盗聴器のお悩みを解決
このページで分かること
盗聴器には多くの種類があり、盗聴のしくみもさまざまです。「盗聴器はラジオで発見できる」という情報がありますが、それは数ある盗聴器の中でもごく一部の話です。
実際はラジオでは発見できない盗聴器もあります。このページではラジオで発見できるタイプ、できないタイプについて詳しくご紹介します。
FMラジオを使って盗聴器を発見できるのは、FMラジオと同じ周波数を使っている盗聴器だけです。
この盗聴器は音をFMラジオの電波に乗せて外に飛ばして、外部の受信機で盗聴します。
盗聴器で使われる周波数には、次のようにいくつもの種類があります。
ただし、これらのすべての周波数がラジオで検知できるというわけではありません。上でもご紹介した通り、FMラジオと同じ周波数の盗聴器の場合のみ、発見することができます。
UHF帯 | ・398.605MHz(Ach) ・399.455MHz(Bch) ・399.030MHz(Cch) など |
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UHF帯 | 比較的新しい周波数 ・410.250MHz(Dch) ・320.235MHz(Dch) ・410.350MHz (Ech) ・320.675MHz(Ech) など |
VHF帯 | ・139.970MHz(Ach) ・140.000MHz(bch) ・139.940MHz(Cch) など |
FMラジオ | 90.5MHzなど地方によって異なる |
FMラジオは電波が届く範囲が狭く「超短波」とも呼ばれます。周波数は76MHz~90MHzで、全国各地に放送局があります。
例えばエフエム北海道は76.4NHz(旭川)~89.5MHz(洞爺)、エフエム岩手は76.1NHz(盛岡)~89.3MHz(宮古)、エフエム東京の首都圏は80.0MHzのように地域によって周波数が異なります。
FMラジオと同じ周波数を使っている盗聴器の場合は、ラジオを使って盗聴器の存在を調べることができます。
では、ラジオを使って盗聴器を発見する流れを見ていきましょう。準備するものは、下記の2つです。
方法は簡単です。
このようにFMラジオの周波数を少しずつ変えていくと、室内のテレビや音楽スピーカーの音がFMラジオから聞こえることがあります。それで盗聴器がどこかに仕掛けられているということがわかります。
FMラジオからテレビなどの音が聞こえたからと言っても、それだけでは盗聴器の場所はわかりません。
そこで、音を検知した周波数のままでFMラジオを持って室内をグルグル歩いてみましょう。
盗聴器の近くに来ると「キーン」といった不快な音が聞こえます。これは「ハウリング」と言ってラジオの電波に反応して音が発生するものです。
その近くを探してみると、盗聴器らしきものが見つかります。
FMラジオで盗聴器を見つける方法は簡単なのですが、FMラジオの周波数を使っている場合しか検知できません。
それ以外にも盗聴器には、上でもご紹介した通り、UHF帯やVHF帯のようにさまざまな周波数を使っています。これらの「アナログ式盗聴器」はFMラジオの周波数とは異なるため、室内に盗聴器が設置されていても検知はできないのです。
また、電波を使わずに直接録音するタイプの盗聴器(ICレコーダータイプ)や携帯電話・スマートフォンを使う盗聴器(デジタル式盗聴器)の場合もFMラジオには反応しません。
では、FMラジオ以外の周波数の盗聴器(アナログ式盗聴器)を見つけるにはどうすればいいのでしょうか。
方法としては、次の2通りがあります。
室内をくまなく探して、自分の目で盗聴器を探す方法です。ただし、アナログ式盗聴器は素人がすぐに発見できるほどわかりやすいものではありません。
多くはコンセントの中や壁の中、電話機の中などに埋め込まれているため、パッと見ただけでは発見できないのです。
そこで有効なのが盗聴器専用の「発見機」を使って探す方法です。特に電波を使って盗聴する「アナログ式盗聴器」の場合は「広帯域受信機」という発見機がおススメです。
これはFMラジオの周波数よりも広い範囲の周波数を検知するものです。そのため、UHF帯やVHF帯の電波を使った盗聴器でも発見が可能です。
(ただし、すべての周波数に対応していないものもあります。)
広帯域受信機の性能は機種によってさまざまです。高性能のものは検知能力に優れていますが、本体価格が高額になります。個人で所有するよりも専門家に調査をお願いした方がいいでしょう。
盗聴器には電波を使わないものもあります。その場合は盗聴器発見機で検知することはできません。
自分の目で探すしかないのです。
電波を使わない盗聴器には、ICレコーダー」のように録音するタイプのものがあります。
会議やインタビューなどで使うICレコーダーの他に、次のようなさまざまなものに盗聴器が仕掛けられています。
これらを室内に置いて録音ボタンを押せばバッテリーが切れるまで録音が可能です。
最近の盗聴器は数日間の録音が可能というものもあるので、気づいたときにはすでに録音されていたということがあります。
ただし、電波で音声が飛ぶわけではないので、盗聴器本体を持ち帰って録音した音声を聞くことになります。そのため、設置者よりも先に見つけて盗聴器を所持してしまえば相手に聞かれる心配はありません。
録音式盗聴器は毎日の生活で使う品に仕掛けられていることが多いので気づきにくいのですが、見慣れないものがあれば疑ってみましょう。
自分で買った覚えがないものや購入していないのに配達された品、プレゼントなどは要注意です。
また、家族や知り合いが「これ使って」と置いていくケースもあります。不自然な点がないか意識することが大切です。
デジタル式盗聴器とは携帯電話やスマートフォンを使って盗聴するものを指します。携帯電話の電波が届く範囲であれば、遠く離れていても盗聴が可能です。
しかも、一般の盗聴器発見機で検知することができないために発見は非常に困難です。デジタル式盗聴器を見つけるには、専門家に依頼して特殊な装置を使って調べてもらう必要があります。
普段から見慣れない携帯電話やスマートフォンが身近にないかを確認して予防するようにしましょう。
盗聴器をラジオで発見できるのはFMラジオの周波数を利用した盗聴器だけです。それ以外のUHF帯やVHF帯の電波を利用したアナログ式盗聴器はFMラジオで発見することはできません。その場合は広帯域受信機が必要になります。
また、ICレコーダーのような録音式盗聴器や携帯電話などを使ったデジタル式盗聴器もFMラジオで探すことはできません。録音式盗聴器は目視で探すしかありません。デジタル式盗聴器は専門家が使用する特殊な装置が必要になります。
ただ、FMラジオの周波数を使った盗聴器は広く出回っているので、盗聴の不安がある場合はまずFMラジオの周波数を下から上まで上げていって「ハウリング」(キーンという不快な音)がしないかどうかを確認してみましょう。
それでも見つからない場合は別のタイプの盗聴器の可能性があるので、専門家に相談されることをおすすめします。