外壁塗装のお悩みを解決
このページで分かること
新築のおしゃれな住宅がサイディングだったり、「サイディングは塗装の外壁よりも長持ちする」と聞いたりすると、「次に壁を塗り替えるときはサイディングがいいかな」と迷ってしまいますね。
そこで、このページではサイディングの特徴や、外壁塗料の塗り直しとの違いについてくわしくご説明します。
サイディングは外壁に「サイディングボード」を貼り付ける方法です。サイディングボードには素材によっていくつかの種類があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
サイディングボードは次の4つの種類があります。
種類 | 素材 | 特徴 |
---|---|---|
窯業(ようぎょう)系 | セメントや砂、繊維質など | ・デザイン性があり人気が高い ・耐火性に優れているが、セメントで造られたサイディングは重量があり建物への負荷が大きい |
金属系 | ガルバリウム鋼板やアルミニウム合金、ステンレス鋼板など | ・軽量で建物への負荷が少ない ・ひび割れしにくい ・紫外線で高温になるため、下地との間に空気の通り道や水の逃げ道を作る必要がある |
樹脂系 | 塩化ビニル樹脂 | ・軽量で塩害や酸性雨、凍害などに強い ・デザイン性が乏しいため日本での使用例は少ないがアメリカでは多く用いられている |
木質系 | 天然木 | ・木目の風合いが活かせるのが特徴 ・耐火性が低く、水による腐食が起こりやすいのがデメリット (最近は耐火性を強化した製品も出ている) |
「サイディングは耐久性がある」というイメージがありますが、果たしてそうなのでしょうか。
サイディングボード自体は30年~40年ほど使えると言われていますが、次のような状態が起こり、そのつどメンテナンスが必要になります。
シーリングはコーキングとも呼ばれますが、サイディングのボードをつなぎ合わせる部分の接着剤のことです。
サイディングボード自体に損傷がなくても、このシーリングは年数とともに劣化していきます。
シーリングに細かいひびが現れたり、シーリングがやせてきたりしたら、そこから水が侵入するのでシーリングの打ち直しが必要です。
建物の状況にもよりますが、約10年ほどでシーリングの打ち直しが必要になると言われています。
サイディングの表面に「クラック」と呼ばれるひび割れが発生することがあります。
ひび割れがどの程度の年数で発生するかは、素材によって異なります。窯業系のサイディングはひび割れがしやすい特徴があります。特に地震などの強い揺れがひび割れの原因になるので、定期的に点検しましょう。
サイディングは塗装されていますが、その塗膜が劣化してきます。原因は紫外線が多く、塗料に含まれる白い顔料が浮き出てくるので、手でサイディングの表面を触ると白い粉が付くのでわかります。これを「チョーキング」と呼んでいます。
塗膜が劣化すると防水性能が低下するので、雨漏りの原因になります。
サイディングボードの表面にかびやコケ、藻などが発生することがあります。これは湿気が多いためで、サイディングの防水性能が低下していることが原因です。
また、サイディング自体に大きなひび割れができている場合も、サイディングを張り替えた方がいいでしょう。
上記のようにサイディングでも約10年(ひび割れや劣化が進んでいればもっと早くに)メンテナンスが必要です。
メンテナンスの費用の目安は次の通りです。
メンテナンス方法 | 費用 | |
シーリングの打ち替え | 現在のシーリングをはがして新たにシーリングをし直す方法 | 約1,000円/㎡ |
シーリングの打ち増し | 現在のシーリングはそのままで、その上からシーリングを追加する方法 | 約600円/㎡ |
塗料の塗り替え | サイディングボードの塗料を塗り替える | 塗料の費用(塗料の種類によって費用は異なるが、シリコン系塗料で約2,500円/㎡) |
サイディングの貼り替え | 現在のサイディングを撤去して、新しいサイディングボードを貼る | サイディングボードの費用(厚さによって費用は異なるが、窯業系のサイディングボードで5,000円~8,000円/㎡) |
さらに、足場設置費用や養生シート費用、職人さんの工賃などがかかります。
モルタル壁の塗り替えを検討する際に、選択肢としてサイディングに変更するという方法があります。
それはベストな選択なのか、考えてみましょう。
モルタルからサイディングに変更するには、次の2つの方法があります。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット | |
モルタルの上にサイディングボードを貼る場合 | ・費用が抑えられる ・工期が短期間で終わる |
・元のモルタルの重みにサイディングボードの重みが加わるので建物への負荷が大きくなる ・下地の劣化を見落としていた場合、建材の腐食や雨漏りの原因になる |
モルタルを撤去してサイディングボードを貼る場合 | ・下地の劣化や異常を発見できる ・モルタルを撤去することで建物への負荷が減らせる |
・撤去費用がかかる ・工期が長くなる |
モルタルを撤去するかどうかは、下地に異常がないかよく調べる必要があります。その上で問題がないと判断できれば、そのままモルタルの上にサイディングボードを貼ることが可能です。
これを「重ね張り」と呼びますが、重ね張りの場合はモルタル撤去費用がかからないため、費用も工期も抑えることができます。
ただ、今の外壁にさらにサイディングボードの重みが加わるので、その分住宅に負荷がかかります。
住宅のことを考えるならば、モルタルをきれいにはがして下地をチェックした上でサイディングボードを貼るのがおすすめです。
ここまででご説明してきたように、モルタルの壁の塗料を塗り直すにしても、サイディングボードに変更するにしても、約10年サイクルでメンテナンスが必要になります。
家が建っている環境などにもよりますが、一般的にモルタルの耐久年数は約30年、サイディングボードは約40年と言われています。
サイディングボードの方が長持ちしますが、シーリングのメンテナンスは7年~10年サイクルで行うと安心です。
長持ちするのはいいことですが、「何が何でも40年間はこのままで…」とこだわる必要はありません。
建築素材は進化しています。サイディングボードも今後さらに研究が進んで、耐熱性や耐候性、耐久性が向上する可能性があります。
メンテナンスを繰り返すよりも耐久性が高いサイディングボードに張り替える方が、結果的にコストパフォーマンスがいいということも考えられます。
住宅は何の手当(メンテナンス)もせずに使っていると、あちこちで問題が発生します。特に雨漏りは家の中を傷める元になるので、こまめに点検や補修を行うことが大切です。
外壁や屋根は張り替えや塗り替えをすると、100万円前後の費用がかかります。8年~10年を目安に計画を立てて、お金を貯めておくといいでしょう。
一般にサイディングはモルタル壁に比べると長持ちすると言われています。
しかし、何もせずにそのまま異常なく使えるというわけではありません。サイディングのシーリングやひび割れ、塗料の塗り直しなどのメンテナンスが必要です。
また、モルタルの壁をサイディングに変更する際には、モルタルのはがしてサイディングを貼る方法と、モルタルの上に重ね張りをする方法がありますが、どちらにもメリットとデメリットがあります。
何のためにサイディングにするのか、モルタルの塗料の塗り直しとよく比較検討することが大切です。
なお、モルタルでもサイディングでも約10年サイクルで何らかのメンテナンスが必要になります。あらかじめ予算を組んで計画的に貯めておくといいでしょう。