外壁塗装のお悩みを解決
このページで分かること
外壁塗装の業者を選ぶとき、技術や費用、近所の評判なども重要ですが、塗装後の保証もよく確認することが大切です。
問題が起こったときにきちんと補修してくれるのか、その業者が倒産や廃業したらどうなるのか…ということも確かめておきましょう。
冷蔵庫やテレビなどの電化製品はメーカー保証として1年間の保証期間がついています。さらに販売店側が独自保証として3年間などの保証をつけるケースがあります。
これは保証期間中に故障した場合は無償で修理するということで、壊れたでも安心できますね。では、外壁塗装の保証は、どういうときに使えるのでしょうか。
外壁塗装の保証書には下記の内容が記載されています。
保証期間 | 7年間、10年間など |
---|---|
保証内容 | どんな状態になったら保証されるか |
免責事項 | 保証されないケース |
このように保証書には「保証期間」「保証内容」「免責」が記載されています。免責とは「この場合は保証できません」ということです。
外壁塗装の保証は、これら3点をよく確認しましょう。
まず保証期間を見てみましょう。外壁塗装の保証期間は、業者によって異なります。
業者によって5年というところもあれば、10年というところもあります。中には「うちは13年の長期保証をつけています」という業者もあります。
「保証期間は長ければ長いほどいい」と考える人がいますが、必ずしもそうではありません。外壁塗装の保証は施工不良や塗料の不良などが原因の場合が対象で、経年劣化などは対象外です。
15年保証で15年目に塗装がはがれたとしても、「経年劣化」とみなされて保証の対象外になる可能性があります。
つまり、15年や20年という長期保証は、あまり現実的ではないということです。「長期保証」という言葉に惑わされないようにしましょう。
外壁塗装は下記のように外壁部分と木部、鉄部によって保証期間が異なる場合があります。
保証の対象部分 | 保証期間 |
---|---|
外壁部分 | 10年間 |
木部 | 5年間 |
鉄部 | 5年間 |
外壁部分の塗装ははがれ落ちる可能性は低いのですが、木部や鉄部ははがれやすい傾向にあります。そのため、保証期間を短く設定しているのです。
塗装業者によっては、木部や鉄部の保証期間は2年間というケースもあります。事前によく確認しておきましょう。
どんな場合に保証されるのか、保証内容と免責(保証されない)ケースをしっかり確認することが大切です。
一般的に外壁塗装で保証されるのは、次のようなケースです。
つまり、塗装業者のミスや施工不良、塗料に問題があった場合に限り、保証するということです。
塗装後、紫外線などの影響で変色することがあります。しかし、それぞれの住宅の立地条件などによって変色の度合いが異なります。そのため、保証の対象から外されているケースが多いようです。
一方、次のようなケースは保証の対象外になっています。
施主側(家の持ち主とその家族)が故意(わざと)に外壁を傷つけるというケースは少ないでしょうが、自転車などを移動させようとして外壁を傷つけてしまったなどの過失は起こり得ます。しかし、その場合の補修は保証の対象外です。
地震や台風、洪水などの自然災害によって外壁が傷んだ場合も保証の対象外です。この場合は火災保険が利用できるケースがあるので、確認してみましょう。
また、住宅そのものに原因があって外壁にひびが入ったという場合などは保証されません。さらに施工段階では予測できなかった技術的な問題による異常が発生しても、それは保証されません。
外壁にカビや苔(コケ)が発生することがあります。これは湿気が多いことが原因で、塗装業者の施工不良ではありません。
変色と同じで、住宅の立地条件(環境)によって発生するものです。そのため、保証の対象外になっています。
このように外壁塗装の多くは、一定期間の保証があります。しかし、塗装業者が倒産してしまったら、保証されないのでしょうか。
たとえ10年や15年という長期保証をつけていても、自社保証の場合はその業者が倒産してしまえば保証は終わってしまいます。
何か問題があっても、訴える先がないので補修などの対応はしてもらえません。
営業の段階で「当社は15年保証を設けていますので、将来も安心ですよ!」と長期保証をアピールする業者がいます。
しかし、上でもご説明した通り、あまりに長い期間の保証は外壁塗装に関してはほとんど無意味です。悪徳業者の場合はそのように長期保証をアピールして契約を取り付け、いい加減な工事をしてすぐに倒産してしまうというケースも見られます。
これを「計画倒産」と呼び、最初から保証する気持ちがないということです。そのような業者の口車に乗らないように気をつけましょう。
外壁塗装の保証には、塗装業者が自社で提供している「自社保証(独自保証)」と業界団体が行っている保証があります。
信頼できる塗装業者であったとしても、さまざまな要因で経営が苦しくなるケースがあります。そんな場合に備えて、業界団体の保証に加入しているかどうかを確認しましょう。
業界団体が実施している保証制度には、次のようなものがあります。
団体 | 保証の名称 | 内容 |
---|---|---|
建築産業専門団体連合会 | 長期性能保証制度 | 外壁塗装業者やリフォーム業者などが加盟する団体で、施工不良が原因で問題が発生した場合に再施工の費用を保証(最大10年間) |
日本塗装工業会 | ペインテナンス | 全国の塗装業者が加盟できる団体で、「品質保証書」を発行。塗料の種類によって保証期間が細かく設定されている |
工業協同組合 | 各都道府県の工業協同組合に加盟していれば保証が受けられる | |
全国マスチック事業協同組合連合会 | 長期性能保証書 | 同団体に加盟している業者がマスチック塗材ローラ工法で塗装した場合に保証される |
これらの団体が行う保証は業者が倒産していても受けられます。また、これらの団体は保証をつける際に施工内容の確認などを行っています。そういう意味でも安心できると言えるでしょう。
なお、塗料メーカーも「保証付き塗料」として売り出して、保証を行っている場合があります。
ただし、その場合は塗料の単価が高く設定されていること、塗装のはがれなどの原因が塗料によるものなのか施工業者によるものなのか…といった原因の特定が難しいことなどなら、あまり現実的な保証ではありません。
「あれば安心」というお守り程度に考えておくといいでしょう。また、単価が高いため、あえてメーカー保証にこだわる必要はないと言えます。
外壁塗装には保証がついているケースが多いのですが、契約時には「保証期間」「保証対象」「免責(保証されないケース)」をよく確認しておきましょう。
もし塗装業者が倒産したときに備えて、業界団体の保証がついていると安心です。
ただし、保証は塗装業者の施工不良などが原因で問題が発生した場合に限られます。自然災害や施主側の過失などは対象外です。この点もよく理解しておくことが大切です。