天窓の雨漏りで多いのは、ゴムパッキンや防水シート、水切り板の劣化などです。これらは築10年を目安に点検しておきましょう。もし、天窓から雨漏りがあれば、自分で修理するのは危険なので控えてください。専門業者に見てもらって、適切な方法で修理してもらいましょう。