掃除のお悩みを解決
「畳ならいつも掃除しているから大丈夫」と思っていても、実は知らない間に畳を傷めてしまっているということがよくあります。畳ならではの掃除のポイントをしっかり把握すれば、畳替えのスパンも長くなり、イグサの美しい色を長く保つことができますよ!
あらためて言うまでもないことですが、「畳の目に沿って掃除をする」というのは、畳掃除の基本中の基本です。イグサが編まれている方向に逆らって掃除機をかけると、畳が傷ついてしまうので、目に沿ってゆっくりと掃除機をかけるようにしましょう。“畳モード”がある場合は、必ずオンにしてください。掃除機をかけた後は、必要に応じて雑巾で乾拭きをします。「乾拭きは面倒くさい」という人は、フローリングワイパーでもOKです。
月に1~2回程度は、掃除機をかけた後に固く絞った雑巾で水拭きをし、その後乾拭きをしましょう。畳は乾拭きが原則なのですが、ときには水拭きもしてあげるとスッキリします。水拭きをした後は窓を開けるなど風通しを良くして、すぐに畳が乾くように気を配りましょう。
ただし、最近はイグサ以外の素材を使った畳も出回っているので、その場合は素材に合った掃除法を行う必要があります。
「和室はやっぱりホウキで掃きたい」という人も、畳の目に沿ってゆっくりと掃くことが大切です。掃いた後は、必要に応じて雑巾で乾拭きをします。仕事などで忙しい場合は、日々の掃除をホウキで行い、週に1~2回程度乾拭き(またはフローリングワイパー)という形でも良いかもしれません。
お茶を飲む習慣があるご家庭なら、月に1~2回程度はお茶がらを捨てずにギュッと絞って畳にばら撒き、ホウキを使ってゴミと一緒にチリトリですくい取りましょう。こうすることで、お茶がらが取りにくい畳のホコリをからめ取り、畳をツヤツヤにしてくれます。お茶がら自体に殺菌効果もあるので、ゴミ取りとツヤ出し、殺菌の一石三鳥ですね!その後は雑巾で乾拭きをして、お掃除終了です。お茶がらの代わりに、米ぬかでもOKですよ。
最近大人気の“お掃除ロボット”、きっと使っているお宅も多いことでしょう。そこで疑問に思うのが「畳に使っても大丈夫なの?」ということ。結論から言うと、畳に限っては使わない方がベターです。もちろん、お掃除ロボットは畳の上でもスイスイと汚れを取ってくれますが、残念ながら畳の目に沿って掃除はしてくれないので、どうしても長い期間にわたって使うとイグサが傷ついてしまうのです。
とはいえ、忙しいからお掃除ロボットを使っているのに、「畳の部屋だけは掃除機をかける」というわけにもいかないのが現実でしょう。実際、畳の部屋をお掃除ロボットで毎日掃除をしたからといて、目に見えるほど畳が傷つくわけではありません。子どもさんのいるご家庭なら、畳で遊んだり寝転んだりする方がよっぽど畳を傷つけるかもしれません。その辺はケースバイケースで考えて、畳替えのタイミングを短くするなど工夫しながら、臨機応変に対応しましょう。
畳と畳の間に緑や紫などの色をした「ヘリ」と呼ばれる部分がありますが、ここは溝があるのでホコリや汚れが溜まりやすく、丁寧に掃除をする必要があります。掃除機のブラシノズルや細口ノズルを使って、ゆっくりと丁寧にお掃除しましょう。
ホウキを使う場合は、ヘリとイグサの隙間を意識して、軽く掻き出すように掃きます。このときも、けっして力を入れ過ぎないことがポイントです。
“畳干し”、ちょっと面倒な作業ではありますが、これを年に2回ほどやると畳の快適度がかなり違います。「とてもそこまでやっていられない」という人は、梅雨前だけでも家族に協力をしてもらいながら、畳干しをしましょう。
理想的なのは春と秋、晴天の日に畳を取り出し、裏返して置いて風を通します。畳を取り出すときは、一番出しやすそうな畳の角にマイナスドライバーを指し、「フンッ」と力を入れると数センチ持ち上がるので、そこから持ち上げていきましょう。
畳の裏をメインにして2~3時間は干し、畳を上げている間に掃除機で畳の床下の部分も掃除をしておきましょう。「マンションだから干す場所がない」という場合は、畳の床下にペットボトルを数個置き、その上に畳を裏返して置いても大丈夫です。干し終わったら元に戻しますが、そのときに汚れの目立つ畳を他の畳と交換するなど、配置を換えても良いかもしれません。この畳干しは、ダニ退治のためにも効果的です。
和室は、炬燵でお茶を飲んだり子どもと遊ぶなど、日本人の生活にとって欠かせない場所。畳掃除にはそれなりの大変さもありますが、あの和室の爽快感を考えると「それぐらい仕方がないかな」とも思えるでしょう。ご家庭の忙しさなどに合わせて臨機応変にお掃除をして、快適な和室ライフを送りたいですね。