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外壁塗装にフッ素塗料を使うと長持ちでコスパは抜群!デメリットは?

外壁塗装にフッ素塗料を使うと長持ちでコスパは抜群!デメリットは?

外壁塗装の塗料にはさまざまな種類がありますが、中でもフッ素系塗料は長持ちするのが特徴です。ただ、価格が高いという難点も……。

フッ素系塗料のメリット・デメリットを見ていきましょう。

外壁塗装に使うフッ素ってどんなもの?

まずは「フッ素系塗料」とはどんなものなのか、ご説明します。

フッ素塗料のメリット

フッ素塗料は主成分にフッ素樹脂を配合した塗料のことで、フッ素樹脂には、次のような特徴があります。

  • 耐摩耗性
  • 耐熱性
  • 耐寒性
  • 耐薬品性
  • 難燃性
  • 絶縁性
  • 非粘着性

非粘着性、つまりくっつきにくい性質があるため、フッ素加工のフライパンなどにも使用されています。

フッ素は外壁塗料としてもすぐれたパワーを発揮

フッ素樹脂は外壁塗料に配合することで、次のような働きをします。

耐熱性 紫外線や外気の高温から建物を守る働き
親水性 外壁に付着した汚れを雨で洗い流す働き
耐薬品性 酸性雨に強い(変質しにくい)
防カビ性(※) カビが発生しにくい
防藻性(※) 藻(も)が発生しにくい
耐摩耗性 光沢が長く持続する
非粘着性 汚れがつきにくい

(※:防カビ性や防藻性はありますが、完全に防げるというわけではありません。発生しにくく、もし発生しても水で落とすことができます。)

フッ素塗料の使用例

このように優れた性質を持つフッ素塗料は、次のような建物で使用されています。

  • 六本木ヒルズ
  • 東京スカイツリー
  • 後楽園ホール
  • 国立劇場
    など

フッ素系塗料でも内容はさまざま

フッ素系塗料でも、メーカーや品番などによって若干性質が異なります。外壁塗装にフッ素塗料を希望する場合は、業者さんに特徴をよく説明してもらいましょう。

外壁塗装にフッ素系塗料は高くて使えない!?

メリットが多いフッ素塗料ですが、実は価格が高いというデメリットがあります。

塗料の価格を種類別に比較

塗料にはいくつかの種類があり、性質も価格も異なります。

塗料の種類 耐久年数 ㎡あたりの単価 特徴
アクリル系塗料 4~6年 1,000円~1,200円 価格は安いが耐久性が低いので短期間で塗り替えが必要
ウレタン系塗料 6~8年 1,800円~2,000円 ・汚れや色あせに強く機能的で使いやすい
・価格が安いので以前はよく使用されていた
シリコン系塗料 13~15年 2,500円~3,500円 ・以前より価格が下がってきたので、近年人気がある
・ウレタン系よりも耐久性があり、汚れや色あせに強いのが特徴
・防カビや防藻の機能を持つ塗料もある
ラジカル制御型塗料 14~16年 2,500円~3,000円 ・紫外線や酸素、水などの影響で塗膜を劣化させるラジカルの発生を抑える働きがある
・シリコン系塗料よりも耐久性があるが、最近はシリコン系塗料との価格の差がなくなってきたのでよく利用される
フッ素系塗料 15~20年 3,500円~4,500円 耐久性に優れているが、価格が高い
遮熱塗料 約10年 5,000円~5,500円 ・熱を反射する働きがあり、遮熱効果がある
・価格が高いが、自治体によっては補助金が出るところもある
光触媒塗料 15~20年 5,000円~5,500円 ・太陽や雨などの自然の力で壁をきれいにする働きがある
・メンテナンスが楽で耐久性があるが、価格が高い

最近の主流はシリコン系やラジカル系塗料

フッ素系塗料はメリットは大きいのですが、1㎡あたりの単価が高いため一般住宅ではあまり使用されていません。

シリコン系塗料や、最近価格が低下しているラジカル系塗料に人気があり、主流になっています。

フッ素系塗料は商業施設やビル向き

フッ素系塗料は、上でもご紹介したように六本木ヒルズや東京スカイツリーのような商業施設やビルでよく利用されています。

初期費用は高くなりますが、後のメンテナンスが楽なので結果的にコストパフォーマンスがいいと言えるでしょう。

フッ素塗料を上手に使うコツ

フッ素樹脂は耐久性があるので、外壁の塗り替えサイクルがシリコン系塗料などに比べると長くなります。

外壁塗装を長期計画で考えよう

シリコン系塗料の耐久年数は13年~15年程度と言われています。家が建っている環境によって劣化具合は異なりますが、13年で塗り替えるケースで考えてみましょう。

40年の間に3回塗り替えが必要になります。
一方のフッ素塗料は約20年程度持つので、40年の間に2回の塗り替えでいいという計算になります。

  • シリコン塗料……13年目・26年目・39年目
  • フッ素塗料…20年目・40年目

フッ素塗料はコスパがいい!?

フッ素塗料は塗料自体の単価は高いですが、塗り替えの回数が少ないため足場の費用が抑えられます。

もちろん人件費も節約できるので、トータルで考えるとコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。

外壁塗装全体の費用の総額で比較してみましょう。どちらも一般的な住宅の42.6坪(約140㎡)で計算しています。
1回の外壁塗装には、次の費用が必要になります。

  • 足場①……200円/㎡×140㎡=28,000円
  • 養生シート②……150円/㎡×140㎡=21,0000円
  • 高圧洗浄③……200円/㎡×140㎡=28,000円
  • 下地補修④……一式4万円
  • シリコン塗料の価格……3,500円/㎡×140㎡=490,000円
  • フッ素塗料の価格……4,500円/㎡×140㎡=630,000円
内訳 シリコン塗料 フッ素塗料
塗料の費用 49万円 63万円
塗料以外の費用
(上記の①~④)
117,000円 117,000円
1回の塗り替え費用 607,000円 747,000円
40年間の塗装費用合計 1,821,000円
(塗り替え回数3回)
1,494,000円
(塗り替え回数2回)

このようにシリコン塗料は単価は低いのですが、フッ素塗料よりも耐久年数が短いために塗り替え回数が増えてしまい、40年間をトータルで考えるとフッ素塗料を使うよりも費用の総額が高くなってしまいます。

屋根をフッ素塗料で塗装する方法もアリ

上記の表は概算で、実際は下塗りや上塗りなどもあるため、もう少し費用が高くなります。1回の塗り替え費用が80万円以上になることもあるため、やはり単価が低い塗料で済ませようと考える方が多いこともうなずけます。

そんな場合は、屋根だけフッ素塗料を使うという方法もあります。

屋根は外壁よりも受けるダメージが大きい!

屋根も外壁も、家を守るために重要なパーツです。しかし、どちらが受けるダメージが大きいかと考えれば、屋根の方に軍配が上がります。

屋根は紫外線や酸性雨、強風、雪などさまざまな影響をモロに受けてしまいます。しかも、劣化するとたちまち雨漏りの原因になるため、保護には力を入れておきたいところです。

そこで、屋根や雨どいなど劣化しやすい部分だけフッ素塗料を使うといいでしょう。

外壁塗装にフッ素塗料がおすすめの理由とデメリット~まとめ

外壁塗装に使う塗料には、アクリル系塗料やウレタン系塗料、シリコン系塗料など多くの種類があります。

中でもフッ素系塗料は、耐熱性や非粘着性、耐摩耗性などがあるため、汚れにくく長持ちするというメリットがあります。一方で価格が高いのがデメリットです。

そのため、一般住宅での利用は少なく、商業ビルなどが中心です。

ただ、耐久性があるので、一般住宅でも取り入れると塗り替え回数を減らすことができます。長い目で見るとコストパフォーマンスに優れていることがわかります。

外壁の塗り替えの際には、業者さんとよく相談してみましょう。