ネズミ駆除のお悩みを解決
このページで分かること
建物や家具をかじり、恐ろしい感染症を媒介することもあるネズミ。家に住みついたら、何としても駆除したいものです。
しかし、むやみに駆除しても、解決できません。ネズミの生態や習性を理解して、正しい駆除を行いましょう。
ネズミの生態や習性は、ネズミの種類によって異なります。効果的な駆除方法は、それぞれのネズミに合わせることが大切です。
まずは、ネズミの種類を理解しておきましょう。
日本の家屋に出没するネズミは、次の3種類です。
これらの3種類は身体の大きさも行動や習性も異なります。
成長したクマネズミの体長は約15cm前後、体重は150gほどあります。
尾が長い、耳が大きいという特徴があり、体毛は黒や茶褐色をしています。高いところにも平気で登り、垂直移動をするので、天井裏でバタバタを走り回るネズミがいたら、クマネズミの可能性があります。
クマネズミは南方系なので、暖かい環境を好みます。
ドブネズミはこの3種類の中でもっとも大きいタイプで、体長は約25cm前後、体重は250g以上あります。もっと大きいものもいるので、アニメなどで見るかわいいネズミをイメージしていると驚くかも知れません。
また、尾が比較的短いこと、耳が小さいことなどもドブネズミの特徴です。高いところに登ることは少なく、溝や水路など水が多いところに生息しています。
ハツカネズミはこの3種類の中ではもっとも小さく、体長は約10cm程度、体重は30gほどです。体毛は背中側が茶色、腹側が白や灰色をしています。
乾燥にも強く、米などの食べ物があれば水分がなくても生きていけるのが特徴です。
ネズミを駆除するには、エサに薬剤を混ぜて食べさせる方法やネズミの好物を置いて誘引してネズミ捕りの仕掛けで捕獲する方法などがあります。そこで、上記3種類のネズミの食の生態を知っておきましょう。
ネズミは何でも食べる「雑食性」ですが、下記のように種類によって好みが異なります。
ネズミの種類 | 好きな食べ物 |
---|---|
クマネズミ | 穀物や果実、植物の葉、昆虫など 南方系なので沖縄などではサトウキビを食べられたという被害が発生している |
ドブネズミ | 魚介類・肉類などを好むが、基本的に雑食なので残飯や生ゴミ、ドブに流れる食べ物なども食べる | ハツカネズミ | ヒマワリの種などの種子類、雑穀、草、花、小さな昆虫など |
カゴトラップやはじきワナ(圧殺式トラップ)のようないわゆる「ネズミ捕り」を仕掛ける場合、ネズミが好みそうなエサで誘引します。
住みついているネズミはどのタイプなのかを見極めてから仕掛けるようにしましょう。
ネズミの好物をご紹介しましたが、ネズミは「食べ物」以外のものもかじってしまいます。壁や板などの木材、プラスチックケース、電線などのコード類などもかじり、それで巣を作ることがあります。
これは伸び続ける前歯を削る必要があるからなのですが、テーブルの脚がかじられていたり、電気コードの一部がはがれていたりしたら、ネズミのしわざかも知れません。
次に行動パターンを見てみましょう。これもネズミの種類によって異なります。
ネズミは次のような環境を好み、そこに巣を作って繁殖していきます。
ネズミの種類 | 好きな環境 |
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クマネズミ | 高いところも平気なので天井裏や屋根裏、押入れの奥などにいる。暖かい環境が好きなので布団、座布団のある場所で巣を作ることがある。断熱材をかじって巣を作ることもある。 |
ドブネズミ | 湿気を好み、溝やドブなど水があるところに生息する。地下鉄のホームや、家の中では食器棚の後ろなどにいる |
ハツカネズミ | 垂直移動をしないため、天井裏などに行くことは少なく、倉庫や物置などに多い。ダンボールや新聞紙を材料にして巣を作る |
このような特徴を知ることで、住みついているのがどの種類のネズミなのかを判断することもできます。
ネズミの被害に遭っている人に聞くと、「夜中に天井の方からドタバタと何かが走る音がする」「夜になるとキーキーと生き物の声がする」と言われます。
その通り、ネズミは夜に活動する「夜行性」です。
ネズミは夜行性なので、活発に活動するのは暗くなり始めた日暮れ時(日没ごろ)と夜明け前という特徴があります。
寝る前にテーブルやキッチンに食べ物を出しっぱなしにしておくと、夜中に食べられる可能性があります。
人の生活圏に入り込んで生息するのはネズミだけではありません。昼間に活動する害獣がいたら、それはネズミではなくアライグマなど別の動物の可能性があります。(アライグマも夜行性ですが、昼間も活動することがあります。)
アニメなどでもよく見かけるように、ネズミは狭い場所を好みます。部屋を堂々と横切ることは少なく、壁際やタンスの裏などを通って移動する習性があります。
駆除する装置などを仕掛ける場合は、ネズミの通り道に置くと効果的です。
「ネズミ算」をご存知でしょうか。正月にネズミの夫婦が12匹の子どもを生み、2月にはその夫婦と、さらに子ネズミも出産、3月には夫婦と子ネズミ、孫ネズミも出産する……を繰り返すことで1年で膨大な数になるということを表したものです。
そこから、数が増えることを「ネズミ算式に増える」などと呼ばれますが、それほどにネズミは繁殖力が強く、出産後1ヶ月でまた次の子どもを生むという特徴があります。しかも1度に数匹を生むため、まさにネズミ算式に増えていきます。
ネズミが繁殖してしまうと駆除するのは大変です。そうなる前に駆除しておきましょう。
年間を通して出産を繰り返すネズミですが、特に繁殖しやすい季節はクマネズミは夏、ドブネズミとハツカネズミは春と秋に出産のピークを迎えます。
逆に寒い季節は繁殖力が低下するので、この時期に駆除を行うようにしましょう。
ハツカネズミの語源は、妊娠期間が二十日(はつか)間と短いことに由来するそうです。それほど短期間で繁殖するため、早めの対策が求められます。
なお、クマネズミやドブネズミも妊娠期間は21日~25日程度なので、ハツカネズミと大きく違いません。やはり繁殖力が高いので、早めに駆除することが大切です。
人間の生活圏で生きるネズミには、クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種類があります。
それぞれに体長や好みの環境、好きな食べ物などが異なるため、駆除する際にはどのネズミが住みついているのかを知り、それに合わせた対策を取ることが大切です。
また、ネズミは繁殖力が高く、すぐに増えていきます。特に春や秋は増えやすい時期なので、それまでに駆除を行っておきましょう。