ネズミ駆除のお悩みを解決
「ネズミを駆除したいけれど、毒のエサや粘着シートはネズミの死骸を見なきゃいけないからイヤ」という場合は、ネズミを家から追い出す方法があります。ネズミが嫌う超音波を使って撃退するのですが、果たして効果のほどは?
このページでは超音波を使ってネズミ駆除する際の方法やメリット・デメリットについて解説していきます。
どうしてネズミの駆除に超音波を使うのでしょうか?まずは、その理由から見ていきましょう。
そもそも超音波とはどんなものなのかを知る必要があります。音は空気の振動を伝わって広がり、認識できます。ただし、人はすべての音を認識できるわけではありません。人間が発する音(声)は300Hz(ヘルツ)~4KHz(キロヘルツ)、聞き取れる音は20Hz~20KHzと言われています。
一般に20KHzを超える周波数の音を「超音波」と呼ばれ、「聞くことを目的としない音」という意味も持っています。
耳で聞くことができる音のことを「可聴音」と言い、人間の可聴範囲は上でも書いた通り20Hz~20KHzです。
しかし、ネズミの可聴範囲は0.2kHz~68kHzで、もっともよく聞こえるのが20KHz~50KHzと言われています。つまり、人間には聞こえない高い周波数の領域の音が聞こえるということです。
超音波によるネズミ駆除は、高い周波数の音域をネズミが聞こえるという性質を利用して、その音域の音を流すという方法です。
超音波の音が絶えず聞こえることで、ネズミが嫌がって逃げ出すという効果を狙っています。
超音波を使うネズミ駆除は、直接ネズミに触れることなく、また、死骸が出ないため、ネズミの姿を見たくないという人におすすめできる方法です。
一般の超音波ネズミ駆除器は25~65KHzの超音波を発生させるしくみになっています。この周波数はネズミが嫌う音で、人間の可聴音域ではないため、人間が騒音と感じることが少ないのが特徴です。
また、同じ周波数の超音波ではネズミが慣れてしまうことがあるため、可聴音域の範囲内で周波数をランダムに変えて発生させるものもあります。
実際の超音波ネズミ駆除商品は、次のようになっています。
商品A | 商品B | |
出力周波数 | 30~65KHz | 25KHzと電磁波を断続的に切り替え |
有効範囲 | 約80~150㎡ | 約70坪(約231㎡) |
超音波タイプのネズミ駆除機を購入する場合は、周波数や有効範囲が明記されているものを選ぶことが大切です。有効範囲が狭い場合は、超音波が届かない場所にネズミが移動するだけで駆除はできません。そのため、家の中に何個も設置する必要があります。
では、この超音波を使ったネズミ駆除ですが、果たして期待するような効果が得られるのでしょうか。
メリットやデメリットを見ていきましょう。
超音波ネズミ駆除のメリットには、次の点があります。
ネズミの駆除というと薬剤を使うものが多いのですが、乳幼児やペットがいる家庭では誤って口に入れてしまわないか心配です。
しかし、超音波での駆除は薬剤を使わないために、人体への害がないという点で安心できます。
超音波駆除はネズミを殺傷するのではなく、追い出すという方法です。薬剤やネズミ捕獲機のようにネズミの身体に触れることや死骸の処理を行う必要がありません。
ネズミを見たくないという人でも安心して使えます。
設置はネズミが行動しそうな場所に駆除機を置くだけで完了です。電源コードが必要になりますが、延長コードを引っ張ってくれば問題はありません。
業者に依頼しなくても、素人でもできるので手軽というメリットがあります。
超音波のネズミ駆除機は1個が2000円~1万円程度で購入できます。業者に駆除を依頼するともっと費用がかかりますが、安価でできるのがメリットだと言えるでしょう。
一方、次のようなデメリットもあります。
超音波のネズミ駆除の最大の問題は、「ネズミが超音波に慣れてしまう」という点でしょう。最初は嫌いな音が聞こえるために逃げていきますが、次第に慣れてきてまた巣に戻ってきてしまうことがあります。
その対策として周波数を変化させる駆除機もありますが、目を見張るような効果が得られるというものではないようです。
日本音響学会の実験でも、超音波を使って駆除実験をしたところ、最初は騒音に耐えるように身構える様子が見られたが、クモの子を散らすようにサッと逃げていく行動は見られなかったとあります。超音波はネズミに大打撃を与えるほどの威力はないということがうかがえます。
超音波ネズミ駆除機を購入する際には、超音波がどこまで届くのかをよく確認することが大切です。
有効な範囲がひと部屋分くらいしかない場合は、超音波が届かない場所にネズミが離れてしまうと効果が得られません。その場合は家の中に複数台を設置する必要があります。
超音波による駆除は、ネズミを殺傷するのが目的ではありません。嫌う音を聞かせて逃げ出すように仕向けるものです。
そのため、ネズミは居場所を変えるだけで、家を出たとしてもどこかで生きています。追い出しても戻ってくる可能性があるので不安が消えません。
ネズミ駆除にはネズミが嫌う周波数の超音波を照射します。この周波数は人には聞き取れないとされていますが、子どもや若年層の中には聞き取れる人があり「不快な音がする」「気になる」と感じる場合があります。
その場合はその人たちが出かけている時間帯だけ作動するようにするなどの工夫が必要になります。
これらのことから、超音波ネズミ駆除はネズミを家から追い出す効果は期待できるものの、また戻ってくる可能性があるため根本的な解決にはなりにくいものだと言えます。
家の中にネズミが巣を作り、繁殖してしまうと駆除は難しくなります。そうなる前のネズミ発生初期の段階で超音波で駆除してしまいましょう。
そして、ネズミの侵入口と思われる場所をふさいで入れなくすると、ある程度の駆除効果が期待できます。
超音波にネズミが慣れてしまうと、効果は期待できません。そこで、いくつかの方法を併用することをおすすめします。
やはり確実なのは粘着シートやワナを仕掛けたカゴを置いて捕獲する方法でしょう。また、殺鼠剤をネズミが好む食べ物に混ぜて置いておくという方法もあります。ただし、これは乳幼児やペットがいるご家庭では不安な場合もあるので、取り扱いには注意してください。
そして、当然ですが、キッチンやリビングなどに食べ物を置いておかないということも重要です。
ネズミが家の中にいることはわかっているが、駆除して死骸を見たり触れたりするのはイヤ……という人には、超音波を使って駆除する方法があります。
これはネズミが嫌う周波数の超音波を照射して、ネズミを追い出す方法です。人体に悪影響がなく毒性もないので安心ですが、ネズミが超音波に慣れてしまうと効果が薄れるというデメリットがあります。
また、若い人はこの超音波の音を聞き取れることがあり、不快に感じる場合があります。
超音波によるネズミ駆除は決定的な方法ではないので、他の方法も併用するといいでしょう。