外壁塗装のお悩みを解決
このページで分かること
いざ外壁塗装の塗り替えを検討しようとなったとき、塗料や工法などを知らないことばかりで愕然とするのではないでしょうか。
専門知識をすべて理解する必要はありませんが、知っておくと役立つ外壁塗装の種類を塗料や外壁材、工法の面からご説明します。ぜひ参考にしてください。
まず外壁塗装の塗料を見てみましょう。
塗料には流行があり、以前は人気があった塗料が最近はあまり使用されていないというものがあります。また、研究開発が進み、塗料は進化しています。
塗料を調べ出すとキリがないのですが、概要だけでも知っておきましょう。
塗料の種類 | 耐久年数 | ㎡あたりの単価 | 特徴 |
---|---|---|---|
アクリル系塗料 | 4~6年 | 1,000円~1,200円 | 耐久性が低いので、こまめな塗り替えが必要 |
ウレタン系塗料 | 6~8年 | 1,800円~2,000円 | 価格があまり高くなく、汚れや色あせに強く機能的で使いやすい |
シリコン系塗料 | 13~15年 | 2,500円~3,500円 | ウレタン系よりも耐久性があるが、価格はそれほど高くない。汚れや色あせに強く、防カビや防藻の機能を持つ塗料もある |
ラジカル制御型塗料 | 14~16年 | 2,500円~3,000円 | 「ラジカル」とは、紫外線や酸素、水などの影響で塗膜が劣化すること。ラジカル制御型塗料は劣化を防ぐため、シリコン系塗料よりも耐久性がある。一方で価格はそれほど高くないためコストパフォーマンスがいい |
フッ素系塗料 | 15~18年 | 3,500円~4,500円 | 耐久性に優れているが、価格が高いのが難点。光沢感があり、商業施設やビルなどでの使用が多い |
遮熱塗料 | 約10年 | 5,000円~5,500円 | 熱を反射するので遮熱効果があるが、価格が高い(自治体によって補助金が出ることもある) |
光触媒塗料 | 15~20年 | 5,000円~5,500円 | 耐久性があり、自然の力(太陽や雨など)で壁をきれいにする働きがあるのでメンテナンスが楽だが価格が高い |
外壁塗装に使用する塗料はどんどん進化しています。以前はアクリル系塗料やウレタン系塗料が主流でしたが、汚れやすく耐久性が低いことから最近ではあまり使用されていません。
最近ではシリコン系塗料が人気ですが、さらに耐久性が高いラジカル制御型塗料の価格が下がってきて、現在ではこの2種類が人気塗料になっています。
ただ、今後はもっと高性能の塗料が安価で使えるときがくるかも知れません。塗り替えのときには、最新情報をチェックしておきましょう。
一方、外壁材にも種類があります。外壁塗装の塗り替えの場合は元々の外壁材の上から塗り直すケースが多いのですが、知識として知っておくといいでしょう。
モルタルは一般住宅の外壁によく使用されている壁材です。セメントと石灰、砂などを混ぜたもので、下地に防水シートを張り、その上にモルタルを塗っていきます。
モルタルはリシン仕上げやスタッコ仕上げなどのさまざまな仕上げ方があります。オリジナルなデザインの壁に仕上げることができるのがモルタルのメリットですが、劣化しやすいという欠点があります。特にひび割れしやすいため、そこから雨漏りを引き起こすこともあります。
サイディングボードはあらかじめ作られた外壁用のボードのことで、次のような種類があります。
窯業(ようぎょう)系 | セメントに繊維質の原料を加えて、窯(かま)で高熱処理を施して製造するボード。通気性があるが、水分の吸収と乾燥を繰り返すことでヒビ割れを起こすことがある。また、シーリングの劣化も起こしやすい |
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金属系 | スチールやアルミニウムを使用している。軽量で断熱や防火機能があるが、さびやすいため海岸沿いの住宅には不向き |
木質系 | 材木を使って作られたボード。木の質感があるが、防火機能が低いのが欠点。(最近は不燃加工したボードもある) |
樹脂系 | 塩化ビニル樹脂の外壁材で、水に強いが紫外線に弱く劣化しやすい |
ALCとは、高温高圧蒸気養生を意味する「Autoclaved」、軽量気泡を意味する「Lightweight aerated」、コンクリートの「Concrete」の頭文字を取った言葉で、コンクリートを軽量化したものです。
住宅の外壁には、工場で製造されたALCのパネルを取り付けます。軽いため住宅への負担が少ないこと、工期が早いこと、断熱性が高いことなどがメリットです。ただ、防水性がないため、表面塗装を施して防水処理をする必要があります。
また、塗装が劣化したときは、再塗装して防水性能を維持しなければなりません。
一般住宅では少ないですが、外壁にコンクリートを採用したものです。遮音性はありますが、ひび割れしやすいというデメリットがあります。
消石灰や砂などを混ぜて壁に塗ります。瓦などの接着剤として使用されることもあります。古民家の外壁や土蔵、寺院、城郭などにも使用されています。
防水性や防音性、かびを防ぐ働きなどのメリットがありますが、傷や汚れがつきやすいというデメリットがあります。
サイディングボードの方が耐久性やデザイン性が高いという理由で、外壁塗装の際にそれまでのモルタルからサイディングボードに変えるケースがあります。
モルタルからサイディングボードに変える場合は、元のモルタル壁を残してその上にサイディングボードを貼る方法と、モルタルを撤去してサイディングボードを貼る方法の2つがあります。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット | |
モルタル壁を残す場合 | 施工費用が安く抑えられる | ・下地の劣化を十分に確認できない ・使えるサイディングボードが限られるので、デザイン性が乏しい |
モルタル壁を撤去する場合 | ・下地材の劣化具合を確認し、必要な補修ができる ・窯業系サイディングボードが使えるのでデザインの選択肢が広がる |
費用が高くなる |
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モルタル壁からサイディングボードに変える場合は、このようなメリット・デメリットや費用面を業者とよく相談してから決めるようにしましょう。
外壁塗装の工法は、大きく分けると次の3種類があります。
各工法のメリットとデメリットを見ていきましょう。
スプレーガンを使って、塗料を壁に吹き付ける方法です。一度に広い範囲の塗装ができるのが最大のメリットですが、細かい部分の塗装は難しいというデメリットがあります。
また、周囲に塗料が飛び散るので、塗料のロスが発生します。養生もしっかり行う必要があります。
専用の刷毛を使って塗装する方法です。刷毛の幅や毛の長さなどさまざまな種類があり、用途に応じて使い分けます。
一度に広い範囲を塗るのは難しいですが、細かい部分を塗るのに適しています。そのため、スプレーガンやローラーで塗った後の仕上げや補修、細かい部分などを塗る際によく使用されます。塗料の飛散がないのもメリットです。
塗料専用のローラーを使って塗装する方法です。塗料の飛散がなく、広い面積を塗ることができるのがメリットです。
ただ、細かい部分を塗るのは難しいというデメリットがあります。
外壁塗装では、これらの工法を適材適所に組み合わせて取り入れています。
外壁塗装を検討する際には、塗料の種類や外壁材をある程度知っておく必要があります。工法は施工業者が判断しますが、知識として持っておくといいでしょう。
塗料は進化していて、高性能の塗料でも比較的安価で使用できるようになっています。見積もりの段階で、塗料の色だけでなく性能もチェックしておきましょう。
サイディングボードは耐久性がありますが、モルタル壁からサイディングボードへの変更にはメリットとデメリットがあるので、施工業者とよく相談してみてください。