外壁塗装のお悩みを解決
このページで分かること
一戸建ての家に住んでいると、よくやって来るのが外壁塗装の訪問販売ですね。外壁の状態が外から見えるだけに、営業のターゲットになります。
ただ、どんな業者なのかわからない、提示された金額が妥当なのかわからないといった不安がつきまといます。
そこで今回は、外壁塗装の訪問販売によるある営業トークと断り方を解説します。
国民生活センターに寄せられた住宅に関する苦情や相談の状況を見てみましょう。
ここ数年の住宅関連の相談件数は下記の通りです。
なお、この数は屋根工事、壁麹、増改築工事、塗装工事、内装工事を合わせた「リフォーム工事」の件数を示しています。
年度 | 相談件数 | 判断不充分者契約数 |
---|---|---|
2012年 | 6,496件 | 286件 |
2013年 | 7,298件 | 344件 |
2014年 | 6,871件 | 365件 |
2015年 | 6,767件 | 281件 |
2016年 | 6,593件 | 281件 |
「判断不充分者契約」とは、何らかの理由で十分な判断ができない人の契約を指します。全相談件数の約5%ほどを占めていることがわかります。
国民生活センターに寄せられた相談の内容をご紹介します。
このように認知症で判断不充分な人が訪問販売業者と契約してしまうケースもありますが、自分でしっかり判断できる人でも契約してしまい相談を寄せています。
判断能力がある人でも契約してしまうのは、外壁塗装の訪問販売業者の営業トークが巧みだからです。
よくある営業トークは次の通りです。
では、それぞれを詳しく見ていきましょう。
どんなことでもそうですが、専門家から「今すぐ手当しないと大変なことになりますよ」と言われると恐怖心がわいてきますよね。
外壁塗装でも多いのが、「早く塗り替えないと危険ですよ」というトークです。
「どうしてもっと早く塗り替えなかったんですか?」
「このヒビ割れから雨水が侵入して、家がボロボロになりますよ」
などと「あなたのためですよ」と言われると、すがるような思いで契約に至ってしまいます。
しかも、その根拠をきちんと説明することはなく、やたらと危険性ばかりをアピールします。
たしかに外壁は経年劣化しますが、よほど大きなヒビ(亀裂)がない限り「今すぐ塗り替えないと危険」ということはありません。
くれぐれもその場で契約しないように注意しましょう。
次に多い営業トークが「キャンペーン中」というものです。人は「お得」「今だけ」というセリフに弱いものです。
「この機会を逃すと損をするかも……」
「いずれ塗り替えなきゃいけないのなら、キャンペーン中に頼もうか」
と契約してしまいます。
しかし、このような訪問販売業者は、いつどこの家に行っても「今、キャンペーン中なのでお得ですよ」と言っています。
甘い言葉に惑わされないようにしましょう。
モニターとは、住宅で言えばモデルハウスのようなものです。外壁塗装は外から見てすぐにわかるだけに、「ご近所に当社の施工をアピールしたいので、モデルになってください。その代わり、安く塗装します」という話法で営業してきます。
これも営業トークのよくある手ですが、実際は決して安くはありません。
外壁塗装をするには足場を組む必要があり、そのための費用がかかります。しかし、「近所で工事をしているので、そのついでにこちらのお宅も塗装をさせてくれたら、足場代を無料にします」と言ってくることがあります。
いくら近所で工事をしていても、別の家で工事をするには足場を組まなければなりません。当然、その費用はかかります。見積もりでは足場代が含まれていなくても、その分の価格を工事代金に上乗せしています。
トークや見積もり書にだまされないようにしましょう。
訪問販売で「前金でお金をいただければ、大幅値引きします」のように前払いを要求する業者は要注意です。最悪の場合はお金だけ受け取って、そのまま連絡が取れなくなるケースもあります。
見積もり書をきちんと確認し、どんな業者なのかを調べることが大切です。前払いを求める業者は避ける方がいいでしょう。
外壁塗装は費用の相場がわかりくいため、訪問販売の業者に言われるまま契約して高額な費用を請求されるケースがあります。
たくみな話術で話を持ち掛け、高額な費用を請求しています。いくつか例をご紹介しましょう。
「自社のオリジナル塗料を使用」とか「有名メーカーの塗料なので」と言って「高いけれど長持ちする」とアピールして塗料代を高く請求してきます。「長持ちするなら少々高くても仕方がない」と契約するのはやめておきましょう。
外壁だけでいいのに屋根や付帯部分まで塗って高額な費用を請求するケースが増えています。「改めて屋根を塗装すると、また足場費用がかかりますよ。この際ですから一緒に塗り替えてしまいましょう」と持ち掛けるケースや、勝手にベランダや付帯部分も塗ってその分の費用を請求するケースがあります。
見積もり書をよく確認して、不審な点がないかチェックすることが大切です。
足場の費用は、足場を組む面積に応じて計算します。悪質な訪問販売業者では足場の面積を多くして、その分の費用を請求する手口が多く見られます。
見積もり書を見ても自分の家の足場の面積がどれくらいなのか見当がつかない人が多いため、言いなりになってしまいます。
本来なら「下塗り」「中塗り」「上塗り(またはトップコート)」の3回塗れば十分なのですが、4回も5回も塗って、その分の費用を請求するケースがあります。
「何度も塗ったから安心」というわけではないし、実際に見積もり書通りの回数を塗っているかどうかも不明です。くれぐれもご注意ください。
外壁塗装の費用は「塗る面積(㎡数)×塗料の価格」で算出します。
ところが訪問業者の中には、実際に塗装する面積よりも多い面積(㎡)で計算して請求することがあります。見積もり書の塗装面積を見てもそれが妥当なのか判断できないため、そのまま契約して高額費用を請求されるケースが目立ちます。
訪問販売業者は「今すぐ決めればお得」と持ち掛けて、契約を急ごうとします。しかし、その多くは、上記のように高額請求をしてきます。
適正な金額かどうかを確かめるためにも、必ず地元の外壁塗装業者に相談しましょう。複数の業者に見積もりを出してもらう「相見積もり」をすると、費用の相場がわかるのでおススメです。
国民生活センターの相談では、「高齢の親が訪問販売業者にすすめられて次々と塗装やリフォームの契約をして高額を支払った」という事例が増えています。
特に昼間は親だけが留守番をしているとか、親が離れて暮らしている家では注意が必要です。
このような被害に遭わないためには、最初の営業の段階で断ることが大切です。上手な断り方を知っておきましょう。
訪問販売の営業マンは身だしなみや態度がきちんとしていて、いわゆる「いい人」に見えてしまいます。その人が「このままでは危険ですよ」と訴えると、「我が家のために親身になってくれている」と勘違いしてしまいますが、それがひとつの手口です。
顔を合わせると断りにくくなるので、とにかく玄関を開けずにインターホン越しに「結構です」「今は考えていません」とキッパリと断ってしまいましょう。
「施工はしなくてもいいので、無料点検だけでもやっておきませんか?」と言ってくることがありますが、営業につなげるトークです。
また、点検することで「このままでは危険」ということをアピールしてきます。
点検を受けずに断ることが大切です。
点検と同様に、アンケートに答えるのもやめておきましょう。「いつごろ建てた家か」「不安なことはないか」などの情報を提供すると、断っても何度もやって来ます。
むやみに情報提供するのはNGです。
訪問販売業者の営業トークはたくみです。その言葉に乗って、「いずれは塗り替えないといけないんだけどね」「今はお金がないから」などと答えると、それに対応する言葉で営業をしてきます。
すぐに契約を結ばなかったとしても、「見込み客」としてマークされるので注意しましょう。
「今は考えていません」と、見込み客ではないことをアピールすることが大切です。
外壁塗装は費用の相場がわかりにくい上に外から見て劣化具合がわかるため、訪問販売業者に狙われやすくなります。その結果、面積や塗料を多く見積もって高額請求するケースが後を絶ちません。
被害に遭わないためには、必ず地元の塗装業者に相談すること、複数の業者で相見積もりを取ること、訪問販売業者はインターホン越しにキッパリと断ることなどが大切です。