防犯カメラのお悩みを解決
防犯カメラは不審者の動きや犯行の様子を記録することで、犯人検挙の際の証拠となります。ところが何日間もずっと録画し続けることは不可能です。
防犯カメラの録画時間の目安や録画時間の計算方法をご紹介します。
防犯カメラの録画時間は、撮影するカメラや録画する機器によって違ってきます。
大きく分けると、次の5つの要素で変わってくると言われています。
防犯カメラに限らずデジタルカメラなどでも同様ですが、画素数や解像度が大きくなると、保存する容量が大きくなります。同じ容量のHDDに保存する場合は、解像度が大きい場合ほど保存できるデータ量が少なくなり、録画時間は短くなります。
画素数が多くなると、その分ファイルサイズが大きくなります。
画素数 | ファイルサイズ |
---|---|
30万画素 | 640×480 |
100万画素 | 1280×720 |
200万画素 | 1920×1080 |
300万画素 | 2048×1536 |
このように画素数が多い防犯カメラで撮影した画像はデータ量が多いため、容量の大きなHDDが必要になります。
撮影した動画は下記のような方法で圧縮して保存されます。
圧縮方式 | 特徴 |
---|---|
Motion JPEG | JPEG画像を次々と表示して動画にする方法で、パラパラマンガのようなイメージです。画質が劣化しないというメリットがありますが、下記のMPEGと比較すると動画圧縮効率は劣ります。 |
MPEG-4 | フレーム間符号化という方法で圧縮するもの。インターネットでの利用に適しています。 |
H.264 | フレーム間符号化という方法を使用。画質を損なうことなく圧縮ができるのが特徴。地上デジタル放送やワンセグ放送にも採用されています。 |
H.265 | H.264の次の世代の方式で、H.264の2倍の圧縮率があります。今後、さらに普及すると言われています。 |
圧縮率は表の下にいくほど高くなります。つまり、録画可能時間が長くなるということになります。
動画は1つの動きに対して何枚も写真を撮影し、それを連続して映し出しています。1秒間に映す画像の数(コマ)が少ないと、カクカクとしたぎこちない動きに見えてしまいます。一方で1秒間のコマ数が多いと、なめらかな動きを映し出します。
1秒間に何コマあるかを示すのが「フレームレート」で、fps(frames per second)という単位で表示します。映画は24fps、地上デジタル放送は29.97fpsと言われています。
防犯協会では防犯カメラのフレームレートは4fps以上を推奨していますが、あまり大きくすると録画容量を圧迫してしまいます。5fps~10fps程度を目安にされるといいでしょう。
防犯カメラの録画時間の計算は、上記のように解像度、動画圧縮方式、フレームレートで計算できます。
さらに複数台の防犯カメラを設置する場合は、その台数分を掛け算します。何台もの防犯カメラを使ってさまざまな場所を撮影した場合は、1台の場合よりも録画容量を使うために録画可能時間は短くなってしまいます。
最後に録画時間は録画するレコーダーのHDD(ハードディスクドライブ)の容量も大きく関係します。ハードディスクの容量が大きければ録画時間は長時間可能ですが、容量が小さいとあまり多くは録画できません。
また、解像度や圧縮方式などによってもデータ量が異なるため、録画時間に影響を与えます。
録画時間はさまざまな要素が影響し合いますが、目安となる容量と録画時間の関係をご紹介します。
<220万画素の場合>
フレームレート | HDD2000GBの録画可能日数(目安) | HDD4000GBの録画可能日数(目安) |
---|---|---|
20 | 31日 | 62日 |
15 | 38日 | 76日 |
8 | 55日 | 110日 |
5 | 69日 | 138日 |
<130万画素の場合>
フレームレート | HDD2000GBの録画可能日数(目安) | HDD4000GBの録画可能日数(目安) |
---|---|---|
20 | 62日 | 124日 |
15 | 76日 | 152日 |
8 | 110日 | 220日 |
5 | 138日 | 276日 |
このように画素数を130万画素にして、保存するHDDの容量が4000GBの場合はフレームレートを5にすると276日間の撮影が可能ということになります。
ただし、これは防犯カメラが1台の場合です。また、録画可能時間は、レコーダーの性能や圧縮方式、その他の条件によっても違ってきます。
上記のように防犯カメラの録画時間はさまざまな要素によって左右されます。そのため、単純な計算式で算出できるものではありません。
購入した防犯カメラの説明書を参考にしてみましょう。
また、ネットでは防犯カメラの録画時間が計算ができるサイトがあるので、そこで計算するのもいい方法です。計算にはここまででご説明したように、画素数やフレームレート、動画圧縮方式、HDDの容量などを入力します。あらかじめ調べておきましょう。
防犯カメラで撮影した画像はその条件にもよりますが、録画するHDDの容量一杯までは保存が可能です。
しかし、それを超えるとどうなってしまうのでしょうか?
HDDがいっぱいになると、それ以上は録画ができません。どれだけ容量が大きいHDDでも、いつかは一杯になってしまいます。
そこで、防犯カメラの録画に使用するレコーダーではHDD内の保存データが一杯になると、自動的に古い画像から消去して新しい画像を上書きで録画するようになっています。
証拠として残したい画像があれば、早めに別のHDDやUSBメモリなどにバックアップを取っておきましょう。
最近の防犯カメラは24時間ずっと作動する常時録画ではなく、下記のように必要なときだけ録画するように設定できるものがあります。
モーション録画とは動きを検知したときだけ録画をする機能のことです。「動体検知録画」と呼ばれます。
普段は車の出入りがない自宅のガレージに不審者が侵入したときに録画を始めたり、自宅内で寝ている高齢者が動いたときだけ録画したり…といったときに使えます。
スケジュール録画とは、その名の通りあらかじめ録画するスケジュールを設定すると、そのときだけ録画する機能です。
このように期間や時間を設定して録画することができます。
自動的に消去や上書き録画されると、「これは後で見よう」と思っていた画像が消えてしまうことがあります。
そこで定期的に画像をチェックしましょう。レコーダーによっては再生したい日時を指定して画像データを呼び出す機能が付いているものがあります。
「毎週、土日に録画した画像だけを再生したい」「〇月〇日の画像を見たい」と再生したい日時を検索できるので、必要な画像だけを探し出して保存することができます。
ただし、これらの機能は機種によっては備わっていないことがあります。事前によく確認しましょう。
防犯カメラの録画可能時間は、「解像度(画素数)」「動画圧縮方式」「フレームレート」「防犯カメラの台数」「HDD(ハードディスクドライブ)の容量」によって変わります。
解像度が低いカメラやフレームレートが低い場合は、データが小さいのでたくさんの画像が録画できますが、画質が低下するため鮮明な画像が得られません。一方、高画質を求めると容量が大きくなってしまいます。その場合は大容量のHDDを準備する必要があります。
ただし、どれだけ容量が大きいHDDでも、長期間録画するとデータが一杯になってしまいます。すると古い動画から消去して、上書き録画を行います。
必要な画像データはこまめにバックアップを取るようにしましょう。
なお、防犯カメラは24時間常時録画することもできますが、レコーダーによっては動くものだけに反応して録画を行う「モーション録画」や日時を決めて録画する「スケジュール録画」などができます。必要に応じた機能が付いた機器を選ぶといいでしょう。