盗聴器のお悩みを解決
盗聴は国家間の重大事項の漏えいから個人の浮気調査までさまざまな場面で行われています。もちろん企業の重要な情報も盗聴されている可能性があります。
最近はインターネットを介しての情報漏えいが増えていますが、まだまだ盗聴器による被害もあります。今回は企業での盗聴器による情報漏えいについてご紹介します。
いつの時代も企業間の競争は激しく、いかに他社に先を越されずに新商品を開発し世に出すかが重要です。
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は「企業における営業秘密管理に関する実態調査」の結果を2017年3月に発表しました。
これは無作為に抽出した企業12,000社に対してアンケート調査を行ったもので、2,175社から有効回答が寄せられました。
その結果、過去5年間で営業秘密の漏えいを経験したのは全体の8.6%です。前回の調査は13.5%なので減ってはいますが、「漏えいがあったかどうかわからない」と回答している企業は18.1%と多いことから、気づかないうちに漏えいされている可能性があります。
(情報漏えいの方法の内訳は不明です)
どこから営業秘密が漏えいしたのでしょうか。
アンケートの回答では、次のようなルートがあることがわかりました。
漏えいルート | 割合 |
---|---|
現職従業員などのミスによる漏えい | 43.8% |
中途退職者(正規社員)による漏えい | 24.8% |
取引先や共同研究先を経由した漏えい | 11.4% |
現職従業員などによる具体的な動機をもった漏えい | 7.6% |
外部からの社内ネットワークへの侵入に起因する漏えい | 4.8% |
中途退職者(役員)による漏えい | 3.8% |
外部者の不正な立ち入りに起因する漏えい | 2.9% |
その他 | 9.5% |
漏えい先は国内のライバル企業という回答がもっとも多く、全体の32.4%を占めています。また、漏えい先が不明とか漏えいによる損失額がわからないという回答が多いことからも問題の深刻さがうかがえます。
上の表からもわかる通り、現職の従業員が情報漏えいに加担しているケースが多くあります。
USBメモリやSDカード、紙の資料などをうっかりどこかに置き忘れて情報が漏れたというミスの他に、故意に従業員が情報を漏らす場合や、退職した従業員が転職先に情報を漏らすというケースもあります。
このように情報漏えいには多くのケースや方法があります。もちろん盗聴だけではありませんが、企業側は秘密情報の保持や管理には十分に注意する必要があります。
では、次に「盗聴」に絞って見ていきましょう。
企業に盗聴器が設置される場合、その目的は下記のものが考えられます。
企業での盗聴というと企業の機密情報を得ることが真っ先に思い浮かびますが、必ずしもそれだけではありません。
怪しまれずに盗聴器を設置しやすいという点で、社内の人間の犯行も考えられます。
ライバル社員がどこに営業に行こうとしているのかを探ったり、上司が部下の行動を探ってさぼっていないか監視したり…といった目的にも利用されます。
また、会社のお金や貴重品がどこにあるのかを探る目的で盗聴されるケースもあります。
盗聴器は小型化しているため、思いもかけないような場所に設置されています。
会議の内容を盗聴するために設置されます。設置場所としては、次のところがあります。
このように会議室やオフィス内のあらゆるところに盗聴器を仕掛けることができます。
社内の会議室にどうやって社外の人が盗聴器を設置できるのか不審に思われるかも知れませんが、実は会社にはさまざまな人物が出入りします。
盗聴を依頼された人物がこういった業者になりすまして盗聴器を設置することがあります。
特にいつも出入りしている業者には従業員もつい気を許しがちです。そんなスキを狙って盗聴器を仕掛けられる可能性があるので、注意が必要です。
上司が従業員を監視しているのは、あまり気持ちのいいものではありませんね。
しかし、たびたび休憩に行く社員がいると、「さぼっているのかも?」と疑いたくなるものです。
そんな場合は社員食堂やテラス、給湯室などに盗聴器を設置している可能性があります。社内での上司の悪口は慎むようにしましょう。
会社の専用車に盗聴器が仕掛けられているケースがあります。車内は密室なので、乗車している人以外は誰も会話を聞いていないと思い込み重要な情報を話すケースがあります。
それを車内に設置した盗聴器で盗聴されることがあるのです。車内では次のような場所に盗聴器が設置されているので、何か不審なことがあれば探してみましょう。
盗聴器は小型化しているので、少しのすき間があれば設置できます。また、スマートフォンのように離れた場所でも盗聴できるものもあるので、遠くに移動してもリアルタイムで盗聴できてしまいます。
盗聴器の性能がアップしているので、盗聴器の発見自体が難しくなっています。また、企業の機密情報漏えいが目的の場合は、かなり高性能な盗聴器が使用される可能性があります。
このような盗聴の被害を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
盗聴器は社内の人物が設置する場合と、社外の人物が設置する場合があります。
まず社外の人物が設置する場合の注意点について見ていきましょう。
大企業は社屋に入る際に、従業員のIDカードやパスワードなどで厳しくチェックしていますが、中小企業の場合は比較的簡単に入れるところが多いようです。
しかし、盗聴に限らず企業秘密の漏えいを防ぐには、人の出入りの管理は厳しくした方が安心です。
盗聴器はボールペンや電卓、USBメモリなどに仕掛けられていることが多いので、これら事務用品は会社で支給するようにしましょう。
私物を持ち込むと、その中に盗聴器が仕掛けられていても気づきません。会社で支給し、それを社外に持ち出さないと決めておけば、ある程度は防げます。
大手セキュリティ会社は法人のセキュリティも行っています。
盗聴器の発見や不審者の出入り監視などもできるので、相談してみましょう。
退職した従業員が企業情報を持ち出したということはよくあるケースです。
貴重な人材が辞めるのも痛手ですが、企業情報まで持ち出されては大変です。在職時から従業員には社内で使用するパソコンやUSBメモリ、資料などの持ち出しは厳しく禁止するようにしましょう。もちろん退職時にはすべて会社に返却するように徹底してください。
万が一、情報が漏れた場合は損害賠償を請求することなどを明記した書類を退職時に交付するといった対策を取っておきましょう。
企業の情報が漏えいした場合は、次の機関で相談に応じています。特に個人情報や知的財産に関するものは早めに相談して対策を取るようにしましょう。
(情報漏えいは盗聴以外でも相談可能です。)
また、各都道府県の警察にも営業秘密侵害事犯窓口があります。これは情報漏えいに対して刑事的措置を検討する際に相談が可能です。
企業での情報漏えい先はライバル企業がもっとも多く、漏えいルートとしては現職の従業員のミスの他、故意の漏えい、退職した従業員による漏えいなどもあります。
盗聴はライバル企業だけでなく、社内の人物がライバル社員の情報を得るためや上司が部下を監視するためといった目的でも行われます。
企業内の盗聴はオフィスや会議室などに小型の盗聴器を設置することで簡単に実施できます。これを防ぐには、外部からの人の出入りを厳しく管理する他、社内で使用する事務用品などは統一し私物は使わないようにすることなどの対策を取りましょう。
もし情報が漏えいした場合は相談機関に早めに相談することが大切です。