片付けのお悩みを解決
「お気に入りのスーツだったのに、何だか最近傷んできて、着れなくなってしまった」というような経験はありませんか?もちろん素材の種類や質によっても洋服の持ちは違いますが、きちんとしたケアをしてあげると、10年以上経っても美しさや風合いをキープすることができるんですよ!では、どんな風にお手入れをすれば、洋服を長持ちさせることができるのでしょうか?
「ブラシをかけるだけで本当に洋服の持ちが違うの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、これが意外と重要なポイントです。ブラシといってもエチケットブラシではなく、洋服売り場などによくある、毛足の長いブラシです。これで洋服に付いた細かいホコリや泥・砂・排気ガス・花粉などを落とすことで、着ているときに乱れた毛の流れを元に戻し、自然な光沢が蘇るのです。
では、ブラシをかけないでいるとどうなるかというと、少しずつ積もった汚れが次第に頑固な汚れになって洋服に付着し、「何となく汚い」「微妙に風合いがなくなった」という感じになっていきます。また、繊維が絡まったり毛羽立ったりすることもあります。長い時間をかけて変わっていくものなので、1~2年ではわからないかもしれませんが、5年10年と洋服を持たせたいなら絶対に習慣にすると良いでしょう。
ただし、安っぽい化繊の服などにブラシをかけても、あまり意味はありません。ブラシをかける意味があるのは、主にウールのスーツやコート、カシミヤのセーターなどです。
たとえばスーツにブラシをかける場合は、ジャケットとスラックスを別々にハンガーにかけ、生地の縫い目に沿って上から下に向かってブラッシングします。ホコリをかき出し、毛並みを整えていくイメージです。襟裏やポケットの中、スラックスの裾の折り返し部分までブラッシングするのを、忘れないようにしましょう。間違ってもスーツ生地を擦らないように、手首を回すようにして優しくブラッシングしてください。
ジャケットのボタンは、ブラシが引っかからないように留めておき、スラックスは挟むタイプのハンガーにかけてブラッシングするとやりやすいです。ブラッシングが終わったら、風通しの良い場所で陰干しをして湿気を取りましょう。
ブラッシングは毎回行うのが理想ですが、「2~3回着たら1回かける」というタイミングでもOKです。衣類の素材に合わせてブラシの種類を変えるのが大変なら、万能タイプのブラシを用意すると良いでしょう。
「洋服を大事にしたいから、着用した後は必ずクリーニングに出している」という人がいますが、必ずしもそうとは限りません。クリーニングに出すと洋服を機械にかけたり、溶剤を使ったりするので、その刺激で縮んだり風合いが落ちたりする可能性があるからです。かといって、何度も着続けて汚れが洋服に蓄積してしまうと、それはそれで傷みの原因になります。
ではどうすれば良いかというと、やはり普段はブラッシングなどでお手入れをしながらも、汚れが蓄積しない程度にクリーニングには出した方が良いでしょう。
そしてとても大事なのが、洋服を丁寧に扱ってくれて、なおかつ適切な処置を行ってくれるクリーニング店を選ぶことです。「3着1,000円」といった宣伝に踊らされず、洋服を傷めない洗い方をしているかどうか、シミ抜きの方法は適切かなどをしっかりチェックしてから頼むようにしましょう。
洋服を長持ちさせるために、保管をきちんと行うことはとても重要です。人間が呼吸をして生きているように、洋服も呼吸しているということを忘れないようにしましょう。一年を通して着る洋服はあまり心配ありませんが、気になるのは季節によって入れ替える洋服です。
収納する場合は風通しを良くして、スーツはスーツ専用の保管袋を使いましょう。クロゼットに洋服を詰め込み過ぎると、通気が悪くなるので要注意です。
また、どんなハンガーに掛けるかというのも、かなり大事です。プラスチック製の安いハンガーや、クリーニングに付いてきた針金タイプのハンガーなどは、型崩れしてしまうので絶対にNG!木製のしっかりしたハンガーに掛けて収納するようにしましょう。
「お気に入りの洋服だから」といって、何回も立て続けに着てしまうと、当然ながら傷みも早くなります。お気に入りだからこそ、適度に休ませてあげながら、大切に着続けるようにしましょう。
できれば、持っているワードローブをローテーションして、バランス良く使うことをお勧めします。スーツに関しては、ひとつのジャケットにスラックスが2つ付いているものであれば問題ありませんが、そうでない場合はスラックスが先に傷んでしまう可能性が大です。できればスラックスは多めに休ませてあげて、ジャケット単独で使う機会も作ってあげるのがベストです。
スーツやコートなどは、お手入れの仕方ひとつで10年20年と長く使い続けられるものもあります。「そういえば、洋服にブラシをかけるのをすっかり忘れていた!」という人は、この機会に日本人の“もったいない精神”を思い出し、まずは毛足の長い洋服ブラシを買うことから始めてみてはいかがでしょうか。