ネズミ駆除のお悩みを解決
このページで分かること
ネズミは家や店舗だけに現れるわけではありません。畑に出没して、せっかくできた農作物を食べてしまいます。
しかし、駆除する際に薬剤を使ってもいいのかどうか…など心配な点がたくさんあります。
そこで、このページでは畑に現れるネズミ駆除について詳しくご説明します。
ネズミは「ほ乳類ネズミ目」に属します。その種類は1300種から1800種と言われるほど、大変多くの種類があります。
どれもげっ歯類で、前歯が大きいのが特徴ですが、ネズミはそれぞれの種類によって生息する場所や体長、食べ物の好みが異なります。
当サイトで駆除の方法をご説明しているのは、主に住宅やビル、店舗などに現れる「家ネズミ」が対象です。
家ネズミには、次の3種類があります。
ネズミの種類 | 体長 | 特徴 |
---|---|---|
クマネズミ | 体長:15cm前後 体重:150g程度 |
・高いところや暖かいところが好き ・天井裏やビルなどに住みつく ・警戒心が強い ・種子や果実、昆虫などを食べる |
ドブネズミ | 体長:25cm前後 体重:250g程度 |
・湿気が多い場所を好み、ドブや下水、側溝、床下などに住みつく ・肉食で魚介類や小動物を食べる |
ハツカネズミ | 体長:10cm前後 体重:30g 程度 |
体長は約10cm前後、体重は30g 程度 ・狭い場所が好きで、壁の中や押入れ、倉庫の中などに住みつく ・乾燥に強い ・好奇心が強い ・種子や野菜、小さな昆虫などを食べる |
一方、畑に現れるネズミには、ハタネズミやアカネズミ、ヒメネズミ、カヤネズミ、スミスネズミなどがいます。
これらは家ネズミに対して野ネズミと呼ばれています。
野ネズミには、次のような特徴があります。
ネズミの種類 | 体長 | 特徴 |
---|---|---|
ハタネズミ | 体長:9.5cm~13cm程度 体重:22g~62g程度 |
・農耕地や河川敷などの草原を好む ・地中にトンネルを作って暮らすことがある ・草のほか、サツマイモやダイコンなどの根菜類も食べる |
アカネズミ | 体長:8cm~14cm前後 体重:20g~70g程度 |
・野山、森林、河川敷などに暮らす ・1日で数キロも移動することがある ・種子や昆虫、野菜の根や果物を食べる |
ヒメネズミ | 体長:7cm~10cm 体重:約10g~15g程度 |
・野山に多く、木登りが得意で木の上に巣を作ることもある |
カヤネズミ | 体長:5cm~8cm 体重:6g~14g程度 |
・畑や田、沼地、河川敷などで暮らす ・日本で一番小さいネズミと言われている ・イネ科の植物や種子、草の実、小さな昆虫などを食べる |
スミスネズミ | 体長:7cm~11cm 体重:20g~35g |
・食物の茎や葉を食べる ・四国や西日本で農林に多くの被害を与えている |
野ネズミは比較的小さく、草や木の革、野菜などを食べるのが特徴です。
畑に現れる野ネズミの暮らしぶりを見てみましょう。
野ネズミは種類によって住むところが異なります。畑や田、沼、河川敷、木の上などさまざまですが、土の中にもぐるネズミもいます。
ネズミの中でも野菜の根(ダイコンやニンジンなど)、サツマイモなどを好むネズミは、モグラが掘った穴にもぐって野菜を食べてしまいます。
皮肉なことにいい畑にしようと土を耕したところにミミズが発生し、そのミミズを食べるためにモグラが穴を掘ります。モグラは野菜を食べることはないのですが、その穴を野ネズミがちゃっかり利用して野菜を食べたり、傷めたりします。
「モグラに畑を荒らされた!」と思いますが、真犯人は野ネズミだったということがよく見られます。
野ネズミはさまざまな面で多くの被害を与えます。
家ネズミの被害は感染症や糞尿、電気コードをかじるといったものですが、野ネズミの場合は次のように農作物の被害が多く発生しています。
ハタネズミに寄生するツツガムシが原因で感染症が広がることもあります。
北海道では1950年~1960年にカラマツの植林が盛んに行われましたが、その若い木が年間で約3万haにわたって野ネズミにかじられて大きな被害を与えました。
その後も年間1,000ha~6,000haもの被害が出ているとのことです。最近ではカラマツ以外にも街路樹や果樹園などでも被害を受けているという報告があります。
畑や山林、河川敷といった広い範囲に生息する野ネズミは、どのように駆除すればいいのでしょうか。
家ネズミ対策としては、超音波やネズミ撃退スプレー、殺鼠剤などがありますが、広い屋外では超音波やスプレーは役に立ちません。また、食物を作る場所なので、殺鼠剤を使うのは抵抗があります。
しかし、畑だからこそできる駆除の方法があります。
畑の野菜を食べるネズミは、モグラが掘った穴を利用しています。そこで、まずモグラ対策を行うことが大切です。
方法としては、モグラの穴を見つけたら炭を地中に入れたり、穴に土を入れたりしてふさいでいきます。
「ミミズが多い=豊かな畑=モグラが多い」という図式なので、いい畑ほどモグラの穴がたくさんあります。しかも、栄養分が多い野菜の根の部分をネズミが食べてしまいます。
少しでも被害を抑えるためには、こまめにモグラの穴を埋めることが重要です。なお、モグラは肉食なのでミミズや昆虫の幼虫などを食べるだけで、野菜に被害を与えることはありません。野菜の食害をモグラのせいにしないようにしましょう。
こちらもモグラ対策ですが、それがそのままネズミ対策になります。
畑にモグラが穴を掘れないように地中に柵を埋める方法です。野菜を植えている畝の周囲に約20cmの深さまで柵を埋めることで、モグラが穴を掘っても野菜のところまで侵入できません。
それでもモグラは別の場所でミミズを捕ることができるので問題はありませんし、ネズミがモグラの穴にもぐったとしても野菜の根っこまで到達できないので被害を防げます。
同様に唐辛子成分を含むスティック状の忌避剤を土中に埋め込む方法があります。これはネズミもモグラも嫌うものなので、一定の効果が期待できます。
こういったモグラ駆除グッズは数千円で購入できるので、おすすめです。
ネズミの糞が多くある場所は、ネズミがよく通る場所であることがわかります。その周囲に粘着シートを置いてネズミを捕まえます。
雨が当たらない倉庫や野菜苗の保管場所、木の根元などが効果的です。
無事に収穫して出荷待ちという野菜(=商品)をネズミに食べられてはたまりません。そこで、出荷前の野菜の近くに忌避剤を置いておきましょう。
粘着シートも一緒に置くと、より効果的です。
身体が小さなネズミにとって、雑草が生い茂っている場所は格好の隠れ場所です。しかし、きれいに刈り取られた場所は、身体を隠すことができません。
野ネズミの天敵には次のものがありますが、雑草を刈り取ると天敵の目に付きやすくなりネズミ駆除の効果が期待できます。
野菜の出来が悪いと収穫せずに、そのまま放置することがあります。これがネズミのエサになります。
しかも、ネズミは繁殖力が高いので、エサと住む環境があればどんどん増えていきます。ネズミのエサを放置しないためにも、不作の野菜もきちんと収穫するようにしましょう。
また、昔は畑や田を焼く「野焼き」で、害虫やネズミを駆除していたそうです。今は火災の心配があるため、なかなかできませんが焼き立ての炭を置くことでネズミを追い出す方法もあります。
住宅に住みつく家ネズミと違って、野ネズミは畑や河川敷、森林、沼などに生息します。樹木や果樹園の苗木を食べたり、収穫間近かの野菜を食べたりして、大きな被害が出ています。また、野ネズミが媒介する感染症もあるため、駆除が必要です。
野ネズミはモグラが掘った穴を使って野菜を食べるため、駆除にはモグラ対策が有効です。また、天敵も多いため、雑草を刈り取って隠れ場所を作らないこともいい方法です。
ネズミが発生する場所に合わせた駆除をして、被害を抑えるようにしましょう。