外壁塗装のお悩みを解決
このページで分かること
外壁塗装の時期を迎えて、塗料での塗り替えかサイディングにするかで悩むことがあるかと思います。しかし、外壁材には「タイル」もあるんですよ。
このページでは外壁タイルのメリットとデメリットをご説明します。
タイルとサイディングは見た目がよく似ていますが、素材も性質も違います。
タイルとサイディングの特徴を比較してみましょう。
タイル | サイディング | |
素材 | 石や砂、土などを高温で焼いて固めたもの | ・窯業系(セメントや繊維質を混ぜ合わせたもの) ・金属系(ガルバリウム鋼板やステンレス鋼板など) ・樹脂系(塩化ビニル樹脂) ・木質系(天然木) |
費用 | 約1万円~3万円/1㎡ | 5,000円~8,000円/㎡(窯業系の場合) |
メンテナンス (貼り替えなど) |
タイルは長持ちするが、目地や表面の汚れ落としが必要 | 約10年ごとにシーリングやひび割れ補修などが必要 |
上の表でもわかる通り、タイルとサイディングでは価格がかなり違います。そのため、初期費用はタイルの方がかかりますが、タイルは耐久性があるのでメンテナンスが楽というメリットがあります。
では、さらにタイルの特徴を掘り下げてみましょう。
タイルの特徴やメリット・デメリットをよりくわしくご説明します。
まずはメリットからです。
タイルのメリットには、次のように多くの点があります。
それぞれをくわしく見ていきましょう。
外壁を塗料で塗る方法は、塗料の種類にもよりますが約7年~15年ほどで塗膜が劣化してしまいます。そのため、全面の塗り直しが必要になります。
また、サイディングの場合は、サイディングボードの塗膜やボード自体が劣化していきます。塗膜の劣化は塗料の塗り直しを行いますが、サイディングボードそのものがひどく劣化したら、貼り直しが必要になります。
しかし、タイルは石や砂、土などを混ぜて、約1300℃という高温で焼いて作られています。そのため、非常に硬く、ひび割れや表面の劣化が起こりにくいという特徴があります。
上でも書いたようにタイルは大変硬い素材です。クギでひっかいても傷がほとんどつきません。
外壁の横を自転車などを押して通った際に、擦れても傷がつく心配がありません。台風で砂や木の枝が飛来してもほとんど傷がつかないというメリットがあります。
モルタル壁やサイディングは、経年劣化によってクラックというひび割れが発生します。これを放置しておくと、雨水が侵入し、やがて雨漏りや建材の腐食などを引き起こします。
ところがタイルは素材そのものが硬いので、ひび割れはほとんど起こりません。
タイルの外壁は高級感や重量感があるので、家そのもののイメージが向上します。また、最近はさまざまな種類のタイルが発売されているので、おしゃれな外壁を作ることができます。
タイルは水をはじくため、台風や梅雨など雨量が多い時期でも雨水の影響が抑えられます。雨漏りの原因は屋根だけでなく外壁も関係するのですが、そういった心配がないのが大きなメリットです。
紫外線や酸性雨などの影響を受けにくいので、結果的に長持ちします。
これらのことを見ても、メンテナンス(塗料の塗り替えや貼り替えなど)が塗料やサイディングよりも少なくて済むというメリットがあります。
いいことばかりのように見えるタイルですが、もちろんデメリットもあります。
何と言っても最大のデメリットは「費用が高い」ということでしょう。
タイルの外壁の住宅が少ないのは費用面にあると言えます。
上の表でもご紹介した通り、サイディングは1㎡あたり5,000円~8,000円程度ですが、タイルは1㎡あたり約1万円~3万円ほどかかります。
サイディングの2倍~3倍にもなるため、外壁の広い範囲に採用するのは予算的に厳しいと言えます。
タイルは外壁塗料やサイディングに比べると耐久性があり、傷がつきにくいというメリットがあります。そのため、「タイルの外壁はメンテナンス不要」「メンテナンスフリー」をアピールしている外壁業者がいるようです。
しかし、まったくのメンテナンスフリーということはありません。タイル外壁は、次のようなメンテナンスが必要です。
目地の充填 | タイルとタイルのすき間の目地にひび割れが起きたときにセメントを充填する |
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コーキングの補修 | コーキング材は劣化するため、状況に応じてコーキングの打ち増しや打ち直しをする |
これらのメンテナンスは、状況にもよりますが約10年ほどのサイクルで行うのが理想です。
コーキングの補修は、打ち増しと打ち直しでは費用が異なります。
メンテナンスの費用がかかるからと言って放置すると、タイルの目地から水が侵入して建材が腐食することがあります。また、コーキングが劣化したまま放っておくと、タイルがはがれ落ちることがあるので注意が必要です。
一見異常がないように見えても、定期的に専門業者に点検してもらいましょう。
上のように点検(メンテナンス)をしっかし行わなかったことでタイルがはがれることがありますが、それ以外にも施工不良が原因でタイルがはがれることがあります。
外壁のタイルは重いので、もし落下して通行人に当たると大変です。
施工業者は外壁タイル工事の実績があるかどうかをよく確認しましょう。
外壁塗装にタイルを採用するには費用がかかります。しかし、メリットもあります。タイルをおすすめできるのは、次のようなケースです。
タイルはとにかく耐久性があり、塗り替えや貼り替えといった大がかりなメンテナンスが不要という点がメリットです。(目地の補修など細かいメンテナンスは必要です。)
そのため、これから家を建てるとか、二世帯住宅で子ども世代は長く暮らすといった場合におすすめできます。
逆にすでに老朽化している家の外壁にタイルを採用しても、家そのものが長く使えない可能性があります。そのときは費用が安い塗料の塗り替えやサイディングにするといいでしょう。
タイルの外壁は初期費用がかかります。そのため、資金的に余裕がある人におすすめできます。設置後のメンテナンス費用は10年~15年ごとに約50万円程度と言われています。
一方、塗料やサイディングはタイルほど初期費用はかかりませんが、約10年~15年ごとに塗り替えなどが必要です。そのつど80万円~100万円近くかかります。
長い目で見ると、外壁にかける費用はあまり変わらないかも知れません。そういったことをよく考えて、どちらにするか決めるといいでしょう。
外壁塗装はモルタルに塗料を塗る方法やサイディングが一般的ですが、タイルを利用する方法もあります。
タイルは硬くて傷が付きにくい上に耐久性があるので、住宅の外壁に向いています。また、デザイン性も高いので、おしゃれな外観を希望する人におすすめできます。
ただ、初期費用が高いのがネックになります。しかし、その後のメンテナンス費用は塗料やサイディングよりも安いというメリットがあります。
メリットとデメリットをよく考えて選ぶようにしましょう。