防犯カメラのお悩みを解決
このページで分かること
何かと物騒な昨今、賃貸アパートや賃貸マンションはセキュリティの充実度が資産価値に影響を与えると言われています。
賃貸物件ではどのような防犯対策を取ればいいのでしょうか。
集合住宅での犯罪は、一戸建て住宅と同様に侵入窃盗(泥棒)の被害が多く発生しています。
警察庁が発表している「住まいる防犯110番」(平成28年)によると、侵入窃盗の発生状況は次のようになっています。
(発生件数 76,477件)
発生場所 | 発生の割合 |
---|---|
一戸建て住宅 | 41.2% |
一般事務所 | 13.0% |
共同住宅(3階以下) | 11.9% |
生活環境営業 (ホテル、旅館、パチンコ店、深夜飲食店など) |
8.6% |
商店 | 6.9% |
共同住宅(4階以上) | 4.6% |
金融機関等 | 0.1% |
その他 | 13.6% |
共同住宅の3階以下と4階以上を合わせると16.5%となり、一般事務所よりも多い計算になります。一戸建て住宅ほどではありませんが、やはり共同住宅も泥棒に狙われやすいということがわかります。
データでは3階以下の低層階での発生割合は高層階の2倍以上になっていて、低層階の方が泥棒が侵入しやすいことがわかります。
しかし、高層階だから安心というわけではありません。4階以上でも侵入窃盗は多く発生しているため、防犯対策が必要です。
アパートやマンションといった共同住宅では、強制わいせつや痴漢、強姦といった性犯罪も多く発生しています。
警視庁のデータによると、東京都内での強姦と強制わいせつの場所別発生状況は次のようになっています。
<強姦>
発生場所 | 発生の割合 |
---|---|
中高層住宅 (4階建て以上) |
28.3% |
その他の住宅 (3階以下で一戸建て住宅を除く) |
16.7% |
ラブホテル | 13.8% |
一般ホテル・旅館 | 5.8% |
一戸建て住宅 | 3.6% |
都市公園 | 2.2% |
自動車内 | 2.2% |
駐車場・駐輪場 | 1.4% |
その他 | 26.1% |
<強制わいせつ>
発生場所 | 発生の割合 |
---|---|
道路上 | 32.7% |
中高層住宅 (4階建て以上) |
14.1% |
電車 | 16.0% |
その他の住宅 (3階以下で一戸建て住宅を除く) |
8.7% |
都市公園 | 3.2% |
一戸建て住宅 | 1.4% |
駐車場・駐輪場 | 1.6% |
商店 | 3.2% |
一般ホテル・旅館 | 1.1% |
飲食店 | 1.7% |
自動車内 | 1.2% |
その他 | 14.9% |
このように性犯罪は中高層住宅(4階以上)で多発しています。
侵入窃盗(泥棒)や性犯罪などの対策を実施している物件は、安心感があるため人気があります。警察庁でもセキュリティ対策を実施しているマンションを「防犯優良マンション」と認定し、評価をしています。
セキュリティ対策にはさまざまな方法がありますが、警察庁と日本防犯設備協会、全国防犯協会連合会は共同で「防犯優良マンション標準認定基準」を策定していて、次のような認定基準を設けています。
このように警察庁や全国防犯協会連合会などでは防犯優良マンションのモデルを細かく設定しています。防犯対策を考える際の目安にされるといいでしょう。
共用のメールコーナーや共用玄関などが上記の基準を満たしていない場合、建物の構造から変更するのは大がかりな工事が必要となり大変です。
まずは防犯カメラを設置して、犯罪に備えましょう。
賃貸物件はさまざまなタイプの人が入居します。それだけに防犯は万全な対策を取っておきたいものです。
特に次のような物件では、防犯カメラの設置が重要です。
女性のひとり暮らしや交替勤務で夜間や早朝の出入りをする人が入居する物件では、安全のために防犯カメラは欠かせません。
セキュリティが整っている賃貸物件は入居者本人だけでなく親御さんも安心されるので、空室解消のためにもおススメです。
最近は子どもを狙った犯行が増えています。出入口、エレベーターホールをはじめ、各フロアにも防犯カメラを設置するようにしましょう。
認知症の症状のひとつに徘徊があります。認知症の高齢者が家族に行先を告げずに、フラッと出かけて行方不明になるケースが多いため、防犯カメラが出かけた時間や方角を記録していると捜索の大きな手がかりになります。
泥棒の被害に遭った入居者は、その物件から退去することがあります。泥棒以外にもストーカーや性犯罪に遭った人も転居を考えるでしょう。
さらに自分は被害に遭っていなくても、同じマンション・アパートで泥棒が入ったと聞くと不安になって、もっとセキュリティを強化している物件に引越す可能性があります。
防犯カメラなどのセキュリティへの取り組みは、空室対策としても必要なことだと言えます。
防犯のためとは言っても、むやみにカメラを設置すると入居者からは「常に監視されているみたい」と敬遠されてしまいます。
賃貸物件に防犯カメラを設置する際の注意点を見てみましょう。
賃貸物件では、次のような場所に防犯カメラを設置すると安心です。
設置場所 | 目的 |
---|---|
共有玄関 | ・不審者の出入りを監視するため ・高齢者や子どもの外出を把握するため |
エレベーターホール | 不審者が玄関を通過して物件内に侵入していないかを監視するため |
エレベーター内 | ・エレベーター内での性犯罪や暴力などを監視するため ・エレベーター故障時に内部の様子を把握するため |
駐車場・駐輪場 | 車上荒らし、自動車・自転車泥棒、傷をつけたりパンクさせたりといったイタズラ防止対策 |
共有メールコーナー | チラシの不法投入の監視など |
ゴミ捨て場 | 入居者のゴミ出しルール違反の管理と外部からのゴミの不法投棄対策 |
建物の外周 | 不審者や放火などの対策 |
賃貸物件は多くの人が出入りします。犯罪は入居者の生命にもかかわることなので、防犯カメラは24時間撮影が可能なタイプを選びましょう。また、画像は200万画素程度の鮮明な画像が撮影できるものがおススメです。
賃貸物件に防犯カメラは必要不可欠ですが、だからと言って何でも撮影してもいいというわけではありません。入居者のプライバシーを侵害しないように注意しましょう。
ベランダや屋外から室内を撮影するなど、プライバシーの侵害はNGです。専有部分は映り込まないように配慮しましょう。
また、近隣の住宅も映らないように注意してください。
賃貸マンションは侵入窃盗(泥棒)や性犯罪が多い場所です。入居者の安全確保と空室のリスクを避けるためにも、防犯カメラの設置は欠かせません。
また、セキュリティ対策がしっかりできている賃貸物件は安心感があるため、人気があります。警察庁などが認定している防犯優良マンションの条件を参考に有効な場所に防犯カメラを設置しましょう。なお、設置時には入居者や近隣の住民のプライバシーを侵害しないよう配慮することが大切です。