ネズミ駆除のお悩みを解決
飲食店はおいしいことも重要ですが、何よりもまず衛生的であることが第一です。ハエが1匹飛んでいただけでも、おいしい食事の味が損なわれるように感じてしまいます。
ましてやネズミが出現したとなると、店の評判は一気に下がってしまうでしょう。
今回は飲食店にネズミが現れたときに受ける被害とすぐにできる対策、そして根本的な駆除についてご説明します。
飲食店にネズミが出たら、その被害は次のようにさまざまな面に及びます。
では、これらを詳しく見ていきましょう。
食中毒は、カンピロバクターやO-157、ボツリヌス菌などの細菌、ノロウイルスなどのウイルス、アニサキスなどの寄生虫が原因で発生します。
これらの中でもネズミはサルモネラ菌やレプトスピラ菌などを媒介します。ネズミの糞にもこれらの細菌が含まれているので、ネズミの本体が見えないからと安心はできません。糞に対しても注意が必要です。
また、ネズミの駆除や糞の始末を従業員が素手で行うと、その人が菌に感染し広がっていきます。必ず手袋を着用し、すぐに消毒するなどの対策を取っておきましょう。
飲食店で食中毒が発生すると、保健所の検査を受けます。検査の結果、食中毒が発生した店舗と断定されると一定期間の営業停止処分を受けます。それだけでなく、ニュースなどでも報道されるので、風評被害につながります。
また、店側は店内や調理器具などの消毒を徹底して行わなければなりません。多くの被害を受けることが予想できます。
ネズミはチーズを食べるもの……と思っていたら大間違いです。次のようにネズミの種類によって好物は違いますが、基本的に雑食で何でも食べます。
ネズミの種類 | 好物 |
---|---|
クマネズミ | 穀物や種子、昆虫など |
ドブネズミ | 魚介類や肉類など |
ハツカネズミ | 穀物や種子、小さな昆虫など |
飲食店には米や小麦粉、野菜、果物など多くの食材があります。また、ゴキブリなどの虫もネズミのエサになります。
ネズミは固いものでもかじる習性があります。そのため、食材を入れている米袋や米びつ、プラスチックのケースなどをかじってしまいます。
そこから食材がこぼれてネズミに食べられますし、ひどい場合は袋や容器の中にネズミが入っていることがあります。
食材が使えなくなるという損失の他に、上でも書いた感染症や食中毒を招くリスクもあります。
ネズミが停電や火災を引き起こすと言っても、すぐには信じられないかも知れません。
しかし、ネズミはどんなものでもかじってしまいます。配線の電気コードもかじるので、それによって断線やショートしてしまい、停電や火災を招くことになるのです。
このようにネズミがモノをかじるのは、空腹だからではありません。ネズミは「げっ歯類」という前歯が大きい生き物の仲間です。この前歯は放っておくと、どんどん伸びてしまいます。
そこで、常に何か固いものをかじって前歯を削らないといけないのです。ネズミは電気コード以外にも、柱や壁、家具、イスなどもかじるので要注意です。
「ネズミがいる=不衛生」というイメージがあります。そのため、万が一にも来店客が店内でネズミを見かけると、「あの店にはネズミがいる!」という悪評が広がってしまいます。
いくら駆除をしても、一度付けられた評価はなかなか改善できません。ゴキブリやハエだけでも飲食店のイメージダウンは相当なものですが、ネズミがいるとなるとダメージはかなり大きくなります。
ネズミがいたら駆除するのは当然ですが、ネズミが発生しないようにすることが大切です。
ネズミがいたら駆除しなければなりませんが、何よりもネズミの発生を防ぐことが第一です。
今やネズミは都会の中でも平気で生きています。飲食店が入っているビルや下水などにも生息しているので完全に防ぐことは難しいのですが、少しでも寄せ付けないように対策を取っておきましょう。
方法としては、次の4つがあります。
飲食店は常に忙しくしているため、営業中は食材があちこちに置かれています。もちろん肉や魚などの生ものは冷蔵庫に入っていますが、野菜や乾物など多くのものは出しっぱなしです。
これらは営業が終了したら、必ず冷蔵庫などにしまうようにしましょう。袋に入れて調理台の上に置いておくと、ネズミが穴を開けて食べてしまいます。
また、食材の出しっぱなしはゴキブリの発生にもつながるので、必ず片付けるようにしてください。
飲食店では、毎日大量の生ゴミが出ます。営業中は忙しいのでゴミ箱を開けたままにしていることが多いと思いますが、営業が終了したらゴミ袋の口をしばってフタ付き容器(ゴミ箱)に入れるようにしましょう。
これもゴキブリやハエの発生を防ぐためにも重要なことです。また、ゴミ出し場所の管理にも気をつけてください。
ネズミはワサビやハッカ、樟脳(しょうのう)などのニオイが苦手です。これらのニオイを発生させてネズミを追い出す「忌避剤(きひざい)」が販売されています。
完全な駆除にはなりませんが、店内に寄せ付けない一定の効果があると言えるでしょう。
なお、超音波でネズミを追い払う方法もありますが、若い人の中にはこの超音波の音が聞こえて「不快な音がする」と感じることがあります。
多くの人が利用する飲食店では避ける方がいいでしょう。
ネズミはわずかなすき間からでも侵入します。
例えば換気扇のすき間やエアコンの室外機のファン、扉のすき間などから入ってきます。また、業者が持ち込む食材などの荷物の箱にくっついて店内に侵入することがあります。
完全に防ぐことは難しいのですが、壁に大きな穴がある場合などはしっかりとふさぐようにしましょう。
どれだけ侵入しないように頑張っていても、おいしい食材が豊富な飲食店はネズミには魅力的な場所だと言えます。
もしネズミが発生したら、どんな方法で駆除をすればいいのでしょうか。
ネズミの駆除は自分でもできますが、飲食店の場合はさまざまなリスクがあるので、あまりおすすめはできません。
ネズミ駆除を自分でする場合は、次のような方法があります。
ただし、飲食店で行うにはリスクがあります。
上でもご紹介したように、ネズミが嫌がるニオイを発して駆除する方法があります。
しかし、これは駆除というよりは「追い出す」だけなので、根本的な解決にはなりません。ネズミはそのニオイが届かない場所に移動しますが、しばらくするとまた戻ってくる可能性があります。
しかも、周囲に飲食店やビルがある場合は、逃げ出したのとは別のネズミがやってくることもあります。
ネズミのエサをカゴの中に置いて、ネズミをおびき寄せて捕まえる方法です。原始的なバネ式の装置もあれば、強力な粘着シートを敷いてネズミを捕る方法もあります。
この方法はネズミが通る場所に置いておけば捕まえることができますが、1度に1匹だけしか捕れません。また、ネズミは頭がいいので、仲間が捕まると警戒してワナに近づかなくなる可能性があります。
さらにこの仕掛けを従業員が目にする可能性が高いということも考えておきましょう。最近の風評被害は来店客だけでなく、アルバイトの店員から広がることもあります。
「うちのバイト先でネズミが捕まった」とワナにかかったネズミの写真をSNSにアップされたら、アッという間に広がってしまいます。そういったリスクを避けるためにも、あまりおすすめはできません。
殺鼠剤(さっそざい)というネズミに効果のある成分を配合した毒のエサを置いておく方法です。
これも一定の効果はありますが、即死するほど強力なものではありません。そのため、毒と知らずにエサを何度か食べたネズミが次第に弱って死亡するというものです。
その方法のやっかいなところは、ネズミがどこで死んでいるのかわからないという点です。「死骸が見つからないが、どこかで腐敗臭がする」ということが起こります。さらに死骸に虫がわくと二次被害が発生するでしょう。
万が一、死骸が店内や店の前などにあれば、これも風評被害につながります。避けておくのが無難だと言えます。
このように飲食店では、自力でネズミ駆除をするのは何かとリスクを伴います。
飲食店だからこそ、ネズミの発生は何としても避けたいものです。そこで、ネズミ専門の駆除業者に相談してみましょう。
専門業者はネズミの習性を熟知していますし、店の構造などに沿って適切な駆除をしてくれるので安心です。
いつまでも評判のいい店でいるためにも、検討されるといいでしょう。
飲食店は食材が豊富にある上に、ネズミの侵入口がたくさんあります。また、ビルの中で営業している店舗の場合は、ビル内に生息するネズミが店に出没する可能性もあります。
ネズミは感染症や食中毒の原因になる他、食材の被害、停電や火災を引き起こす原因にもなります。さらに風評被害も心配です。
飲食店のネズミ対策は自分でやっても完全に駆除することはできません。費用はかかりますが、専門業者に依頼するといいでしょう。