雨漏りのお悩みを解決
雨漏りを修理するには、雨漏りの原因や箇所を正確に把握しないといけません。そのために、「雨漏りの調査」を行います。
今回は雨漏り調査の方法と業者の選び方について解説します。
雨漏りの調査方法には、次の5つの方法があります。
では、それぞれをくわしくご説明していきます。
問診とは調査をする担当者が依頼主にさまざまな質問をして、雨漏りの状況を確認することです。
病気で医師の診察を受けるときも、まず問診から始まりますよね。その後に必要な検査や治療が行われます。それと同じで、まずはどんな状態かを説明します。
問診では、次のような内容を質問されます。事前に「雨漏り聞き取り調査問診表」が送付されることがあるので、それに対して記入していきましょう。
建物の種類 | ビル、マンション、アパート、店舗、一戸建て住宅など |
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建物の構造 | 木造、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)など |
屋根の種類 | 瓦、スレート、亜鉛メッキ鋼板(トタン)など |
階数 | 平屋、二階建て、三階建て、それ以上 |
雨漏りの箇所 | どこで(わかる範囲で)、濡れている部屋など |
時期 | いつから雨漏りしているか、気づいたのはいつか |
雨漏りの状態 | どの程度の雨漏りなのか |
築年数 | 建築時期 |
改修の有無 | リフォームや増改築をした場合はその時期 |
雨漏り修理の有無 | 過去に雨漏りの修理をしたことがあるかどうか、ある場合はその時期と内容 |
また、現地に着いてからも問診をすることがあります。
目視調査とは、文字通り「目で見て確認する」という方法です。問診や現地で依頼者からの話を元に、雨漏りの原因を目で見て探っていきます。
目視調査では、次のような原因が確認できます。
しかし、実際には目視調査だけではわからない原因が多くあります。
例えば、瓦やスレート板の細かなヒビ、瓦・スレート板の下に敷いている防水シートの劣化、外壁の防水性能の低下、ベランダ床の防水性能の低下などです。
こういった原因を突き止めるために、よりくわしい調査が必要になります。
雨漏りの調査は雨降りの日に実施して、実際にどこから漏れているのかを見るのが一番いいのですが、現実にはそうはいきません。
そこで、雨漏りがすると考えられる場所にホースで散水して、雨漏りを再現させる方法です。「水注入実験」と呼ばれることもあります。
散水はシャワーホースで水を10分~30分ほどかけて行います。屋根の上から水をかける場合は、足場を組む必要があります。
外壁の場合は「これなら自分でもできそう」と思うかも知れませんが、判断は素人には難しいものです。必ずプロに依頼しましょう。
あらかじめ雨漏りの原因箇所を推測して、そこに紫外線に反応する液体を塗り、屋内から紫外線を照射して発光させる方法です。
雨漏り(漏水)している場合は液体が青白く光るために、雨漏りの箇所を特定できます。雨漏り調査ではよく使用されます。なお、この液体は人体には無害なので心配はありません。
調査対象を高感度の赤外線カメラで撮影しサーモグラフィーで見ると、温度が高い部分は赤くなり、低温の部分は青く表示されます。
水で濡れている場合は周囲よりも温度が低いため、サーモグラフィーで青く表示されるため、雨漏りしていると判断できます。これも雨漏り調査ではよく使用される方法です。
このように雨漏りの調査にはさまざまな方法があります。修理の前には調査して、雨漏りの箇所を特定することが大切です。
では、雨漏りの調査はどこに依頼すればいいのでしょうか?
雨漏りの調査は雨漏り修理専門業者や雨漏り調査専門業者のほか、屋根や外壁の専門業者、防水工事業者などが行っています。
また、一般社団法人全日本雨漏調査協会や一般社団法人全国雨漏検査協会、一般社団法人雨漏り検診技術開発研究所でも、雨漏り調査の業者を紹介しています。
一般社団法人全日本雨漏調査協会は、雨漏りと漏水調査に関する技術の向上と知識の普及を図ることを目的に設立されました。
主な事業には、下記のものがあります。
全日本雨漏調査協会に雨漏りの相談や調査依頼をすると、協会に加盟している業者を紹介してくれます。業者は依頼者に連絡をして、詳しい状況を聞き、調査見積もり書などを作成します。調査をするかどうかを話し合い、調査実施後に報告書を発行します。
一般社団法人全国雨漏検査協会は平成7(1995)年に雨漏検査の専門団体として設立されました。
主な事業は下記の通りです。
全国雨漏検査協会に加盟している業者は「HOUSE‘Dr(ハウスドクター)」を名乗り、雨漏り調査を行っています。
一般社団法人雨漏り検診技術開発研究所は、雨漏りの早期発見、早期解決に向けて雨漏り調査方法の研究や、雨漏りに関する専門知識を有する人材育成などを行っています。
主な事業は下記の通りです。
協会では個人からの雨漏り調査の依頼を受けるほか、工務店やリフォーム業者、不動産関連業者など業者からの調査依頼も受け付けています。
上でご紹介したような団体を経由して雨漏り調査業者を紹介してもらってもいいですし、地元で評判の業者があればそこに頼んでもいいでしょう。
近所で屋根の葺き替えや外壁塗装、ベランダのリフォームなどをした家があり、話が聞けるようなら感想を聞いてみましょう。
工事の様子を少し離れたところから見学してみるのもいい方法です。
知り合いを通じて評判を聞くなど、実際に雨漏りの修理をした人の口コミは参考になるので探ってみましょう。その際に、事前に雨漏り調査をしたかどうか、どの方法でやって結果はどうだったか…なども聞いてみるといいですね。
雨漏り調査に関してのインターネット上での口コミサイトは少ないですが、地元の生の声は直接業者選びに結びつくだけに、可能ならば聞いてみましょう。
最近の雨漏り調査は、かなり精度がUPしています。特に最新の技術を使った発光液調査や赤外線カメラ調査は、雨漏りの箇所を解明するのに役立ちます。
しかし、どんなことでもそうですが100%ということはありません。
また、雨漏り調査には費用がかかります。最初の問診や目視調査は無料ですが、それ以外はある程度の費用がかかります。
そのため、何度も調査を受けるのは避けたいものです。
雨漏り調査を依頼するならば、ホームページでどんな方法で調査をするのか、また調査の機器は最新のものかどうか、調査実績などをよく確認しましょう。
また、雨漏り調査に関する資格を持つ人がいるかどうかも確認すると安心です。雨漏り調査は資格がなくてもできますし、上でご紹介したようにさまざまな団体が認定している資格があります。「これでないとダメ」というわけではありませんが、資格を取得しているということは雨漏りに関する研修や試験を受けているということです。
より専門的な調査や診断が可能だと言えるでしょう。
雨漏りの修理は原因を特定してから行うと、的外れにならずきちんと修理ができます。そのためには、事前に雨漏り調査をすると安心です。
雨漏り調査は問診や目視調査でわからない場合は、散水調査や発光液調査、赤外線カメラ調査などを行います。問診と目視調査までは無料で受けられますが、それ以外は有料になります。
雨漏り調査は雨漏り修理専門業者や雨漏り調査専門業者に依頼します。地元の工務店などでも行っている場合があります。また、雨漏り調査に関するいくつかの団体でも、雨漏り調査の業者を紹介してくれます。
事前にホームページでよく確認してから相談するといいでしょう。