ネズミ駆除のお悩みを解決
このページで分かること
ネズミと言えば屋根裏をドタバタ走り回るイメージがあります。これはマンガの中だけではなく、一戸建てや共同住宅(マンション・アパート)のどちらにも起こる問題で、実際に住む人にとっては不眠や悪臭などに悩まされます。
今回は屋根裏に住みついたネズミの駆除について、ご説明します。
日本の家屋に住みつくネズミは、次の3種類です。
これら3種類のネズミは、それぞれに好む環境が異なります。
ネズミは種類によって、下記のように生態も好む環境も異なります。
ネズミの種類 | 特徴や生態 | 好む環境 |
---|---|---|
クマネズミ | ・体長(※)17~26cm ・垂直移動ができる ・高いところが好き ・暖かいところが好き ・綱渡りもできる ・何でも食べる |
天井裏や屋根裏 |
ドブネズミ | ・体が大きい(体長22~28cm) ・どう猛 ・肉や魚を食べる ・水辺や湿気が多いところが好き |
・側溝 ・川 ・下水溝など |
ハツカネズミ | ・体長6~9cmで3種類の中でもっとも小さい ・すばしっこく動く ・何でも食べるが特に穀物が好き ・繁殖力が強い ・垂直移動は少ない |
・都市部よりも農地が多い地方を好む ・農地や田畑にも見られる |
(※体長:ネズミの体長は尾を除いた部分(鼻の先から尻尾(しっぽ)の付け根までの長さを示しています。)
上の表からもわかる通り、ドブネズミは湿気がある場所を好みます。また、ハツカネズミは垂直移動はあまりしないので、天井裏や屋根裏に住みつくのは「クマネズミ」ということになります。
屋根裏はクマネズミにとっては、とても暮らしやすい環境です。クマネズミは暖かい環境を好みますが、地面に近い場所よりも天井は暖かいので快適です。
しかも、天敵が入ってこないので安全という点も、ネズミにとっては好都合なのです。居心地がいいと出ていこうとしませんし、子育てがしやすいためどんどん増えていきます。
ネズミは屋根裏でどのような暮らしをしているのでしょうか。駆除する前に、それを知っておきましょう。
まず、屋根裏がどのような構造になっているのかご存知ですか?
自分の家のことでありながら、普段は見たことがないという人が多いのではないでしょうか。
「屋根裏」とは、文字通り屋根の裏側にあたる部分のことです。「小屋根」とか「天井裏」と呼ばれることもあります。
屋根裏の構造は、次のようになっています。
一戸建て住宅の場合、2階建てなら2階の部屋の天井と屋根の間に空間ができています。天井の裏側には断熱材が敷き詰められています。
三角屋根の住宅の場合、屋根裏の天井は屋根の角度に沿って傾斜があり、何本もの柱で屋根を支えています。
屋根がフラットの住宅の場合は、天井と屋根板が並行になっていて、こちらも何本もの柱で屋根を支えています。
共同住宅では、最上階の部屋の天井と屋根板の間に「屋根裏」があります。また、最上階以外の部屋でも、上の階の部屋との間には天井板と上階の床板との間に空間があります。これを「天井裏」と呼び、断熱材や防音材などを入れています。
屋根裏を物置などの収納庫にしている住宅があります。この場合は天井に開閉できる穴があり、はしごを下ろして屋根裏に出入りすることができます。
また、もっと屋根裏を有効活用する場合は、ロフトと言って小部屋を作ることもあります。屋根(天井)が高い住宅ならロフトを作ることも可能です。(ただし、ロフトが広いと居室とみなされ、固定資産税が高くなる場合があります。)
屋根裏を収納やロフトとして活用していない場合は、押入れなど家の中でも目立たない場所に出入りする穴が設けられています。
普段はフタをしていますが、屋根裏を確認するときなどはこのフタを開閉します。エアコンやテレビなどの電化製品を設置する際に、屋根裏に配線を行います。工事の人が家に来て、「ちょっと押入れを見せてください」と言うのは、屋根裏への入り口を探すためなのです。
高い場所が好きなクマネズミは、屋根裏や天井裏にも入り込んでしまいます。しかも、クマネズミは穀物などの食べ物以外に、配線コードや断熱材などもかじってしまいます。
ネズミは前歯が大きいのが特徴です。この前歯は放っておくとどんどん伸びてしまうので、常に何かをかじって前歯を削らなければなりません。
そのため、他の動物がかじらないようなものもかじっています。例えば、次のようなものもネズミがかじるので注意が必要です。
これらは食用ではなく、前歯が伸びるのを防ぐのが目的です。かじっても飲み込んでしまうことはありませんが、家の中ではさまざまなものがかじられて被害を受けることがあります。
ネズミが屋根裏に住みついてしまった場合、どのような被害が出るのでしょうか。
次のように、多くの被害が考えられます。
不眠 | 夜になると天井でドタバタとネズミが走る音がして眠れない |
---|---|
悪臭 | 糞尿のニオイが発生する |
断熱材の破損 | 屋根裏に敷いてある断熱材をかじってボロボロになる |
コードの断線やショート | 配線のコードをかじってショートし、火災が発生することがある |
天井板や柱の破損 | 天井板や柱をかじってボロボロになる |
食物の被害 | 夜になると下りてきて食べ物を食べる |
感染症 | ネズミが菌を媒介して住人が感染症にかかる可能性がある |
ここまででご説明したように、屋根裏にネズミが住みつくと家や食品といったモノの被害だけでなく、悪臭や不眠、感染症など健康面での被害も深刻です。
少しでも早く駆除するようにしましょう。
ネズミ駆除には、次の方法があります。
殺鼠剤というのは、ネズミ駆除に有効な薬剤でネズミが通りそうなところに置いておくものです。
または、自宅にある食物(さつま揚げやソーセージ、パン、チーズなど)にネズミ駆除用の毒を混ぜたり、団子状にしたりして毒餌を作る方法もあります。
ただ、ペットや乳幼児が誤って口にする危険性があること、その場で倒れずに別の場所で死亡するケースが多く、死骸が見つからないという心配がある点がデメリットになります。
ネズミが通りそうな場所に粘着シートを敷いておく方法です。ゴキブリ駆除シートの大きい版のようなイメージですが、違いは広い範囲に敷き詰めるという点でしょう。
粘着力はかなり強力なので、うまくその場所を通れば効果があります。しかし、ネズミを見たくないという人にとっては、シートに貼りついたネズミの処理をどうすればいいのか困るといった問題が発生します。
人間の耳には聞こえないがネズミには聞こえるという周波数の超音波を流すことで、ネズミが嫌がって逃げ出すというしくみです。
しかし、超音波が聞こえなくなると戻ってきたり、超音波に慣れてしまったりと期待するほどの効果が得られないため、ネズミを完全に駆除するのは難しいでしょう。
カゴトラップやネズミ捕獲用のワナを仕掛けて、ネズミの好物でおびき寄せるという方法です。
1匹ずつしか駆除できない上に、捕獲したネズミの処理に困るという問題が発生しますが、数が少ない場合は対応できる方法だと言えるでしょう。
屋根裏に住みつくネズミはクマネズミで、垂直移動が得意なタイプです。そのため、外壁をよじ登って屋根裏に侵入する可能性があります。
上記の方法で駆除すると同時に、出入り口をしっかりふさぐ方法が有効です。ただ、素人が見ても、どれが侵入口になるのかわからないので、専門の業者に相談する方がいいでしょう。
日本の家屋に生息するネズミは3種類ありますが、屋根裏に住みつくのはクマネズミです。クマネズミは垂直移動が可能で、しかも暖かい環境を好むため、屋根裏は最適な環境だと言えます。
屋根裏にネズミが住みつくと、足音やニオイで眠れない、断熱材やコード、壁や柱をかじられるといった被害が発生します。
屋根裏のネズミ駆除には、毒餌や殺鼠剤を使う方法、粘着シートを使う方法、ワナを仕掛ける方法などがありますが、しっかり駆除をするには専門業者に相談する方がいいでしょう。