雨漏りのお悩みを解決
このページで分かること
せっかく新築(購入)した住宅が傾いたり、雨漏りがしたり…という欠陥住宅だったらショックですよね。
そこで今回は欠陥住宅の雨漏りについてご説明します。
よくテレビで「マンションが傾いている」とか「外壁にヒビが入っている」といった欠陥住宅の様子を紹介していますね。
欠陥住宅は平成7(1995)年に発生した阪神・淡路大震災で木造住宅の倒壊による死傷者が多かったことから注目を集め、それ以降社会問題となりました。
まず欠陥住宅とはどんな家を指すのか、定義を確認しておきましょう。
日本弁護士連合会(日弁連)内の消費者問題対策委員会が中心となって「欠陥住宅被害全国連絡協議会(欠陥住宅全国ネット)」を設立し、建築士や研究家、欠陥住宅の被害者などが参加して欠陥住宅の被害者救済などの欠陥住宅問題に取り組んでいます。
欠陥住宅全国ネットによると、欠陥住宅は「通常有すべき安全性を欠いた住宅」とされています。
「安全性を欠いた住宅」と言われても、抽象的で漠然としていますね。そこで、もっと掘り下げて見てみましょう。
安全性とは下記の点を指します。
つまり、その家に住む人の生命や身体、健康を害さないという意味での安全性を欠く住宅が欠陥住宅ということになります。
建物を建てる際には守るべき法令があり、居住者の生命や安全を守るようになっています。これらの法令に違反する住宅も欠陥住宅とみなされます。
住宅に関する法令には、下記のものがあります。
建築基準法 | 建築物の敷地、構造、設備および用途に関する最低の基準を定めて国民の生命、健康および財産の保護を図るのが目的。 何度か改正され、特に最近では建築確認と検査の厳格化などが盛り込まれています。 |
---|---|
標準工事仕様書(JASS) | 日本建築学会が作成しているもので、鉄筋コンクリート工事や鉄骨工事、木工事、防水工事、塗装工事など工種ごとに作成されています。 |
住宅工事仕様書 | 住宅金融支援機構(旧宅金融公庫)が作成しているもの。フラット35を利用するには、この仕様書にある技術基準に適合する必要があります。 |
建築に詳しくない一般の人は、法令や仕様書の内容などは知らないケースがほとんどです。そこで、物件を見て欠陥住宅かどうかを見分けるポイントをご紹介します。
構造 | ・床にペットボトルを立ててみて、中の液体が触れていないかチェックする(振動があるかどうかの確認) ・ビー玉やピンポン球を床に置いて転がらないかどうかをチェック(家の傾きの有無の確認) ・ドアやふすまなどの立てつけが悪くないかチェック |
---|---|
健康面 | ・内装(クロス)のニオイが気にならないかチェック ・カビや湿気がこもっていないかチェック |
ただし、こういった確認は目視で判断するしか方法がありません。実際は入居して1~2年後に欠陥に気づくケースが多いものです。
欠陥住宅は「構造上または耐火・防火上または健康に対する安全性を欠いた住宅」のことを指します。それに該当しない軽微な不具合は欠陥住宅とは呼ばないということを理解しておきましょう。例えば、次のような事例の場合です。
これらは構造上も耐火・防火の面でも、健康に対する安全面でも問題がないので、欠陥住宅として施工業者に責任を問うことはできません。
欠陥住宅は上でもご紹介した通り、家の傾きや耐震性能が低いといった構造面での欠陥が多いのですが、それ以外にも雨漏りの被害が多くあります。
では、どのような欠陥が雨漏りの原因になるのでしょうか。よく見られる例をご紹介します。
新築住宅でも雨漏りの原因が多くあり、そのほとんどは施工不良によるものです。
雨漏りが発生した場合、新築して10年間は施工業者や売主に責任があるとして、無償で修理することを義務づけています。
これを「住宅瑕疵(かし)担保責任」と言います。「瑕疵(かし)」とは欠陥のことです。
故意に手抜き工事をした場合だけでなく、なんらかのミスや施工不良で雨漏りが発生することがあります。
そこで「住宅品質確保促進法(品確法)」で、施工業者・売主には家を建ててから(または引渡してから)10年間は雨漏りや構造上の欠陥に対しては責任(瑕疵担保責任)を負うことが義務づけられています。
瑕疵担保責任は住宅のすべての箇所ではなく、建物の構造耐力主要な部分と雨水の侵入を防止する部分が対象です。
構造耐力上主要な部分 | 基礎・土台 床板 柱 横架材・斜材 壁 小屋根 屋根板 |
---|---|
雨水の侵入を防止する部分 | 屋根 開口部 外壁 |
新築して10年以内であっても、台風や暴風雨で被害を受けて雨漏りがしたということがあります。例えば、屋根瓦が飛んだり、ずれたり、暴風による飛来物(看板など)で屋根材が割れたり…といったケースです。
このような自然災害が原因の雨漏りは施工会社に不備があるわけではないので、瑕疵担保責任を問うことはできません。しかし、火災保険の「風災」で補償を受けることができます。(加入している火災保険の契約内容によります)一度相談してみましょう。
欠陥住宅を施工する会社というのは一軒だけでなく、複数の住宅で同様の欠陥が発生していることが多いと言われます。いわば「手抜き工事の常習犯」というわけです。
そのため、雨漏りなどの修理を求めても誠実に対応してくれないケースがあります。
施工会社が欠陥住宅の修繕に対応してくれない場合に備えて、「住宅瑕疵担保履行法」が平成21(2009)年に施行されました。
住宅瑕疵担保履行法は住宅の施工会社や売主に対して、瑕疵(欠陥)があった場合にきちんと修理できるように、あらかじめ「住宅瑕疵担保責任保険」への加入または保証金(供託金)を法務局などの供託所に預けることが義務づけるものです。
もし施工会社が倒産しても、保険金または保証金から修繕費用が支払われるようになっています。
新築住宅であっても、雨漏りが何度も発生することがあります。施工業者によっては「この程度の雨漏りは、どこの家にでも起こる」などと言って開き直るケースがあります。
しかし、雨漏りは何らかの原因があるから起こるのです。そこで、原因をきちんと解明することが大切です。
雨漏りの原因を解明するには「雨漏り調査」がおすすめです。調査には次の方法があります。
目視調査 | 目で見て雨漏りの箇所や原因を探る方法だが、建物内部の雨漏り箇所や経路の特定は難しい |
---|---|
散水調査 | ホースで水をかけて雨漏りの箇所を探る方法 |
発光液調査 | 紫外線に反応する液体をかけて、紫外線を照射して反応を見る方法。雨漏りしている箇所は青白く光る |
赤外線カメラ調査 | 建物を赤外線カメラで撮影して調査する方法。雨漏りしている箇所は温度が低いので、サーモグラフィーで青く表示される |
目視調査以外は調査費用がかかりますが、目視だけではわからない雨漏りの原因や経路がはっきりわかります。
施工会社は「家を建てること」に関してはプロですが、意外と雨漏りには詳しくないということがあります。
何度も雨漏りが起こる場合は施工会社に相談しても話が進展しない可能性があるため、雨漏り調査専門会社に依頼してみましょう。
雨漏りの原因やどこをどう伝って雨漏りしているのかという経路まで特定してもらえます。施工会社への対応の相談にも応じてくれるので、一度相談されるといいでしょう。
欠陥住宅とは「構造上または耐火・防火上または健康に対する、通常有すべき安全性を欠いた住宅」のことを指します。
欠陥住宅で雨漏りがした場合、新築から10年以内は施工会社や売主に「住宅瑕疵担保責任」が義務づけられているため、無償で修理してもらえます。ただし、自然災害での雨漏りは対象外です。
また、施工会社が倒産した場合でも、住宅瑕疵担保履行法によって保険金や保証金で対応することが定められています。もし雨漏りした場合は、調査会社に雨漏り調査をしてもらって相談してみましょう。