防犯カメラのお悩みを解決
防犯カメラは不審者の様子をとらえる目的が中心です。そのため、設置場所は屋外が多いのですが、屋外は雨や風の影響を受けやすいという問題があります。
このページでは、防犯カメラを屋外に設置する際の注意点をまとめました。
防犯カメラは玄関やガレージに設置するもの……と考えている人が多いかも知れません。しかし、目的や用途に合わせてさまざまな場所に設置されています。
まずは屋外の設置例を見てみましょう。
防犯カメラの屋外への設置は、目的別に次のようなケースがあります。
最近は一般家庭でも防犯カメラを設置する方が増えています。主な目的は次の通りです。
目的 | 設置場所 |
---|---|
下着泥棒対策 | ベランダや庭 |
不審火(放火未遂)対策 | 玄関、裏口、家の周囲 |
ガレージ内の車へのイタズラ | ガレージ |
角地などで家の塀に車が接触 | 塀やガレージ |
家屋内への浸入、盗難対策 | 玄関、窓、裏口、ベランダなど |
ストーカー対策 | 玄関、ベランダ、家の前の道路など |
畑の農作物の被害 | 畑の木や柱、畑の柵など |
倉庫や小屋の侵入、盗難対策 | 倉庫の出入り口、窓、裏口など |
法人(店舗、事務所、倉庫など)や自治体が防犯カメラを屋外に設置する場合は、次のような例があります。
目的 | 設置場所 |
---|---|
万引き防止対策 | 店舗の出入り口 |
駐車場内の事故対策 | 駐車場(店舗の軒下などから駐車場に向けて設置) |
事務所荒らし・盗難対策 | 出入口、裏口、窓など |
マンション | 玄関、エントランスホール、駐輪場、ゴミ出し場所など |
酪農(牛舎の監視など) | 玄関、飼育場など |
災害対策 | 海岸、河川など危険個所に設置 |
寺社のお賽銭泥棒や文化財保護 | 賽銭箱が撮影できる場所、文化財の設置場所など |
このように個人以外のケースでは犯罪対策だけでなく、災害対策として定点カメラ撮影を行うケースもあります。
防犯カメラの設置場所を屋外にする場合は、次の点で注意が必要です。
屋外は雨や風、雪などの気候の影響を受けます。ガレージの屋根の下や家の軒下でも、横なぐりの雨が降れば雨水がかかってしまいます。
屋外に設置する場合は、カメラの防水性能や防塵性能を確認しましょう。
防犯カメラの防水性能は「IP66」などと記載されています。IPとはIngress Protectionの略でIP●■と表示されます。
IP●は第1記号で人体及び固形物に対する保護の度合いを、IP■は第2記号で防水に関する度合いを示しています。各等級の内容は下記の通りです。
等級 | 第1記号 (人体および固形物に対する保護内容) |
第2記号 (水の侵入に対する保護内容) |
---|---|---|
0 | 特に保護されていない | 特に保護されていない |
1 | 手などが誤って内部の可動部に接触する恐れがない。直径50mmを超える固形物が内部に侵入しない | 垂直に落下する水滴を10分間受けても有害な影響を受けない |
2 | 指先や長さが12mmを超えない物体が内部の可動部に接触する恐れがない。直径12.5mmを超える固形物が内部に侵入しない | 垂直より左右に15℃以内の降雨を10分間受けても有害な影響を受けない |
3 | 直径・厚さが2.5mmを超えるワイヤなどの先端が内部に侵入しない | 垂直より左右に60℃以内の降雨を10分間受けても有害な影響を受けない |
4 | 直径・厚さが1.0mmを超える固形物の先端が内部に侵入しない | 全方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない |
5 | 粉じんが内部に侵入することを防止する。多少の侵入があっても正常な作動を妨げない | 全方向から水を直接かけられても有害な影響を受けない |
6 | 粉じんの侵入を完全に防止する | 全方向から強く水を直接かけられても有害な影響を受けない |
屋外に設置する防犯カメラは防水や防塵を考慮して、IP66のものが最適です。
屋外に防犯カメラを設置する場合はカメラ本体の防水機能だけでなく、配線部分の防水対策も忘れないように実施しましょう。
特に自分で取り付ける場合は、配線コードに防水カバーなどで養生します。防犯カメラ専門業者や電気設備会社などに設置を依頼する場合はきちんと対策をしてくれるので安心できます。
屋外に防犯カメラを設置する場合は、日光の影響を受けます。日差しの向きによって撮影した画像が逆光で鮮明に見えないということがあるので注意しましょう。設置時に角度やピントを調整して、しっかり撮影できるか確認する必要があります。
また、夜間は灯りが届かない場所や暗闇になる場所を撮影する場合は、赤外線LEDカメラで暗視が可能なタイプを選ぶようにしましょう。
屋外に設置する場合は庭やベランダ、ガレージなどさまざまなものがあり、それらが死角を作ってしまうことがあります。
特に一戸建ての場合は防犯カメラ1台だけでは不十分なケースが多いものです。目的にもよりますが、撮影したい箇所の周囲に死角になるものはないか、複数台設置するならどこがいいかをよく調べることが大切です。
設置場所によっては隣家のベランダや窓にカメラが向いてしまうことがあります。また、家の前の道路を歩く人が映り込んでしまうことも考えられます。
設置する側としては不審者の姿をしっかりとらえたいという気持ちがあるのですが、周辺の住人にとってはまるで自分たちを監視されているような気分になってしまいます。
自治体によっては「防犯カメラの設置・運用管理に関するガイドライン」を設けているところがあります。ガイドラインの対象は不特定多数の人が利用する施設や場所(道路、公園、店舗や商業施設、金融機関、映画館・劇場、スポーツ・レジャー施設、ホテル・旅館など)となっていて、個人の住宅は対象外ですが、道路や隣家が映ってしまう場合はプライバシーの侵害にならないように注意しましょう。
個人宅の防犯カメラをめぐってご近所トラブルが発生するケースもあります。ひどい場合は裁判にまで持ち込まれ、双方に大きなストレスが生じます。ベランダや塀などに防犯カメラを設置する際には、ご近所の方への配慮を忘れないようにしましょう。
防犯カメラは犯罪防止や犯人捜しなどの目的以外にも、自然災害のための定点観測や農地の動物による被害防止、神社仏閣の賽銭泥棒防止など幅広い用途で利用できます。
屋外に設置する際には、防水・防塵対策をすること、逆光や死角で撮影ができないことのないように角度や設置場所を確認することが大切です。
また、住宅密集地や道路に面した場所に防犯カメラを設置する場合は、近隣の住民のプライバシーを侵害しないように細心の注意を払うことが大切です。