雨漏りのお悩みを解決
このページで分かること
雨漏りは放置するとどんどんひどくなります。天井や床が濡れるなど屋内への影響もあるだけに、少しでも早めに修理しましょう。
「次の雨降りまでに自分で直そう」とお考えの方がいらっしゃるかも知れません。ここでは雨漏りの修理をDIY(日曜大工)でする方法や注意点についてご説明します。
DIYとは「Do It Yourself」の略で、自宅の修理や修繕などを自分で行うことを言います。修理だけではなく、戸棚や本棚、犬小屋を作ることもDIYに含まれます。「日曜大工」のことですね。
戸棚を付けたり、壊れたイスを直したり……という程度なら自分でもできそうですが、雨漏りの修理は自分でできるのでしょうか?
雨漏りは原因となる場所や程度によって、自分での修理が可能かどうかが分かれます。例えば「初めて雨漏りを発見した」という初期の状態や、雨漏りが1ヶ所だけという場合はDIYでの修理が可能でしょう。(ただし状況や場所によります。)
床が水浸しになるということは、屋根に大きな穴が開いていると考えられます。また、雨漏りの原因となる場所が複数で、あちこち修理しなければいけないという場合も、DIYでは難しいでしょう。
簡単な雨漏りの修理程度ならDIYでもできなくはありませんが、何ヶ所も雨漏りしている場合や、屋根の傷みが激しい場合などは、自分で修理してもまた雨漏りを繰り返す可能性があります。
悪化させないためにも、専門業者に任せるのが安心です。しかし、業者に依頼すると費用も時間もかかるので、まずはDIYで雨漏りを修理する方法を見ていきましょう。
雨漏りの修理をDIYでする場合は、次のような流れで進めていきます。
なお、雨漏りの修理とひと口に言っても、雨漏りの場所や原因、状況によって異なってきます。
雨漏りがしやすい場所は屋根や外壁などです。また、屋根は材質によっても修理方法が異なります。
それぞれの場所や材質に合った修理道具を準備することが大切です。
では、具体的に場所(屋根の材質)別のDIY雨漏り修理方法をご紹介します。
スレート屋根が雨漏りを起こすのは、スレートにヒビが入ることが原因です。自分で修理をする場合は、屋根に上がりヒビが入っている部分を取り外して新しいスレートと取り換えます。
スレート屋根の雨漏りを修理する際には、次のものを準備しましょう。
「スレーターズ リッパー」を使って、スレートを取り外します。外した場所にコーキング接着剤を塗り、新しいスレートを差し込みます。シーラーを塗り、塗料で塗装をします。その際に周囲のスレートに塗料が付かないようにあらかじめマスキングテープを貼っておくといいでしょう。
塗装が終わったらマスキングテープを外します。
瓦屋根での雨漏りは、瓦が割れたり、ヒビが入っていたりすることがほとんどです。この場合も割れた瓦を取り外して新しい瓦に交換します。
瓦屋根の雨漏り修理は、スレート屋根よりも簡単です。割れている瓦を取り外し、新しい瓦を差し込むだけでOKです。ただし、同じサイズの瓦がホームセンターに売っていない場合があります。その場合は瓦屋さんでバラ売りをしてくれるか聞いてみましょう。
瓦にヒビが入っているだけの場合は、防水テープでしっかりとつないで元の場所に戻します。
棟板金とはスレート屋根のスレートを押さえている部分のことです。通常はネジやビスなどで固定されていますが、経年劣化などで浮き上がり、すきまができて雨漏りが起こります。
まず棟板金を外します。その下にあるヌキ板も撤去し、クギ穴を防水コーキングします。新しいヌキ板を固定し、最後に新しい棟板金を置いてビスで固定すれば完了です。
谷樋とは屋根と屋根の勾配の先端がぶつかる部分で、谷になっているところのことを指します。これも経年劣化が原因で雨漏りを引き起こします。
まず谷樋を外し、その周辺のスレートも外します。新しい谷樋を設置して、外したスレートを元に戻せば完了です。
念のために防水テープを貼っておくと安心です。
漆喰は壁や瓦の接着などに使用されています。経年劣化で崩れることで、雨漏りになります。
崩れた漆喰を取り除き、新しい漆喰をコテで塗っていきます。
天窓もよく雨漏りの原因になるところですが、状況によって天窓全部を交換する場合と、コーキング材や防水テープだけで修理できる場合があります。
そのため、方法や費用の説明は省かせていただきます。
それぞれの部分別の必要なものと費用を見てみましょう。
修理箇所 | 必要なもの(費用) | 費用の総額 |
---|---|---|
スレート屋根 | ・スレーターズ リッパー(約1万円) ・コーキング接着剤(約1,000円) ・シーラー(約8,000円) ・マスキングテープ(約500円) ・塗料(約1万円) ・スレート板(約3,000円) |
約32,500円 |
瓦屋根 | ・瓦(1枚約数百円) ・防水テープ(約1,000円) |
約2,000円~ |
棟板金 | ・棟板金(8本 約6,000円) ・ヌキ板(5枚 約1,500円) ・防水コーキング(約1,000円) ・ビス(数百円) |
約9,000円 |
谷樋 | ・谷樋(約5,000円) ・防水テープ(約1,000円) |
約6,000円 |
漆喰 | ・漆喰(約8,000円) ・コテ(約2,000円) |
約1万円 |
(費用は目安です。使用する数量や材質などによって費用は変わります。)
雨漏りの修理は基本的に原因となる悪い部分を取り除き、新しい部材を設置します。傷みがひどくない場合は、防水テープやコーキングだけで完了する場合もあります。
文章で書くと簡単に思えますが、屋根の上という高所作業なので注意が必要です。
自分で雨漏り修理をする際には、次の点に気をつけましょう。
安全面を最優先に考えましょう。はしごは誰かに押さえてもらう、屋根が濡れている場合はすべるので作業を中止することなどが大切です。
また、必要なものを手渡してもらう、危険な場合に助けてもらうという意味でも、二人以上で作業するようにしましょう。
今はほとんどのものがホームセンターやネット通販でそろえることができます。しかし、サイズや材質などが合わないと修理ができません。事前に必要なものをよく確認して、スムーズに作業ができるように準備しましょう。
次の雨降りまでに修理したいという気持ちはわかりますが、湿気が多いとコーキング材や塗料が乾きにくいという問題があります。また、屋根が濡れていると滑りやすくなり危険です。
天候には十分に配慮してください。秋から冬は日没が早いため、すぐに暗くなります。作業開始時間にも気をつけましょう。
雨漏りの修理を自分ですることは不可能ではありません。専門業者に依頼するよりも費用が抑えられるというメリットもあります。
しかし、よほど簡単な修理でない限り、難作業となります。
ごく小さなクギ穴を埋めるとか、小さなヒビ割れをコーキング材で補強するといった簡易な作業ならできなくはありません。その場合でも、屋根の上という高所で勾配があるところでの作業は難しいものです。
スレート板や瓦を外して取り換える場合は、サイズや材質を調べたり、場合によっては適切なサイズにカットしたりする必要があります。塗料やコーキング材なども、どれが一番適しているのか…ということも、それなりの知識が必要です。
自分でできそうな雨漏り修理ですが、意外と難しいということを理解しておきましょう。
雨漏りの修理はDIYでできないわけではありません。必要な部材は個人でもホームセンターやネット通販で購入可能です。修理方法もネットで調べれば、かなり詳しく説明されています。
しかし、雨漏りの場所や状況によっては、修理が大がかりになることがあります。しかも、高所で勾配がある屋根の上の作業は安全面での注意が必要です。
費用面ではDIYが安上がりですが、仕上がりや安全性を考えると専門業者に依頼する方がいいでしょう。