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外壁塗装の重要なカギを握るコーキング(シーリング)とは?役割や補修費用をチェック

外壁塗装の重要なカギを握るコーキング(シーリング)とは?役割や補修費用をチェック

外壁塗装は壁に塗料を塗って終わりというものではありません。コーキングも重要なポイントになってきます。

コーキングとは何か、どんな役割があり、なぜ必要なのかについてご説明していきます。

外壁塗装のコーキングとは

「コーキング」は「シーリング」とも呼ばれますが、同じことです。このページでは「コーキング」としてご説明していきます。

コーキングの役割

コーキングは、次のような目的で実施されます。

  • モルタル壁のひび割れの補修
  • サイディングの保護
  • サイディングの目地を埋めて防水性と気密性を高める
  • サッシ(窓枠)やドアまわりのすき間を埋める
  • ベランダの継ぎ目を埋める
    など

モルタル壁のひび割れ補修

モルタルの壁は施工から年数が経過すると、ひび割れが発生しやすくなります。そのひび割れを補修(ひびを埋める)際に、コーキング材を使用します。

ただ、これは応急処置と言えるものです。コーキング材はホームセンターなどでも販売されていますが、用途や壁材に合ったものを選ばないと後で困ることになるので、素人判断で補修するのは控える方がいいでしょう。

サイディングの保護

コーキングの最大の目的はサイディングの保護と言ってもいいでしょう。
外壁材にサイディングやALCパネルを使用する際にすき間ができます。このサイディングやALCパネルが気温の変化などで膨張すると、互いにぶつかって傷をつけてしまいます。そこで、コーキングをして、クッションの役割を持たせるのです。

サイディングやALCパネルの外壁に、コーキングは欠かせないものと言えます。

サイディングの目地を埋めて防水性と気密性を高める

また、コーキングには、サイディングやALCパネルのすき間から水が侵入しないようにする目的もあります。
しっかり目地をふさぐことで防水性や気密性を高めることができます。

サッシ(窓枠)やドアまわりのすき間を埋める

サッシやドアのまわりなどを見ても、コーキングしているのがわかります。また、コーキング材は防水性能があるので、浴槽のまわりやキッチンなどでも使用されています。

ベランダの継ぎ目を埋める

ベランダの手すりのつなぎ目や金属部分の立ち上がり部分にもコーキングが使用されています。

外壁塗装のコーキングは劣化しやすい!

コーキングは防水性能がありますが、外壁やベランダ、サッシなど屋外に設置されている場合は、紫外線に当たって劣化してしまいます。

また、高温や低温の繰り返しといった気温の変化を受けてコーキング材が伸縮することによって、次第に劣化していきます。

コーキングの寿命

コーキングの寿命は約5年~10年と言われています。5年も幅がありますが、これは最初の施工状態や、建物が建っている環境などに左右されるからです。

コーキング劣化のサイン

次のような状態が見られたらコーキングが劣化していると考えられます。

亀裂 コーキングに細かいひび割れができる
破断 コーキングが割れる
肉やせ コーキングが痩せてボリュームがなくなり、すき間ができる
剥離 コーキングがはがれる

コーキングが劣化すると大変!

コーキングの劣化はよく見ればわかりますが、普段の生活では意識してチェックはしないことが多いのではないでしょうか。

しかし、コーキングの劣化を放置すると、大変なことになります。よくあるケースをご紹介します。

コーキングの劣化で起こる現象

コーキングは防水目的で実施されているものです。そのコーキングが劣化すると、水が侵入して家にさまざまな被害を与えてしまいます。

  • コーキングの亀裂やすき間から雨水が侵入する
  • 住宅内部にかびが発生する
  • やがて建材が腐食する
  • サイディングが反ってくる

外壁塗装はコーキングの補修も一緒に

コーキングの劣化を発見したら補修が必要ですが、それだけを依頼するよりも外壁塗装のときに一緒にする方がお得です。コーキングの方法と費用を見てみましょう。

コーキングの補修方法

外壁に使用されているコーキングの補修方法には、「打ち増し」と「打ち直し」の2通りがあります。

方法 メリット デメリット
打ち増し 元々のコーキングの上から新しいコーキングを充填する方法 ・費用が安く済む
・工期が早い
コーキングの下の不具合が気づきにくい
打ち直し コーキングを撤去して新しいコーキングを充填する方法 ・ひび割れたコーキングをきれいに取り除ける
・コーキングの下の不具合を発見できて適切な処置ができる
・費用が高くなる
・工期の時間がかかる

コーキングの補修費用

コーキングの費用は打ち増しか打ち直しかで異なります。また、費用はコーキングする長さ(メートル)単位で計算されます。

打ち増し 1mあたり500円~900円
打ち直し 1mあたり700円~1200円

また、使用するコーキング材によっても違ってきます。

2階部分までコーキングする場合は足場の費用も必要

サイディングやALCパネルを使用している外壁のコーキングは、2階部分も作業を行います。その場合は、足場を設置しなければなりません。足場費用として15万円~20万円ほどかかります。

足場の費用を節約するためにも、コーキングの補修は外壁塗装と一緒に行うのがおすすめです。外壁塗装も約10年ごとに塗り替えや貼り替えをすると長持ちするので、そのときに一緒にコーキングも補修してもらいましょう。

外壁塗装のコーキングは自分ではできない?

コーキング材はホームセンターでも販売されています。「自分で買って補修できるのではないか」と考える人がいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、簡単そうに見えて、実は専門的な知識や技術が求められる作業です。

防水施工技能士の資格

コーキングは「防水施工技能士」という国家資格があるほど、専門性が求められる仕事です。

防水施工技能士とは

防水施工技能士は国家資格で、都道府県職業能力開発協会が実施する学科試験と実技試験に合格すると資格が与えられます。

実技作業試験には、ウレタンゴム系塗膜防水工事作業やアクリルゴム系塗膜防水工事作業、セメント系防水工事作業などのほか、シーリング防水工事作業などがあります。

防水施工技能士には1級と2級があり、それぞれの受験資格は1級は実務経験7年以上、2級は実務経験2年以上が必要です。

コーキングの作業自体はこの資格がなくてもできますが、資格を持つ人がいれば安心して任せられますね。

コーキングを自分でやる場合のリスク

一方、コーキングを自分でやる場合は、次のようにさまざまなリスクがあります。

  • マスキングテープなどの養生がうまくできず、周囲にコーキング材が付着して仕上がりが汚くなってしまう
  • コーキング材の種類が多く、どれを選べばいいかわからない
  • 劣化したコーキング材の上から充填すると、下地の異常などに気づかない
  • 足場を組み立てずにハシゴや脚立で作業をするのは危険
  • コーキング材の他に、コーキングガンやマスキングテープ、カッター、ヘラなどの道具が必要

このように、自分でコーキングする場合は、さまざまな道具が必要な上に、きれいに仕上がらない、塗料や外壁との相性のよくないコーキング材を選んでしまう可能性があります。

結局は「最初からプロに頼めばよかった」ということになりがちです。

自分の目で見た限りでは問題がないように見えても、高い場所のコーキングが劣化していることもあるので、点検を兼ねて専門業者に相談しましょう。

外壁塗装のコーキングの役割と補修費用~まとめ

コーキングはサイディングやALCパネルのすき間を埋めるために使用する他、モルタル壁のひび割れの補修などにも使われます。

サイディングやALCパネルに使用したコーキングは5年~10年で劣化し、ひび割れや破断、肉やせ、剥離などが起こり、家を守る防水機能が果たせなくなります。

コーキングの補修は足場の費用などもかかるため、外壁塗装とセットで依頼するといいでしょう。