鍵交換のお悩みを解決
築年数が経過しても、家の鍵は新築時のまま……というケースはよく見られます。特に持ち家の場合は、空き巣に入られるなど問題がない限り、鍵交換をしたことがないという家が多いのではないでしょうか。
そこでこのページでは、鍵交換をしないとどうなるのか、持ち家と賃貸住宅のケースで考えてみました。
(なお、ここでの鍵交換とはキーと鍵穴のあるシリンダーすべてを取り換えることを差しています。)
まず持ち家の場合を見てみましょう。持ち家の場合はその家を人に貸すということがない限り、他人が入居するということはありません。
そのため、新築時の鍵をそのまま交換しなくても、特に問題がないように思えます。しかし、次のような場合は鍵交換を検討するといいでしょう。
このように、鍵を交換した方がいいケースというのは結構たくさんありますね。
家族の誰かが鍵を紛失したときは、心配なので鍵を交換するのが安心です。
紛失した鍵そのものに住所や氏名など自宅を特定できる情報を記載していない場合や、合鍵がある場合は、鍵交換は不要だという人が多いようですが、鍵を落とした瞬間を誰かに見られていると、その人が鍵を拾って自宅に侵入する可能性があります。
そういうことがなくても、心理的にずっと不安を抱えて生活するのは避けたいですよね。
そこで、費用はかかりますが、鍵を紛失したときは鍵をシリンダーごと交換しておきましょう。
近所で空き巣が発生したら、「次はわが家が狙われるかも!」と不安になります。特に同じ時期に家が建築された住宅地は、どこの家も古いタイプの鍵を使用している可能性があります。
泥棒としては「1軒の家で成功したら、次はこっちの家も狙おう」と考えるものです。しかも、その住宅地が生垣や植木、高い塀などで囲われた家が多いとなおさら泥棒にとっては活動しやすいエリアだと言えます。
被害に遭わない前に、鍵交換を進めましょう。
子どもが小学校に入学したり、母親が働き出したりすると、子どもが先に帰宅し自分で鍵を開ける時期が来ます。
その際には、次の点に注意しましょう。
特にやってはいけないのは、「鍵に連絡先を記入すること」と「合鍵を自宅の敷地内に隠しておく」ということです。
侵入窃盗犯の手口で多いのはピッキングではなく合鍵を使う方法です。郵便受けや植木鉢の下などに隠していても、泥棒が探せばすぐに見つかってしまいます。
もし子どもに鍵を持たせるなら、落としてもどこの家の鍵かわからないように連絡先は書かないことです。そして、合鍵は各自が持つようにしてください。最近はランドセルに付けるキーケースなどがあるので、利用するといいでしょう。
さらに防犯性能が高いICカードキーなどに交換すると、より安心です。
親に認知症の傾向が出て、徘徊するようになると、鍵の交換を考えた方がいいでしょう。
いつの間にか出かけて、鍵を失くしてしまうというのはよく見られるケースです。この場合も、鍵に連絡先は書かないようにしましょう。
また、徘徊防止として、室内側から簡単に開けられない鍵があるので、それを設置して外出を防ぐのもいい方法です。
なお、高齢者がいる家庭では、暗証番号式など扱いが難しいスマートキーは避けるようにしましょう。
離婚してパートナーが家を出るときには、よほど必要がない限り、鍵は返してもらいましょう。
また、合鍵をこっそり作っている可能性があります。本人の荷物などをすべて運び出した後は、鍵交換をする方がいいでしょう。話し合いの段階でその旨を伝えておくと、後日のトラブルを避けることができます。
もしストーカーに狙われている可能性がある場合は、すぐに警察に相談しましょう。さらに、防犯カメラを設置するなどの対策を取る必要があります。
鍵は簡単に開けられないタイプのディンプルキーやスマートキーに交換する方が安心です。また、生垣や庭木など道路からの視線をさえぎるものがある場合は撤去して見通しよくすることも防犯上で役立ちます。
大きな被害にならないように、早め早めの対策を心がけましょう。
今はまだ大きな被害に遭っていないという場合でも、油断は禁物です。古いタイプの鍵は、鍵の側面がギザギザになっていて、これを鍵穴に差し込んで開錠するしくみになっています。
ところが、このタイプの鍵はピッキング犯罪に遭いやすいという弱点があります。また、サムターン回しやカム送り解錠などの手口で鍵を開けられる可能性もあります。
最新式の鍵は防犯面での対策が進んでいるので、かなり安全です。被害に遭う前に鍵の交換をしておきましょう。
一般的に賃貸住宅では、入居者が退去したら管理人が鍵を交換するようになっています。しかし、費用がかかるために、中には鍵交換をしないまま次の入居者に部屋を貸すこともあると言われています。
賃貸住宅で入居者が変わった場合に鍵交換をしないと、次のようなリスクが発生する可能性があります。
問題は「合鍵を作っている場合」が多いようです。前の入居者本人が合鍵を返さずに持っている場合と、合鍵を受け取っていた友人や恋人などが訪問する場合が考えられます。
賃貸住宅の合鍵で実際に起こったケースをご紹介します。
入居者Aさんから合鍵を預かっていた恋人Bさんは、Aさんが転居したことを知らずにAさんの部屋に合鍵を使って勝手に入ってしまった…というケースです。
入室後にその部屋の居住者が戻ってきて問題になりました。
BさんはAさんが転居したことを知らされていなかったため、「自分を捨てて逃げたんだ」とショックを受けますし、新しい入居者にすれば帰宅したら不審者がいるということで驚いてしまいます。
実害はないにしても、このようなことが起こると大変ですね。
そのためにも、賃貸住宅の管理人は入居者が変わるたびに、鍵交換するようにしましょう。
賃貸住宅の鍵交換費用は、入居者の過失(鍵の紛失や鍵穴を壊したなど)がない限りは管理人が負担するのが一般的です。
賃貸住宅はさまざまな点で貸主(管理人)と借主(入居者)の間でトラブルが発生します。そこで、国土交通省では「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を設定し、方針を示しています。
これによると、鍵の交換に関しては次のようになっています。
鍵の破損・紛失がない場合 | 入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる |
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入居者が鍵の破損や紛失をした場合 | 賃借人が負担すべきと考えられる |
これはガイドラインであり、強制力や法的な効力はありませんが、方針としてはこのようになっています。
しかし、現実には入居時に管理人から入居者に対して鍵の交換費用を請求するケースがあります。
ただ、その場合は契約に関する書類などに「鍵交換費用」と明記され、入居者に対して「鍵は交換しましたから安心してください」という意味でそのようにしていると言われています。
一方、入居した賃貸住宅の鍵が防犯上不安だというケースもあります。その際には、補助錠を付けるなどの対策をするといいでしょう。
その場合の費用は入居者負担になりますが、管理人に許可を得る必要があります。賃貸住宅の防犯対策は管理人の役割でもあるので、話し合いによっては費用を負担してもらえる場合もあります。一度相談してみましょう。
自宅の鍵は、故障などの問題がない限り、なかなか交換する機会はありません。しかし、空き巣などの犯行では、さまざまな手口が用いられています。
また、子どもや高齢者がいる家庭では、鍵の取り扱いに不安を感じることもあるでしょう。その場合は、防犯性能に優れた鍵に交換するのがおすすめです。
賃貸住宅の場合は入居者が入れ替わるごとに鍵を交換するのが基本ですが、実際は徹底されていないことも多いようです。なお、賃貸住宅の鍵交換費用は貸主(管理人)が負担するのが基本で、国のガイドラインでもそのように示しています。しかし、鍵交換費用をめぐるトラブルが多いので、入居時によく話し合っておきましょう。