外壁塗装のお悩みを解決
外壁塗装はやらなきゃいけないと思いつつも、塗料のニオイが気になるという方が多いのではないでしょうか。
塗料のニオイは人体に影響がないのかどうか、また塗装作業中のニオイ対策などについてご説明します。
外壁塗装に使用される塗料には「水性」と「油性(溶剤)」があります。
分類 | 特徴 | ニオイ | |
水性 | 1液型 | ・価格が安い ・手間がかからない |
少ない |
油性 | 溶剤 (1液型と2液型がある) |
・密着性が高い ・耐久性に優れている |
強い |
油性 | 弱溶剤 (1液型と2液型がある) |
・環境にやさしい | 少ない |
1液型はそのまま使用できますが、2液型は主剤と硬化剤を混ぜて使用します。混ぜなくてもいい分、1液型の方が手間が省けます。
外壁塗料には、配合される合成樹脂の種類によってアクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系などの種類に分けられます。
さらにそれぞれの塗料で水性と油性があります。水性塗料は主成分が水であるのに対して、油性は「有機溶剤」が主成分になっています。
有機溶剤は「シンナー」のことで、他のものを溶かす性質があります。この有機溶剤が独特のニオイを発生します。
有機溶剤は多くのものに含まれています。例えば日常生活の中では、合成洗剤や接着剤、マニキュアの除光液などにも入っています。
外壁塗料には、次のような有機溶剤が含まれています。
これらの成分が「塗料のニオイ」の原因になっています。
では、これらの有機溶剤が含まれている外壁塗装のニオイは、人体には悪い影響はないのでしょうか?
厚生労働省は有機溶剤の業務に常時従事する労働者に対しては、次のような対策を取るように定めています。
特殊健康診断 | 自覚症状、他覚症状、尿中の有機溶剤の代謝物の量などを検査すること |
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作業環境測定 | 屋内で有機溶剤業務を行う場合は、作業環境測定を実施すること |
蒸気の発散源対策 | 屋内で有機溶剤業務を行う場合は局所排気装置を設置すること |
作業主任者の選任 | 有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のうちから有機溶剤作業主任者を選任し、労働者を指揮したり、局所排気装置などの点検、保護具の使用状況などを確認すること |
なお、外壁塗装は屋外での作業が中心なので、ここまで細かいことは規定されていませんが、それでも従事する人の健康には配慮するようになっています。
すべての人が……というわけではありませんが、人によっては塗料のニオイで次のような症状が現れる場合があります。
なお、シンナーにはもっとさまざまな中毒症状がありますが、外壁塗装作業中に感じる症状としてはそれほど重篤なケースは少ないと思われます。
ただし、身体が小さい幼児や赤ちゃん、ペットなどは、大人以上に過敏に反応することがあります。
特に犬や猫は嗅覚が優れているので、人間以上にニオイに反応します。塗装作業中は窓を閉めるとか、外に出さないなどの配慮をしてあげましょう。
外壁塗装でニオイが気になる場合は、次のような対策が有効です。
とりあえずできる対策としては、作業中は家中の窓を閉めることです。これでニオイを室内に入らないようにします。
さらに換気扇を回すといいでしょう。ただし、空気清浄器はニオイの除去効果は少ないと言われています。むやみに使っても電気代がもったいないので使用は控えるようにしてください。
一般の花粉対策や感染症防止のためのマスクよりもっと本格的な有機ガス専用のマスクがあります。早い話が「防毒マスク」ですね。
見た目は大げさですが、どうしてもニオイが気になるという方は使用されるといいでしょう。そこまでしなくても人体に大きな影響はないのですが、人によっては過敏に反応して吐き気を感じるなどの症状が出ることがあります。その場合はこのようなグッズで対策するのもひとつの方法です。
外壁塗装の作業は10日~2週間ほどかかりますが、その内最初と最後は足場の設置(解体)作業が行われます。さらに下地処理や乾燥などの工程があるため、塗料のニオイが発生する日数はそれほど長くはありません。
それでも赤ちゃんがいるご家庭や妊娠中でつわりでニオイに敏感という場合は、何かと心配になられることでしょう。その場合は一時的に実家で暮らすとか、ホテルやウィークリーマンションなどを利用するといいでしょう。
そこまでするのが難しいという場合は、朝から夕方まで出かけて夜に帰宅するという方法もあります。ペットは数日間、ペットホテルに預けるといいでしょう。
以前は油性塗料の方が密着性や耐久性が高いと言われていましたが、最近は水性塗料でも性能がアップしています。
そのため、外壁塗装では水性塗料が使用されるケースが増えているようです。また、油性でもニオイが少ない弱溶剤の塗料を使うケースも多くあります。
これから外壁塗装を検討される場合は、塗装業者にニオイのことも相談してみましょう。
施主側は「自分の家の外壁工事だから」と納得できますが、ご近所にニオイで迷惑がかからないか心配ですね。
外壁塗装が決まったら、業者が近隣のお宅に挨拶に行ってくれます。しかし、業者任せにせずに、施主側としても必ず一声かけるようにしましょう。
特に両となりのお宅やお向かい、裏の家などは何かと迷惑をかけます。ちょっとした粗品を持って「〇月〇日~△日まで塗装工事をします。車の出入りやニオイなどは注意してもらいますが、ご迷惑をかけることがあるかも知れません。よろしくお願いします」と挨拶をしておきましょう。
外壁塗装で発生するニオイは防ぎようがありませんが、ご近所にもなるべく窓を閉めてもらうなどの対策を取ってもらいましょう。
外壁塗装でニオイが発生するのは、塗料に含まれる有機溶剤が原因です。ただ、水性塗料には有機溶剤は含まれていないので、ニオイはそれほど強くありません。一方、油性(溶剤)塗料はニオイが強いのですが、密着性や耐久性に優れているというメリットがあります。
しかし、近年はニオイが少なくて性能がいい水性塗料や弱溶剤の塗料が出ています。気になる場合は業者に相談してみましょう。
いずれにしても外壁塗装でニオイが発生するのは塗装工程の中でも数日間のことです。その間は窓を閉め切るとか防毒マスクを装着するなどの対策で乗り切りましょう。
妊娠中の人や赤ちゃん、幼児がいる家庭では、実家やホテル住まいなどで一時的に住む場所を変えるのもひとつの方法です。
また、外壁塗装のニオイはご近所にも迷惑をかけることになります。業者だけでなく施主側もきちんと挨拶にうかがっておきましょう。