節約のお悩みを解決
このページで分かること
「真冬の暖房は石油ストーブが断然お得」と思っていたら、意外や意外。“加湿器&エアコン”のダブルパワーで部屋を暖めた方が、かえって石油ストーブよりも電気代を節約できるんですよ!
「え!じゃあ、今まで重いタンクを持ってガソリンスタンドまで行っていたのは、何だったの?」と、思わずガックリきてしまいますが、それにはちゃんと理由があるのです。それはなぜかというと…?
エアコンの月々の電気代と、石油ファンヒーターの電気代を比べてみると、新しいタイプのエアコンであれば間違いなくエアコンを使った方が電気代が安くなります。
では、なぜ「石油ストーブの方がお得」と多くの人が思っているのでしょうか?それは、そもそも「エアコンだけでは十分に部屋が暖まらない」という前提があるからなのです。エアコンを使い、なおかつ寒い時間に石油ファンヒーターまで使うとなると、「最初から石油ファンヒーターだけ使った方がお得」と考えるのは当然でしょう。
逆に考えると、「エアコンだけで暖房がまかなえれば、その方がお得なのは間違いない」ということです。
エアコンのデメリットは、「空気が乾燥しやすい」ということ。そのため、加湿器を使わずにエアコンだけを使っていると、「なんだかあまり暖まらない」と感じてしまうのです。
そこでエアコンと加湿器を併用すると、どうなるでしょう?湿度が高くなると、空気が乾燥していたときよりも体感温度がアップするので、「エアコンだけでもけっこう暖まる」と感じるようになります。
それでも真冬に「どうしても寒い」というときは、朝晩の冷える時間帯だけ石油ファンヒーターを使い、日中はずっとエアコンを使うという方法もあります。
では、エアコンと一緒に使う加湿器は、いったいどんなタイプを選んだら良いのでしょうか?加湿器のタイプは、大きく4種類に分かれています。お手入れをきちんとやらないとカビが心配なタイプもあれば、お手入れは簡単だけれど電気代が高いタイプ、電気代は安いけれど加湿に時間がかかるタイプなど、種類によって特徴もさまざまです。
「節約」という観点だけで考えると、何といっても気化式がお得なのですが、それなりにデメリットもあるので、総合的に考えて選ぶのが一番良いでしょう。
加湿器の中でも一番価格が手頃なのが「超音波式」。これは、超音波で水面を振動させることで細かい飛沫をつくり、それを室内に飛ばして加湿する方法です。いってみれば、散水機で水滴を撒き散らすのと同じようなやり方です。見た目にオシャレなタイプが多く、電気代もお得なのは、超音波式の大きなメリットです。
ただしこの超音波式、実は気を付けないと部屋が汚れたり、健康を損ねる危険性もあるのです!加湿器を使っていたら、テレビの画面などに「あれ?白い粉が付いている」と思ったことはありませんか?家具に水垢のような汚れが付いてしまうこともあります。これは、加湿器から空気中に放出されたカルキやカルシウム・マグネシウムなどが付いてしまうため。
またタンク内の水を常に衛生的に保っておかないと、加湿器から吹き出す蒸気に雑菌が混ざってしまい、肺炎などの症状を起こしてしまう場合もあります。これが俗にいう「加湿器病」です。
超音波式加湿器の最大のデメリットをお話ししましたが、実は同じ超音波式でも、雑菌やカビの繁殖を抑える機能が付いた優れモノもあります!超音波式自体はとても使い勝手が良いので、雑菌やカビさえ心配なければ、選ばない手はないというもの。清潔で微細なミストが部屋全体に行き渡り、室内の菌が増えるのを防ぐので風邪予防にもつながります。
ただしこのタイプは、価格が高いのがネック!通常の加湿器の2~3倍はするので、その辺は覚悟してないといけません。たとえばダイソンの加湿器は、割引価格でも5万円前後と高額ですが、フィルター交換不要でなんと電気代は1時間あたりおよそ1円!どちらが本当にお得なのか、よく考える必要がありそうです。
「スチーム式」(加熱式)の加湿器は、鍋でお湯を沸かすように、水を加熱して沸騰させ、蒸気に変えて加湿するシンプルなタイプです。加湿パワーも高く、すぐに室内が潤ってくるので、とても使いやすい加湿器といえるでしょう。「シュッシュッ」と加熱した蒸気が勢いよく出るので、「鍋物をやったりお湯を沸かしたりするのと同じシステムなんだな」と、誰が見てもわかり、安心して使えます。
このタイプはただひたすらお湯を沸かして蒸気に変えるシンプルな仕組みなので、その都度加湿器内を煮沸消毒しているようなもの。当然ながら菌が繁殖する可能性は低く、お手入れは楽チンです。「毎日加湿器のお手入れなんて、やってられない!」という人には良いですね。
スチーム式はフィルター交換の費用がかからないのはうれしいのですが、電気代が比較的高いのがデメリットです。加湿しているときの音も、若干うるさいと感じるかも!冬場にずっと付けているというよりは、時間を決めてかける方が良いかもしれません。
また、加熱によって加湿するので空気がすぐに上に昇ってしまい、他の方式に比べて結露しやすいという点もあります。
「気化式」の加湿器は、水を含んだフィルターに風をあてて、空気を加湿するタイプです。一番の特徴は、電気代が安いこと!スチーム式と違って、朝から夜までずっとかけていても気にならない程度の電気代です。
音も比較的静かで、お子さんがうっかり触れてしまっても火傷などの心配はありません。スチーム式に比べて結露しにくく、見た目がお洒落な製品が多いのでインテリアとしても使えますね。
ただし、気化式はスイッチをONしてから加湿されるまでの時間が長く、排気が冷たいので室温が若干下がることもあります。フィルターの汚れは溜まりやすく、定期的なメンテナンスが欠かせません。また、ある程度の湿度になるとそこから上がりにくくなるという弱点もあります。
「ハイブリッド式」の加湿器は、気化式と同じように水を含んだフィルターに風をあてて加湿をするのですが、送風する空気をヒーターで温める点に違いがあります。言ってみれば、気化式の進化バージョンがハイブリッド式というわけです。中には超音波式の進化バージョンになっている製品もあります。
ハイブリッド式は“加湿に時間がかかる”という気化式の弱点を克服し、さらに途中から湿度が上がりにくくなるということもなく、“加湿能力が高いのに電気代があまりかからない”という理想の形を作り上げました。いま加湿器の中で一番偏差値が高いのは、ハイブリッド式と言っても間違いないでしょう。
蒸気は出るのですが、あまり温度が高くないので、子どもが触っても火傷の心配はありません。音も静かです。
いい面のたくさんあるハイブリッド式ですが、弱点を挙げるとすれば、やや価格が高めということでしょう。また、“お手入れが面倒”という気化式の弱点はクリアできていないので、お手入れ面を重視するのであればスチーム式うという選択肢もあるかもしれません。
石油ファンヒーターは空気をあまり乾燥させず、部屋をしっかり暖めてくれるメリットはあるのですが、電気代のことを考えるとやはりエアコンの方がお勧めです。室内の空気をクリーンに保つという意味でも、「加湿器と一緒にエアコンを使う」という方法に軍配が上がりますね。
エアコンと加湿器を併用するだけでなく、窓の断熱を工夫したり、床にカーペットを敷くなどして、上手にエアコンライフを送ってはいかがでしょうか。